宮廷神官物語 十二 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 354
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041091241

作品紹介・あらすじ

歴史と伝統の国、麗虎国。次期大神官の鶏冠は、相変わらず市井の民に学問を教えるべく、身分を隠して奔走している。そのそばには成長した天青の姿があった……。皆が待ち望んだ、その後の物語がここに!

感想・レビュー・書評

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  • 市井の民のため、文字処の運営に励む、鶏冠。
    一方宮中では、鶏冠の大神官任命をかたくなに拒む男がいて……。

    藍晶王の御世を描く、続編。

    番外編的な短編集かと思っていたら、しっかりとした長編。
    友情あり、困難ありの読み応えのあるストーリーで、それぞれの魅力がたっぷり味わえ、大満足。

    蛙を振りまわしていた、愛くるしい翠嵐も、すっかり大きく。
    その聡明さと人柄は、まわりの藍晶、櫻嵐、曹鉄、天青、鶏冠たちの良さを一身に集めたよう。

    翠嵐を通して、彼らのふだんの表情や、心あたたまるエピソードが垣間見られてのも、よかった。

    スイとして出会う子どもたちも、応援したくなる子どもたちばかり。

    番外編で読みたいな、と思っていた櫻嵐・曹鉄夫妻のエピソードもあって、うれしい。

    真の完結編ということは、これで本当に終わりということか。
    彼らのその後を、まだまだ読んでみたかった。

  • まず続編が読めて嬉しい!
    やっぱり鶏冠と天青の性格は真っ直ぐで清々しいので読んでいても気持ちがいいですね。
    そして毎回ですが起承転結がはっきりしたストーリーでハラハラドキドキしました。結末も後味が悪くないです。

    p220 天青のために激怒している鶏冠。「私は決して忘れませぬ-天青を打ち据えさせた者を」のシーンが好き。

    p272 鶏冠が王に平手打ちをする場面は、衝撃でしたが、常に大神官としての役割を全うする鶏冠は素晴らしいですね…

    p313 王妃が場を収めた場面はかっこよかったです。母強し、ですね。藍晶王の子どもの物語も読みたいものです。

  • 天青は頼もしく立派に成長していた。
    前巻のラストシーンから10年後位?きゃーるを振り回してギャン泣きしていた小さな姫は、母親ゆずりの破天荒な性格になると思いきや、大胆だけれど思慮深い少女になっていた。
    親の教育により幼い頃から街や山に行き、色々な人々がいることを知る。彼らと恵まれた境遇の自分の違いは何なのか。
    そしてまた鶏冠と藍晶を追い詰める人物が出てくるが、この作者は本当に胸糞悪い敵を書くのが上手だな。
    櫻嵐と曹鉄のくだりは藍晶の回想で少し出てきたが、そこをもっと詳しく!と思ってしまった。
    これで完結は淋しい。もっと彼らの日常も垣間見てみたかった。

  • まさに、まさしく、奇跡の物語で、読み終わるのがもったいなくてもったいなくて、涙が止まらなくて…こんなに幸せなことがあって良いのかと思った。

  • 10年以上経つと立場や身分が変わるが、仮想敵に対する備えが昔より甘くなったと思う
    特殊な立場の登場人物に不可思議な部分を乗せすぎると感じたのは、物語終盤だから伏線が雑になったから❓

  • シリーズ完結後の、姫が主人公。いい影響受けてる。

  • 感動!感嘆!最高!
    大興奮の気持ちと、これで本当に終わってしまうという寂しさ。

    本編11巻分の物語で本当はおしまいで、この12巻は後から書かれた追加の物語なんですよね?(どこかでそう見かけた)

    正直なところ、1冊1冊の評価で言えばこの12巻が1番楽しかった✨
    というのも、これまでの11巻があるから。
    これまでの物語での登場上人物たちの人がら・生き方・辿った歴史、関係性などがあるからこそ、この12巻が最高に楽しい。

    11巻分の物語を振り返り、
    「あの頃はああだった」「こうだった」
    と登場人物たちが振り返るシーンが度々あるけれど、読むこちらもその振り返りに参加するように、過去の物語を思い出して微笑んだり。
    そういうのが楽しい!


