こわい本3 狂乱 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 37
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089927

作品紹介・あらすじ

江戸時代。美しい娘のいる家に小判がふれば娘は殺される――。たたりの原因を調べる親分は何者かに切られ、娘のひとみが犯人を追ううちに、死体の頭に恐ろしい傷のぬいあとがあることに気づく。ひとみの推理が冴える「ふりそで小町捕物控」。応仁の乱の末期、残虐な領主に家族を殺された鬼丸は、仏師・海慶の彫ほ る不動明王に魅せられ……「人喰い不動」。室町時代後半。烏山城主・烏山主水之介は能面の蒐集マニアだったが、ついにはこれぞという面を作らせようと、城下に住む能面師・夜叉面のもとを訪れたが、「けがれた気持ちで面はつくれませぬ」と断る夜叉面。怒った主水之介は夜叉面を切り捨ててしまう。夜叉面の孫で弟子の重太郎は、復讐を誓う。美貌の青年に成長した重太郎は面づくりの支度を始め、自らの顔にのみの刃を当て……「肉面」。他、「復讐鬼人」「木の肌花よめ」「悪夢の数式」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 新版「こわい本」の第3巻は主に60年代に発表された時代物ホラーを集めたもの。
    67年に「週刊少年マガジン」に掲載された「人喰い不動」と「復讐鬼人」に2編は他とはかなり毛色の違い劇画色が強い。
    巻末に草間彌生との対談も収録。

  • 今回のテーマは「狂乱」だけれど、時代物というコンセプトもありそうです。案外と怖くない、かも。ただし人間の歪んだ心や残酷さを描いているという面では、何よりも怖いのかもしれません。
    「人喰い不動」と「復讐鬼人」は物凄いのだけれど、怖いという気がちっともしなかったのは。勧善懲悪的な面が多いせいかな。結末はとてもすっきり。
    「ふりそで小町捕物控」が面白かったです。こういう作品も書かれていたんだ! 人間の執念の恐ろしさも描きながら、けっこう正統なミステリとしても読めます。あの有名作品と同じネタが使われていたのも「おおっ!」という感じ。

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著者プロフィール

楳図 かずお(うめず かずお)1936年和歌山県生まれ。55年に貸本漫画家としてデビュー、『週刊少年サンデー』などに作品を発表。ホラー漫画の第一人者。代表作に『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』『14歳』など。ホラー、SF、ギャグ、時代劇まで幅広い。1995年以降、腱鞘炎という理由で漫画は休筆中。タレント活動を行い、2014年には長編ホラー映画『マザー』を初監督・脚本・出演。

「2022年 『こわい本11 猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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