異形のものたち (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 433
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041091142

作品紹介・あらすじ

母の遺品整理のため実家に戻った邦彦は農道で般若の面をつけた女とすれ違う――(「面」)。“この世のものではないもの”はいつも隣り合わせでそこにいる。甘美な恐怖が心奥をくすぐる6篇の幻想怪奇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「面」がよくわからなくてモヤモヤしてます。もう少し説明みたいのが欲しかったです。
    「日影歯科医院」や「ゾフィーの手袋」は私は好きですね。
    せっかくいい方向に向かってたのに、そういう落ちなんだとゾクッとしました。

  • 短編の名手ありき!
    ふわっとしてるなぁとは思ったけど
    鮮やかな緋色には著者が心に留める官能がありました。

  • 女性ならではの視点の怪異。
    どれも好み。

  • ひたひたと怪異が迫ってくる感じがじわじわ怖い短編集でした。どのお話も面白かった。
    怖かったのは「山荘奇譚」。この不条理な恐怖がここで終わってるのもいい。
    「日影歯科医院」「緋色の窓」の、情念のような想いが残っている怪異が特に好きでした。この人たちは現れるだけだし、歯科医院は治療までしてくれるから…全く痛くないのも凄腕。
    解説も面白かったです。お母さまが視える体質だったみたいだけれど、小池先生にもちょっと引き継がれたのかなぁ。

  • 6篇の幻想怪奇小説集。
    ゾゾッとくる感覚が楽しくて仕方ない。
    「ゾフィーの手袋」や「山荘奇譚」は、ここ数日の寝苦しい夏の夜を少し涼しくしてくれました笑

    好きなのは「森の奥の家」や「緋色の窓」かな。
    暫くは怪談系小説を手に取り続けそうです。

  • 「日影歯科医院」路地裏の古い建物、存在を消され隔離された三つ編みの女の子が印象に残る悲しい話/「山荘奇譚」心霊特集の取材拒否された女性ディレクターが、マンションのインターホンを押した時…。これが一番怖かった。

  • 日本的な、精神に来るタイプのホラー短編、サクサク読める。サクサク読めるが、しっくり来ずに終わりまくる。怪談めいた実話があっても、正体がわかることなんてないんだろうし、そう思うとリアリティがあるじんわり怖い系。

  • なんか
    ゾッとします。
    最初の話とか、表現の仕方ですかね?
    読みやすいし。

  • 図書館。小池真理子作品が好きなので。

    良かったどころの騒ぎではなかった。よくあるホラーなのに、なぜこんなに面白くて怖いのか。短編6品、後半になるにつれゾワゾワと甘美な哀愁がある。すごい。怖いけれど、もっと読みたい。

  • 六編のホラー。

    「森の奥の家」は友人とその父を失った女性が主人公。
    既に山小屋の主人たる2人は亡くなっているはずなのに、その別荘は綺麗に整えられている。
    友人の兄嫁がたまに赴き整えてくれているようだが……。
    何かおかしい。
    読み手はこれまでのホラーのあれこれの筋書きを考える。
    本当は山小屋なんてないのでは?
    2人は死んでいないのでは?
    実は恨まれていた?…。
    さて、どの結末になることか。

    「日影歯科医院」はちょうど私が歯医者で詰め物を詰め直している時に読んだ。
    かかりつけの歯医者はちゃんといるはず、だが。
    歯医者の恐怖譚というと、何を想像する?
    ガリガリと削られ歯を抜かれる?
    …いやいや。
    この作品はそんなありきたりなスプラッタホラーではない。
    なんてったって、主人公が通った歯医者は上手なのだ。
    しかもちゃんと保険証出してください、なんて言う。
    上手で早いのだ。
    じゃあ、何が怖いの?
    怖いのは、待合室にいた人々のせいだ。
    なぜそうなったのか、背景は想像に任されている。
    だが、そうなってしまった罪であったり、愛であったり、それらが複雑化して物語を成している。

    気温が下がったせいか、少し夕方は寒い。
    主人公がしたように、私もつるりとした自分の新しい詰め物を舌でなぞった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

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