青くて痛くて脆い (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.22
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本棚登録 : 3529
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041090152

作品紹介・あらすじ

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

感想・レビュー・書評

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  • この本は娘から借りた本。

    主人公が青くて、痛過ぎる。
    正直、途中で読み出すのをやめてしまおうか、と思ったほど。

    でも、最後まで読むと、見えるものが変わる。
    「君の膵臓をたべたい」にしてもそうだが、住野さんは深い奥行きがあるものを途中までは表層の部分しか見せてくれない。だから、中盤までで弛緩し切ってしまうのに、終盤やたらと(いささか、過剰気味に)緊張させる。その落差にやられてしまう。
    まるで、恋愛の常套手段のようだ(笑)

    冗談はさておき、心を抉られる小説だと思う。
    誰しも田端みたいに、青くて痛くて脆い時代があるからだ。
    きっと誰しも秋好みたいな存在の人がいたんじゃないか(もしくは、今いるんじゃないか)と思う。

    読み終わって、尾崎豊の「傷つけた人々へ」が聴きたくなった。

  • 久しぶりの住野よる氏の作品を読了。

    もう少し恋愛小説っぽいものを想像していましたが、思いっきり
      『青春の痛み』
    的なものを味わされました。

      そう、青春ってこんなんだったよなぁ。
      自分のことしか考えてなかったよなぁ。

    そんなことを思いながら、とっくにオジサンになってしまった僕は自分の生きてきた道のりを思い起こすのでした……。

  • 人に不用意に近づきすぎない。誰かの意見に反する意見をできるだけ口に出さない。この2つを自らのテーマにかかげて過ごしてきた主人公楓。
    久々に嫌な主人公だ!!と思いながら読んだのですが、読み終わった今、わたしは楓がすきです。

  • 途中つまらなくなって、何度止めようかと思ってしまった。


    学生時代、私も裏切られたこともあったなぁ
    人を傷つけてるのが分からない連中もいるよなぁ。
    地味に大人しく学生生活を送ろうと思ってたが派手なグループの子達のおかげて学校楽しいって思えた!

    ヒロが秋好だったのには、ビックリ!

    映画も観ないで終わりそうだな。

  • 「依存」▶「嫉妬」▶「復讐」▶「後悔」

    気が付かないうちにしている「依存」
    心の奥底に眠っている「嫉妬」
    相手に裏切られ傷つけられ、それ以上に仕返しをする「復讐」
    そこで自分が過ちを犯していることに気がつき「後悔」
    その田端楓の心境がリアルに書かれてました

    これまでの自分と重なる点が多かったです
    相手を傷つけた時にはもう遅い
    大切な相手こそ傷つけてしまう
    読んでる途中苦しくなり逃げ出したくなりました

    住野よるさんが伝えたかったメッセージが痛いほど伝わる内容です

    純粋な気持ちの青さ
    後悔する心の痛さ
    簡単に壊れてしまう脆さ

    「青くて痛くて脆い」
    10代後半から20代前半の方には是非読んでいただきたい作品ですね




  • こ、この小説の主人公、、ヤバイ、、、痛すぎる、、、と、
    客観的に見ているはずなのに、
    何故か自分自身にもグサグサ刺さってしまうという不思議な小説でした。

    おそらく筆者もこれを狙っているんでしょうね?(笑)


    自信過剰なくせに、あえて自分は空っぽだと言い張り誰かに否定されるのを期待してみたり、
    自分から離れていったくせに、もう一度頼ってくれるのを待ってみたり、
    ただ嫌われるのが怖いだけなのに、他人に興味のないふりをして人と距離をとって生きてみたり。

    全て自分の良いように理由づけして、世界が自分の思ったとおりに動かなければ、ぜーんぶ他人のせいにする。

    そんな、青くて、痛くて、脆い、人間が
    この世にはどれほどいるんでしょう。

    とっくに学生の身分ではなくなって社会に出ている私ですが、読んでいるとまるで自分のことのようで苦しくなりました。
    この小説を読んだ人全員、こうなるんよね?私だけじゃありませんように…(笑)

