万能鑑定士Qの事件簿 0 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041090114

作品紹介・あらすじ

2009年、都内でバンクシー作とおぼしきステンシル画が見つかった。真贋判定を依頼された「万能鑑定士」の凜田莉子は、都庁に赴きその絵を鑑定。これにて一件落着かと思われたが、その場は序章に過ぎなかった――。ゴッホの真作、漢委奴国王印を巡る謎に次ぐ謎、そしてまさかの真実! 舞台は熱海、福岡、そして日本を飛び出しグアムまで! 再び帰ってきた莉子の知られざる大勝負。シリーズ最後にして最初、最大の事件に挑む!

感想・レビュー・書評

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  • 凜田莉子のチープグッズから独立したての時のエピソード。
    時系列は『事件簿Ⅹ』の後の物語で、爾北会を壊滅させた後でその世界で一躍有名となった彼女がバンクシー・漢委奴国王印を巡ってグアムや福岡・熱海と言った所を旅していく。時系列こそ小笠原と出会う前だがメタ的には今までの事件を彷彿とした言葉を、物語の中では予言のような形になっているのがとても面白かったです。
    今回も松岡作品よろしく『グアムの探偵』から主要キャラ3人が登場しており、レイが相棒代わりとして真相を明らかにしていく。私はこのキャラクターをこの話で知ったのでどんな物語が向こうで展開されていくのかが読むのが楽しみになりました。
    小笠原と出会う前の莉子は自己肯定感があまり無いものの、行動力は昔からだったんだなぁという印象を受けた。呼び出されて直ぐに熱海に行き、その後グアムへ行き、1日経ったら次は福岡へ戻るというハードスケジュールをこなしていたのが凄いなぁと、今の彼女の姿を見ているとこの頃からもしかしたら鑑定家としての自覚が無意識ながら出てきていたのかなぁと思いました。また、盗賊団の一員であったアドモに裏切られても、その人の審美眼の鋭さを見抜いて更生を促そうとするところも彼女の人の良さがあって面白いと思いました。これで万能鑑定士シリーズの長編は後1冊になったので12月にレビューを書いていきますのでお楽しみに!

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    葉山翔太:中村悠一
    富田夏鈴:上田麗奈
    鵜澤隆仁:三上哲
    パーシヴァル・ラングリッジ:松本保典
    カミロ・アドモ:陶山章央
    笠岡苗美:高島雅羅
    クインシー・プレストン:小野坂昌也
    レイ・ヒガシヤマ:梶裕貴
    デニス・ヒガシヤマ:内田夕夜
    ケンゾー・ヒガシヤマ:羽佐間道夫
    丹野尚彦:加瀬康之
    藤巻克典:森田順平

  • 久しぶりに読んだ、万能鑑定士Qのシリーズ。
    色々な美術品が出てきて、解決までが面白い。
    まだ独立したての、自信のない感じがある。

  • 久しぶりの万能鑑定士。
    凛田莉子と言えば、映画の影響もあって、自然と綾瀬はるかが目に浮かぶ。
    そんな万能鑑定士が駆け出しの頃のお話。

    もう一回全編読み直そうかなぁ。

    単純に蘊蓄お披露目の話ばかりなのだけど、それなりに楽しめる。

    話題のバンクシーを扱うあたり、マーケティング力は流石。

  • 事件簿シリーズが始まる前のエピソード。
    今ひとつ鑑定士としての自信を持ちきれない莉子が巻き込まれたバンクシー作の絵の真贋鑑定と『漢委奴国王印』の盗難、入れ替え事件、ゴッホ作の絵画窃盗事件。
    それぞれ別の場所で起こりながらも全てが繋がっており、その過程で莉子が自信を取り戻す過程が書かれている。
    これだけの出来事を繋いでいくので若干の強引さはこのシリーズの特徴として受け入れてしまえば楽しめる。

  • 久しぶりでしたが、若き日のQちゃんとは思いませんでした。高校シリーズに出てくる姿とのギャップを楽しみました。グアムも読んでみようかなという気もして来ました。

  • 舞台を2009年に移し凛田莉子が帰ってきた
    まだ自信が揺らぐ彼女がバンクシーの真偽を
    そして事件の本質は漢委奴国王の金印(国宝)
    サラリと儒学者亀井南冥の捏造だとか、発見
    者甚兵衛の存在確認が出来ない等マニアック
    ネタをぶちこんできました

    甚兵衛口上書の中身
    金印発見  天明四年二月二三日
    口上書日付 同年三月十六日
    発見場所  筑前国那珂郡志賀島叶の崎
    発見者   土地所有の甚兵衛
    発見状況  畠の中の小き石段々出候内
    二人持程の石有之 かな手子にて掘り除
    け申候処、石の間に光候
    発見者の兄 喜兵衛の元奉公先米屋才蔵
    口上書 津田源次郎

