燕雀の夢 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041090190

作品紹介・あらすじ

戦国時代を戦い抜いた英傑たちと、その父の姿を、圧倒的な筆致で描く傑作歴史小説。織田信秀、木下弥右衛門、松平広忠、武田信虎、伊達輝宗、長尾為景ら、歴史に埋もれてしまった真の父子の姿が明かされる。

感想・レビュー・書評

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  •  名高き戦国武将の父親たちを題材とした短編小説集。
     長尾為景から上杉謙信へ、武田信虎から信玄へ、伊達輝宗から政宗へ、松平広忠から徳川家康へ、織田信秀から信長へ、木下弥右衛門から豊臣秀吉へ。
     巷間の人気も高い武将たちを、父親の目線から捉え直し、併せて、群雄割拠の乱世を象徴する群像劇として活写した、秀逸な歴史小説となっている。
     英傑の『種子』たる息子への慄きや畏れ、焦燥や願望、絶望や救済。
     ひりつくように生々しい、男としての葛藤と矜持、親として、血筋に未来を託す希求と献身。
     全員が見事に色分けされた上での、個別の説得力の高さで、綺麗事でない、生身の人間の多面性を浮き上がらせている。
     そうして、個々の章の出来が良いのは無論のこと、構成の妙から来る読後感の際立ちは白眉の一冊である。

  • 偉大な英雄たちの父の人生を描く本作。

    それぞれの思いや思惑。それは父も子も変わらず。

    武田信玄、上杉謙信、伊達政宗。織田信長、徳川家康、豊臣秀吉。

    新たな一面を見ることができて、良かったです。
    あー、楽しかった。

  • 2022.2.2完了
    短編が進むにつれて少々の繋がりを見せているのでホントの短編と言う感じでもない。竹阿見の話は少々面白かった。
    日吉が実はホントの息子となれば面白い話でもあるしね。

  • 天野純希さんの短編集。
    有名戦国大名の父親にスポットを当てた短編集でかなり興味深かった作品。
    長尾為景、武田信虎、伊達輝宗、松平広忠、織田信秀、木下弥右衛門と錚々たる父親達で次代に何を残せるか何を為せるかと思案する男達が多く読み応えあり。
    木下弥右衛門(燕雀の夢)は史実では謎に包まれているとは思うが面白かった。
    個人的には織田信秀の(黎明の覇王)が好きで少し感極まってしまった。
    戦国武将や戦国大名が好きな方には楽しめる作品だと思う。

    次は天野純希さんの島津家を描いた作品を読もうと思う。

    2021/11

  • 日本でも特に有名な6人の父親についての物語というのが、まずとても新鮮だった。そして、所々で息子とのつながりも描かれており、それぞれの人物を違う面から見ているように感じた。
    また、適度に脚色も加えられており、とても読み応えのある作品だった。

  • 知名な戦国武将の父の姿を描く
     長尾為景→長尾景虎(上杉謙信)
     武田信虎→信玄
     伊達輝宗→政宗
     松平広忠→松平竹千代(徳川家康)
     織田信秀→信長
     木下与右衛門→藤吉郎(豊臣秀吉)
    三者三様で其々の父の生き様から見た子との繋がりが面白かった。それにしても戦国武将の肉親の繋がりは、肉身同志の敵対感、露骨な政略結婚等々改めて凄い。今川と織田の間で苦労した三河武士の松平家当主松平広忠は馴染みが薄かったので興味深かった。どの親も子の中から家系の繁栄を願い後取りを決める英断がその後の時代に大きな影響を成す。

  • よかった。解説を読むまで下剋上がテーマとはわからなかった。単純に偉大な武将の父の土台がテーマかと思っていた。最後だけ毛色が違うと思ったら、それが下剋上は親子関係も捨てる、ということだったとは。やはり解説者は別のところを見るのだな。

  • 戦国武将たちの、父を描く短編集。だが、最後の三作、松平広忠、織田信秀、木下弥右衛門は、連作っぽい。短編なのに、長編。こういう仕込み、好き。

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著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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