もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089897

作品紹介・あらすじ

大人気シリーズ「RDGレッドデータガール」の著者荻原規子が自らの”ファンタジーのDNA”を育んだ名作を紹介。『赤毛のアン』の日常と『枕草子』の宮廷生活、どちらの描き方にも共通するものとは? 古代中国を思わせる小野不由美の「十二国記」に西洋の児童文学を想起するのはなぜか。実は青春恋愛譚として読める佐藤さとるのコロボックル物語、『だれも知らない小さな国』。六百枚を超えたデビュー作『空色勾玉』のエピソードなど、読書の幸福が溢れるブックガイドとしても読める名エッセイ集。酒井駒子描きおろしのカバーも必見!

感想・レビュー・書評

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  • 児童文学に戻ろうかな

  • いろいろ思うことはあれど、読んでいて、トールキンやル・グウィンのファンタジー論を思い出していた。
    共感することが多い読書でした。

  • 祝文庫化!

    もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで 荻原 規子:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321909000228/

    もうひとつの空の飛び方: アンダンテ日記
    http://andante-d.way-nifty.com/blog/2020/07/post-864be7.html

  • 荻原規子先生は昔から読書家だったことを感心して、こういう考え方をしてるんだって思いました。
    エッセイ集の中に『ナルニア国物語』シリーズやらの本の内容を紹介をしてくれて、どれも面白そうだったので、いつか『ナルニア国物語』とかも読んでみたいと思っています。

  • 荻原規子さんが幼少期から読んできた本の数々、くっついたり離れたりするファンタジーとの関係性、ファンタジーを創作する上での素養にまで、赤裸々に語ってくださっていて、何度も読みたい、と心から思い、たくさんメモをとりました。
    「床下の小人たち」よりも「コロボックルシリーズ」の方がすんなりと入ってきた、というあたりでは「ああ、そういうことだ!」と嬉しくて、「そうか、荻原規子さんの作る物語のことを好きだと思うことはそういう素養の部分が大きいのだなあ」、と胸を熱くしたりしました。

    とてもとても面白かったです。

  • もっと日本ベースの創作についての話が読めるかと思っていたので、ちょっと違う内容だった。作者の子供の頃の読書が翻訳物ばかりと知って驚き。
    でもよく考えたらこの方が日本ベースファンタジーの草分けか。
    子供の頃はなるべく長いシリーズものを読んでいたとか、いくつか共感できることがあった。でも「白鳥異伝」はさすがにめちゃくちゃ長いのが明らかなので、手に取るのは他より後になった思い出。ちなみに、辞書だと思われていたことは笑った。

  • 荻原規子さんが昔から好きなので読んでみた。小説ではなく、エッセイで触れる作者の言葉は結構興味深い。

  • 今年の目標は「児童文学を読む」なので、
    大好きな荻原規子さんの児童文学についてのエッセイを。


    わたしは荻原規子さんの「勾玉シリーズ」で人生が変わったと思っている。
    いまでも覚えている、
    小学生の頃、自分の机に向かって夢中で読んだ。
    我慢できなくて机にかじりついて読んだ。
    子供の頃に出会えて本当によかった。
    これのおかげで私は日本文学部にすすんで
    伝承文学を学び、伝承文学で卒論を書いた。

    だけど、わたしはそんなに児童文学を読む子供じゃなかったんだなあ。
    荻原規子と江戸川乱歩、
    外国作品は赤毛のアンシリーズくらいしか読まなかった。
    今思うと本当にもったいないことをした。


    荻原規子さんが夢中になって読んだのは
    ナルニア国物語や赤毛のアンシリーズなど、
    外国作品が多いようだ。
    メモをとる手が止まらなかった。わたしも読みたい!
    とりあえずナルニア国からかな。

    文庫版あとがきに、「日本の古典についても触れたものを書きたい」と書かれていて、そちらも熱望します!!

  • 2020.8
    ファンタジーとはなんぞや。神話、枕草子、コロボックル、アン、ナルニア、十二国記、バンビ、ジブリなど、子どもの頃の読書体験や自身の性格、孤独なども絡めて書いてあってなかなか。この世界を超越した別世界のものと感じていたファンタジーが、これを読んで自分の現実にひっぱってこられたような。いつでも側にある世界、根底にある物語なんだと。型の大切さ。

  • 荻原規子さんの描く世界が大好きな子どもだった。

    初めて、学校の図書館で借りた本を、我慢できずに下校の道で読んだ「空色勾玉」とそのシリーズ。
    勇敢な少女が発見し、切り開いていく古の日本のファンタジーは夢のような地続きのような、不思議な世界の居場所を作ってくれた。
    好きだったなぁ、稚早矢と挟也…藤太と阿高…

    この本ではナルニア国や枕草子をはじめ、荻原さんの世界の源泉になった本との出会いが綴られている。
    それだけでファンとしてはとても嬉しいし、そこで触れられているケルトや古事記などの世界は、荻原さんの本を知っていればなるほどたしかに通じていると思うものばかりだ。

    ファンタジーは子どものためのお伽話ではなく、子どもであった自分を重ねゆくなら、いつでも心を響かせてくれる物語なのだと思う。

    その心を認める余地を今の自分に認めているか…久しぶりに荻原さんの文に触れて、物語を語り、読むことのできるものとしての幸せを、もっと味わっていきたい!と思った。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荻原規子の作品

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