- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041090145
作品紹介・あらすじ
江戸末期、船大工の平蔵は異人であるロシア人の船を建造することになった。技術を盗むためと嫌々造船に携わるが、彼らの温かい心に触れる内に平蔵は考えを改め始める。そんな中、彼らの命を狙う攘夷派の存在が――。
感想・レビュー・書評
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何か腑に落ちない感じでした。
愛されて、心優しく生きてきた平蔵が、士郎と入れ替わり、辛い環境(真っ直ぐな師匠がいるにも関わらず)というだけでここまで心根が捩れるだろうか。
士郎が平蔵として生きることで、良い方向に変化していくことは納得できますが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
生きるために変わろうとした二人が悲しかった。
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最近、幕末から明治にかけての小説を読むことが多いですが、沈没したロシア船の代わりの船を造った船大工たちのお話というところに惹かれて読みました…が、なんかちょっと思ってたのと違う(^^; 尊王攘夷の風が吹く時代の中で異人の船を造る、あるいは異人たちと交流を持つことの困難さをもっとじっくり読みたかったなぁ。まぁ、美しいお話ではありましたが…そこで終わらないで、って感じもあるかな。
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とても読みやすかった。船大工もとても興味深かった。
ただ話の点のそれぞれはとても興味深かったけれど、無造作に置かれたまま終わった印象も少し持った。柿本人麻呂の歌のチョイスはとても良かった。 -
最後の悲しさ。物語の展開に驚き、遡って考え直すと気がつくけれど、胸が痛む。でも、最後まで一気に読んでしまう。
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江川太郎左衛門、江戸末期の代官でもあり、幕府にとっても貴重な人材であった。
そして、大地震で船を沈没させてしまったロシアの船を戸田の船大工が建造することに。
時は、尊王攘夷の風が吹き荒れる頃、外人排斥の機運と怪しげな浪人たち。
そして船大工平蔵には誰も知らない大きな秘密があった。
二重三重のミステリーになっているこの本は、しっとりと人の情愛を描いている。
歴史と家族愛を上手に絡めた物語になっている。 -
黒船が来航した幕末、伊豆国の船大工・平蔵は、難破したおろしあ人の船の造船世話係をすることになる。異国人を忌避していた平蔵だったが、彼らの温かい心に触れ、友情を育むようになる。そんな折、20年前に生き別れとなった幼なじみが、攘夷を果たそうと襲ってくる。
著者プロフィール
篠綾子の作品





