敵の名は、宮本武蔵 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 94
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041090206

作品紹介・あらすじ

数々の剣客を斃し、二刀流を究めた宮本武蔵。 かの剣豪は、敵との戦いの末、なにを見たのか。 木下昌輝が武蔵の敵側からの視点で描き出した、 かつてない武蔵像がここに誕生する。

感想・レビュー・書評

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  • 刀剣家だけ集めたバキみたい。強者がどんどん出てくる感じがたまらない。飛刀の間やら、二刀流やら中二心をくすぐられる描写も多くもう一度読みたい。途中ストーリーがよく分からなくなる部分があるが、ラストで全て察されて驚かされる。

  • 史上最強(であろう)剣豪宮本武蔵の小説。単行本を図書館で借りて読んで大興奮。文庫化されたので改めて購入し、再読。やはり面白かった。宮本武蔵の物語ではあるが、しかし、宮本武蔵その人を直接描くのではなく、宮本武蔵と立ち会った武芸者、鹿島新当流有馬喜兵衛、鎖鎌のシシド、吉岡憲法、巌流津田小次郎、父新免無二等の眼を通して宮本武蔵を語る。各編短編小説として、それぞれの武芸者の人生、壮絶な立ち会いの空気感を伝えて痛快。であるとともに、全編を通して新免無二の大河小説でもある。当初鬼のように恐ろしかった無二が苛烈に武蔵を鍛え奸計を用いて追い込んでいった事情が分かるにつれ、次第に同情、その末路が哀れで涙を誘う。それぞれ独立した短編として完成しつつ、細部で一編一編を繋げてみせる手腕が鮮やか。最後の黒猫の描写には舌を巻いた。木下昌輝見事!

  • 無二と武蔵の二人を貫く運命と、時を軸にした物語。
    武蔵の人格がわかるような描写はあまりないのだが、武蔵の描く絵画によって心の内面が語られる。

    自分でどうにかできるような人生はどこにもなく、運命に動かされるのみ。
    それ以外の人生なんて、あるのだろうか。
    ただ、心の中と、その表現だけが自分のものなのかもしれない。

  • 2020.8.21

  • バガボンドに引きつけるように読んでしまった。
    そのため、物語性の良さが失われてしまったと思う。
    敵や脇役の背景を描くのはバガボンドの方が秀逸と思った。

  • 武蔵自身を描かずに武蔵を描く。
    読んでいて、登場人物の苦悩や葛藤が伝わってきて、一緒に苦しくなった。良い作品だ。

  • 宮本武蔵の小説ですが、武蔵に負けた人間の視線のみで書かれていて面白い。
    本当に史実のアレンジが上手い作家さんであると毎度思います。

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著者プロフィール

1974年奈良県生まれ。2015年デビュー作『宇喜多の捨て嫁』で高校生直木賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、19年『天下一の軽口男』で大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で野村胡堂文学賞、20年『まむし三代記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞、中山義秀文学賞、’22年『孤剣の涯て』で本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。近著に『応仁悪童伝』がある。

「2023年 『風雲 戦国アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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