    南冥と米屋才蔵は身内
    南冥と津田源次郎も交流がある
    南冥は口上書以前に鑑定書を二枚作成
    1)方七歩八厘 高三歩 
    津田は金印を自己所有物として学者南冥
    にも見せないため、買い求めると声高に
    言う事で私有化断念
    (藩買い上げ)

    金印は世に出る前に存在が知られていた
    南冥の論文が早い
    幕末・大正期における金印論争
    だめだ・・・深すぎてわからない(´・ω・`)

  • 万能鑑定士Qシリーズは、完結してたからびっくりして速攻で購入して読んだ。控えめに言って最高。終わりであって始まりでもあるのが良き。もっと読みたいなぁ〜

  • 物語の時系列が頭の中であやふやになっていたけれど、まだ小笠原悠斗と出会う前のお話でした。
    万能鑑定士Qとして走り出して間もない、少し自信が持てなかった頃の凜田莉子。
    新しいストーリーで、確かな観察眼や純粋な心に人々が惹き付けられる不思議さをもった彼女を楽しむことができました。

  • バンクシー、ゴッホ、金印、どれも興味深かったです。

    ミステリーの部分よりも、鑑定のところがさらに面白かったです。

  • タイトルの番号がゼロで意味深だったが、特に伏線もオチもなかったのが残念。長編だったので物語としての読み応えはあった。ファンが、ここに繋がるのかー、と思うような仕掛けが欲しかった。

  •  万能鑑定士Qの新刊が読めるとは思いませんでした!しかも、グァムの探偵とコラボ!

     まだ店を開いたばかりなので、小笠原と出会う前なので出番無くて残念でした。
     自信の無い頃の莉子と無鉄砲なレイのコンビは中々良かったです。とても純粋で人を惹きつける魅力を持っているのに、本人はそれに気づかないけど、それも莉子の魅力なのかな。

     莉子と小笠原にもう一度会いたいです。

  • これからの10年
    どんなことが起きるのか
    いろんな希望があってほしい
    いろんな希望に待っててほしい

  • 2020年7月角川文庫刊。書き下ろし。事件簿シリーズ8作目。1作目の次に位置する話だそうで、別シリーズのグアムの探偵とのコラボも。凛田莉子の行動主義は、探偵レイの勧めによるものだったとかのくだりが楽しい。ところどころのいい加減さが、気になりましたが、コメディタッチの展開なのであまり気にしないことにします。

  • 久々にQシリーズを読んだが面白い。横浜のバンクシー展に行ってみようと思う。

  • 星3.5

    バンクシーか…
    確かにその頃はまったく知りませんでした。

    グアムの探偵とのコラボ
    Qの読者を引っ張りたいのかな。

  • 2009年、街に「力士シール」(シリーズ1巻)が広がり始めたころ

    チープグッズから独立して「万能鑑定Q」の店を開いたばかりの凜田莉子は、都庁に呼ばれバンクシーの絵の鑑定にあたる

    莉子の出した鑑定結果が波紋を広げ、熱海でピカソの絵の、グアムで国宝の金印の盗難事件に巻き込まれてしまう

    自身の鑑定に自信が持てない莉子は、グアムで出会った私立探偵レイの力を借りて謎解きに挑み、盗品の行方を追う

    「きみはいままでにない鑑定家になれる。持ち前の記憶力に加えて、探偵並みに動いて情報を集め、不明なところには推理力と想像力を働かせればね」

    元祖“人の死なないミステリ”
    2010年のシリーズ刊行開始から10周年の記念版

    イーストマウンテン・リサーチ社のあの3人も登場する、うれしい完全新作発売

  • 急に新作っていうか前日譚?終わったんじゃなかったのか?と思ったら、別シリーズの宣伝かー。話はバンクシーから始まってグアムへ。相変わらず面白かったけど、小笠原さんが出てこないのは何となく物足りない。

  • 最後は希望で終わる。それがもっとも相応しい。

  • 未来に一緒になる
    彼に出会う前であり
    学び方を覚えた後の
    「0」の話
    自信はないけど
    自信を持つまでになる
    きっかけになった物語
    こうやって行動する
    椅子に座って
    鑑定品を目に知識を出すだけではなく
    探偵職として
    不明点を調べ動く
    こういう物語を描いていこうとする
    最後まで読んだ後に
    表紙に帰った時により面白く感じる

  • まだ力士シール解決に取り組む前のことなので0だろうか。万能鑑定士 と周りからおだてられていることに不安を持った莉子を励ます青年。そして難事件を解き自信を取り戻す話。テンポよく話が進む。できすぎな展開もある。直感と行動が莉子の持ち味。一般人の知らない美術鑑定業界や印刷業界などのコネタが得られる。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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