    ここからネタバレです。


    11巻のラストで登場した櫻嵐の娘。
    曹鉄との子だったらいいなぁと希望は思ってたけど、後一歩で王になるところだったとは言え、ただの武官で身分の格差もあり、難しいよなぁとも思っていた。
    側室ならまだ下賜されることもあるかもしれないけど、櫻嵐、姫だし!

    その櫻嵐で『受ける』始まり。しかも成長して。
    曹鉄との子供として!
    ちゃんと2人が結ばれるシーンも、会話の中で描かれていて、それを想像すると微笑んでしまう。


    櫻嵐の娘・翠嵐、本当によく出来た子で。
    この2人の子だからそりゃ、そうなってほしいという希望をばっちり描いてくれて嬉しい。

    あまりにも完璧な姫だから、途中で鼻血を出すシーンではヒヤリ。
    え、まさか白血病とかやめてよ、、、と想像したんだけど、それは無くて最後までそのままスルーされた鼻血エピソード。
    これだけが12巻で「ん?」となったところだけど、そんな小さな引っかかりは無視しましょう。


    本編11巻の物語では、ハラハラドキドキ、度重なる試練があり、苦痛・苦難に見舞われた鶏冠たち。
    それでも圧倒的な『悪者』って存在してないんですよね。
    (本編物語で関わった人の中でって意味ね。そりゃ、黄楊の母を殺した貴族や、花梨を監禁していた貴族は悪者だけど)

    本編の中であえて言えば、景羅大臣でしょうか?
    自分のためにあくどいことをしたのは。
    それでも最後は虞恩賢母と苑遊にいいように使われはめられてますし、小悪党くらいかな。

    他の敵対する側の登場人物は、自分のためよりも、誰かのため、何かのため、という気持ちで動いている部分も多かった。
    虞恩賢母は、国を良くするため。
    蝶衣麗人は、息子のため。
    苑遊は、自分の欲望のためとも言えなくもないけど、生い立ちや鶏冠に対しては、鶏冠にとって良いと考えることを選択しています。
    だから、11巻分の物語で出てきた悪者たちは悪いような最後の描かれ方してないんですよね。

    虞恩賢母は乱心した最後の登場だけど、刑に処されたとかの断罪はなく終わってるし。

    それに対して、12巻での『悪者』は、圧倒的な悪者、自分のためにあくどいことをする悪者でした。
    自分を優先させ、家のためといいつつ、家族も犠牲にして。
    家族に対する思いなんかは、景羅大臣や蝶衣麗人の方が人間らしい!
    そんな悪者だから、最後は崖から落ちて死んでしまうラストが準備されました。

    宮廷神官物語は、
    『誰でも同じ人間なんだ』『誰かのために』『信頼すること』『愛するということ』そういう精神論を教えてくれて、それらがチープで恥ずかしいと思うことなく受け入れられる物語です。
    そして、簡単に言ってしまえば『因果応報』でもある物語です。

    良い行いをした人は、たとえ困難が待ち受けていても、最後にはいいラストに。
    悪い行いをした人は、途中で栄華を得ようとも、最後には不幸なラストに。

    人っていうのは、そういうものだと思うんですよね。
    最後死ぬ時に、自分の人生を振り返って「いい人生だった」「誰かのために何かをしてあげられた」と思えるように、真心から良い行いをしたいなと思います。

    天青は慧眼児だけど、慧眼がなくとも、得難い人物だと、何度も言われます。


    それは天青だけでなく、全ての人に言えることですよね。そうなれるように生きていきたいな。

  • 本当に...これで終わってしまうというのがつらい...まだまだ続きが楽しみな物語です...でもこれで宮廷神官物語が終わってしまうとなると本当に悲しい。名作でございました

  • 12巻まで一気に読んだ!読み始めたら止まらなくなるくらい続きぐ気になる物語。天青をはじめ登場人物たちが少しずつ成長して、身分を越えて仲間の絆を深めていくファンタジー小説。読んでいく中で自分も登場人物たちから学べる。私は自分の心に素直で天真爛漫な王女の櫻嵐が本当に好き。

  • 藍晶はどこまでいっても苦労人だなぁ。でも王妃とはいい関係になれてよかった。王妃様、かっこいい。
    天青はもうなんかちょっとさみしくなるくらい立派になっちゃって…。
    腹を括った鶏冠はさすがだった。

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2021年 『妖奇庵夜話 ラスト・シーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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