  • まさに「青くて痛くて脆い」僕の話。
    他人と仲良くしない主義の田端。
    大学で知り合った、誰も傷つけない美しい理想を語る秋好。
    彼女を「痛い奴」と遠巻きに見ているはずだったのに、何故か仲良くなり一緒にサークルを作ることになる。
    世界平和や理想を追い求めるサークル「モアイ」。

    そこから数年、田端は就職活動をなんとか終わらせる。しかしあのモアイでの日々も秋好も今はいない…
    そんな回想から始まる。

    ---------------------------------
    あの頃のモアイを取り戻す。
    そうやって行動を起こしている段階ではテンポ良く読み進められた。
    仲間の菫介と仲違いしたくらいから、徐々に田端の暴走が気になり始める…
    田端がなんか好きになれず。モヤモヤ。

    それにモアイが起こしたスキャンダルの真相もちょっとよく分からず。
    なぜそうなった。

    うーん…(^-^;
    それにしても田端よ。
    自分からはぶつかりに行かないくせに、相手にされなくなったからって拗ねてるだけじゃない。あんたが一番痛いやつでは?
    秋好に対する気持ちもハッキリしないし。

    物語のラストはそのことに気づき、希望が持てそうな終わり方で良かった。
    登場人物のなかではヤンキー女子の川原さんが一番好き。

    【弱い自分をちゃんと認めて成長っていう気がする。だからちょおっとずつでも、怖いけど、っていうけど、っていうのの先に行けるようにしたいんだよね】

  • 過去を美化して主人公だけの時間が止まっている。その間周りは動き続けていたのに。
    そのことに気がつかず、気づいたときには傷つき、自分を守るために相手を傷つける言葉でまくしたててしまう。
    あとになって本当のことに気づき、相手を傷つけてしまった自分に後悔と恥が襲ってくる。

    そんな青春の痛くて脆い心を描いた作品。

    最後の一文が
    ちゃんと傷つけ。
    で終わっている所がまだ青くて脆い者へのメッセージを感じる。

    誰しもが誰かを間に合わせに使う。間に合わせって心の隙間を埋められる、心の隙間に必要とされたってこと。誰しもが空洞を埋められる人。

  • 大学のサークルの話。
    空気が読めず、周囲から浮いていた彼女を最初は敬遠していた彼。彼女の理想を追い求める姿にイタさを感じながらも、その純粋さに感化され、一緒に秘密結社「モアイ」を作ります。やがて、小さな秘密結社は巨大なサークルになっていきます。当初と違う思想をもったサークルになってしまったモアイ。疎外感を感じた彼は脱退します。
    四年生になり、彼はかつての秘密結社を取り戻すため行動を起こします。

    自分の正義が他の人にとっても正義であるとは限らない。

    本のタイトル通り、青春時代の青臭さや痛さや脆さだらけです。行動の裏に隠された感情が若さだなと思いました。
    人は経験を積み、痛さを知り、後悔をしながら成長していくものだけど、若くもない自分には読んでいてそこまで心に刺さりませんでした。
    「ちゃんと傷つけ!」
    若い方におススメなのかも。 

  • これまでの住野よる作品としては少し年齢を上げてきた。
    大学時代を過ごしてきた人達からしてみたらぐっと胸を締め付けられる思いを読むことで体感するのできる。
    大学入学時、人との接触を避けていた田端は、空気を読まない秋好と出会う。二人はモアイという団体を立ち上げ、田端は秋好と活動を続ける。しかし、3年の後、田端はモアイにはいなかった。二人になにが?モアイとは?
    ミスリードあり、青春あり、それぞれの痛みが胸をうつ。
    ラストシーン、青くて痛くて脆い二人の出した答えは…。
    いやー、田端の幼さよ。

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著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第2位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』がある。香り箱が好き。

「2021年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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