エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード (角川文庫)
- KADOKAWA (2020年10月23日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041090244
作品紹介・あらすじ
父親のイギリス転勤で家族が日本を離れるのと大学合格のタイミングが重なり、美綾は自宅に一人残ることを選ぶが、それでよかったのかどうかもやもやしていた。そんな春の日、家に一匹の小型犬(パピヨン)が迷い込んできた。毛並みがよく人なつっこい小犬に、近所で飼い主を探してみるが見つからない。仕方なく自宅で世話をしていると、突然「おぬし気にするな。わしは八百万の神だ」犬がしゃべった? 幻聴? 信じられない美綾に、小犬は自分は日本古来の神で人間になるために転生してきたと語る。 大学では小学校で一緒だった有吉智佳や澤谷光秋と再会するが、バイク事故で死んだかつての同級生の思い出話から幽霊絡みの不穏な事件が起きて……。「モノクロ」と名付けられた「神様」と女子大生の奇妙な共同生活が始まる! 荻原規子の「エチュード春一番」シリーズが再始動! 完結編まで見逃せない!
感想・レビュー・書評
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さすが空色勾玉の作者・荻原規子、単なるファンタジーに終わらせない。父のイギリス転勤に母と弟がついていって、大学に入ったばかりの美綾は一人で日本に残ることになる。玄関で拾った犬のパピヨン(モノクロ)が喋りだして実は八百万の神だったという変てこな設定だが、この神がオカルトじみていなくて冷静なのが結構可笑しい。ただ、美綾は小学校の幼馴染に出会って、幽霊騒ぎに巻き込まれる。深刻な感じになってくるのだが、結局、幽霊は人間が生み出すものだというモノクロの言は正しかったようで、裏に人間関係の感情のもつれがあったのだ。主人公の大学生活における人間的な成長の物語かなあ。設定はファンタジーで変てこりんだけどね。
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少し前に3巻が新刊で並んでいたのをみかけて、既刊があったのを知った。RDGがとても好きだったのと、民俗学的なお話らしいので、期待度高で読み始め。前半はかなりノらなかったが、後半はまあ、慣れた。両親が転勤で引っ越したが、主人公だけが就学の都合上、自宅で一人暮らしを始め、そこにパピヨン犬に顕現した神様が降臨(?)し、同居しながら色々となんや起きるという話。神様というのは、まあ、こんなもんだろうとは思うが、主人公の幼なじみの”ちーちゃん”が最初からとてもアカンタイプで、読んでてイライラした。とりあえず次巻も買ってしまったのでこれから読みますわ。
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海外に父たちが転勤したために、実家に一人残り、大学生活を始める美綾。
迷子になった犬を拾うのだが、このパピヨン•モノクロには八百万の神様が憑いていたという所から、物語は始まる。
ほのぼのしたお話なのかな、と思っていたら、案外しっかりしたミステリー。
特に中盤以降、亡くなったクラスメイトの真相を探る展開が、スピードアップしていくのは、ハラハラする。
美綾自身の抱えている寂しさが、今後のテーマに関わってくるのかな?とは思うものの、モノクロ神の存在や狙いがいまいちよく分からないまま。
魔法少女でいう、パワーアップさせてくれる側近キャラ的な?
あと個人的には澤谷くんの設定も、ちょっと不明(笑)お金持ちイケメンなのに、ズドーンと床を踏み抜けてくるような落とし穴が設けられてる、みたいな。
続編もゆっくり読もう。 -
確か以前に読んだはずだけど、内容を忘れていたので面白く読めた。
かわいいパピヨンが八百万の神で、主人公とちぐはぐなやり取りをするところがおもしろい。 -
初めて読んだ時は自宅でも1人暮らしは大変なんだなとヒロインに共感しながら読んでました。
新作が出るので再読したら、ヒロインの環境が際どくてびっくり。 -
大学はこれまでの学校生活とは異なるところが多い。今までしなさいと命じられてきたことを自分で決めなければならない。そんな戸惑いのなかで起こる出来事なのかもしれない。
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正直うーーんという感じ。
主人公の鈍臭い感じとモノクロの話す内容を受け入れられなかった、、
モノクロの役立たず神設定に主人公と同じくイライラしてしまった。
ただ第二曲の感想を見る限り面白そうなので読んでみる。 -
久しぶりに荻原規子さんの小説を読みました。面白かったです。
美綾とモノクロ、なかなか良いコンビ。
しかし、幽霊より怖いのは人間ですね。
著者プロフィール
荻原規子の作品





