- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041090794
作品紹介・あらすじ
成長志向やひたむきさ、チームの和やリーダシップといった、数値化になじまない「ソフトな情報」を駆使したスカウティング・チームビルディングがアストロズを変えた。
弱小球団が初の世界一を成し遂げるまでの軌跡。
日本語版への序文はプロ注目の評論家・お股ニキ @omatacom。
<本書には野球のすべてが詰まっている。『マネー・ボール』『ビッグデータベースボール』に次ぐ、アメリカデータ野球の最新版にして最高傑作が本作『アストロボール』である。>
<ただし、アストロズがこうした成果を出す過程で、球史に残る汚点を作ったことに触れないわけにはいかない。
2020年1月13日、MLBのコミッショナーは調査結果を発表し、アストロズが2017年のシーズンを通して、および2018年のシーズンの途中まで、電子機器を使用して試合中に相手チームの捕手のサインを盗んでいたと断定した。(中略)
チームワークや若手へのアドバイスといった貢献は数値化が難しいものであるが、こうしたこれまで数値化されてこなかった直感的な部分を軸とした独自のスカウティングこそ、本書から学ぶべきビッグデータ時代の人事である。アストロズの躍進は決してサイン盗みだけによるものではない。それはそれ、これはこれとして、チームの功罪は区別して考える必要があるだろう。>
感想・レビュー・書評
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ヒューストン・アストロズのチームの改革を描く。データと人の直感の融合。AI 時代に向けた人と人工知能の共存の可能性を示した傑作。
メジャーリーグのアストロズ。ラストロス、デサストロスと揶揄された弱小チームはデータ専門官を雇用しドラフト戦術などチームの改革を行っていく。
「マネーボール」「ビッグデータベースボール」に続くMLB のチーム強化策を描いた作品として楽しめる。
一方的なデータ偏重でなく、ベテラン選手のベルトランの功績など数値化できない部分を素直にひょうかしているところが実に良い。
本書が描いた2019年シーズンの後、組織的なサイン盗みが発覚。GM 、監督は解任、既に引退しメッツの監督就任が決まっていたベルトランも内定取り消し。本書ではダルビッシュの癖を見抜く場面が出てきたが、癖だけでなくサインも読んでいたのかもしれない。本書の訳者、編集者はニュースにさぞかし驚いたことだろう。それでも本書は変わらず面白い。
サッカーやラグビーより野球は守備位置がほぼ決まっていてホームベースという存在もあるのでデータ化しやすい。多くの統計学者の研究のネタである。
ビッグデータやAI の時代。本書は人とが共存した明るい未来を示している。詳細をみるコメント0件をすべて表示