ないものねだりの君に光の花束を

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 833
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041091340

作品紹介・あらすじ

すべてにおいて普通で個性がないこと(永遠の脇役)がコンプレックスの高校生・影子。
同じクラスには影子とは違い、すべてにおいて特別(永遠に主人公)な真昼という同級生がいた。
彼は大人気のアイドルで、学校でも人気者。そこにいるだけで目立つ彼は、香夜とは別世界すぎて同じクラスなのに話したことがない。
だが、ひょんなことがきっかけで一緒に図書委員をすることになり、真昼の陰の部分を知ることになって……。

君が誰かにとっての特別であることに気付いたとき、世界が眩しく思えて、きっと涙が止まらない――。

感想・レビュー・書評

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  • 読むのが遅い私ですから、寝る前に読んで、早朝に読んで仕事へ行くのですが、その後の展開が気になって気になって、早く家に帰って続きをと思った作品でした。
    おぅ〜、そこで繋がったかぁ。と感動したり、言葉の紡ぎに感動したり、「普通」である事、「特別」である事を今一度考えたり、SNSの発信のあり方なども考えたりと、本当に素敵な作品でした。

    あらためて「普通」であることは「特別」なことであることを思い知らされました。あの震災の時も昨日までの日常を「普通」とし過ごしていたけれど、唯一無二の一日一日であることを思い知ったはずなのに‥。人も同じですよね。かけがえのないオンリーワンであることは誰もが知っているはずなのに受け止め、受け入れることを難しく思ってしまう。そんなこんなを考えつつ、読み終えました。光を感じる終わりも良かったです。

  • 影子は席替えでためいきをついた。
    隣の席が国民的イケメンアイドルだったからだ。
    彼の隣では普通の私は透明人間でいるしかない。

    なんとなく彼・真昼を避けていた影子だが、図書委員の仕事をいっしょにこなすうちに、やがて友人となっていく

    〇二人の世界のようだった。
    〇仕事先の人たちや影子の友人など、関わりのある人たちとのエピソードを挟むと、もっと立体的になったかも
    〇二人はないものねだりではなくなったのかな?

  • アイドルしてる真昼と同級生の影子。恵まれすぎるほど恵まれた真昼、と思ったら、壮絶な過去が…。それが明るみになるとマスコミや世間が叩きだし…。すごく少女漫画みたいだけど。きっとみんな、無いものねだりなんだよね、隣の芝生は青く見えるもの。それを分かって、人にどう見られても自分の生きる道を見誤ってはいけない、過去が人のせいで辛いものでも、そこからどう生きるか、なのだよ。…と思った。

  • 読み終えて思った事は、よく、影の人がいるから光の人がキラキラ目立つ存在でいられる!影は、引き立て役!
    っていうけど、本当は影の人なんて世界中のどこにもいなくて、周りからみたら影に見える人も、本人からしたら自分が人生の主役だから、みんな光なんじゃないかなと思いました

  • ひさしぶりにいいのを読んだ。
    2024年のベストにはいる!

    影子っていい名前だな。
    誰かを支えてあげられるような、誰かにとって特別に大事な存在で、きっとずっと周りから愛されるだろうと父がつけた名前。
    外面がいいのは悪くない。でも、そのせいで自分が苦しくなるならそれはちょっと違う。

    2人とお父さんの今後みたいなー

    普段あまり読まない背表紙の感じだったけどどうも呼ばれるような気がして読んで見てよかった。

  • 幸せってなんでしょうね。普通の幸せが欲しい人、特別な幸せが欲しい人。お互いないものねだりなんですよね。
    真昼は努力家ですが危うさも持ってるから、これからも影子が一緒に居てくれると良いですよね。もはや影子の家で同居すればいい笑

  • 主人公は、全てにおいて普通で、自分は<永遠の脇役>だと思っている高校二年生の染矢影子。
    同じクラスには容姿端麗・頭脳明晰で『天然記念物級イケメン』と騒がれる現役アイドル・鈴木真昼が〈永遠の主人公〉として存在する。

    単純な青春物だと思っていると段々雲行きが怪しくなる。

    「普通」と「特別」の意味、今まで「当り前」だと思っていた日常がそうではない事、真実を確かめようともせず、暇潰しの娯楽として無責任に言葉を垂れ流し相手を追い詰めるSNS。

    改めて色々と考えさせられる。

    与えられた環境に感謝し他人を尊重したいと思える1冊。

  • 真逆の人生を送ってきた人でも、それぞれ抱える悩みや思いがあって、お互いに支え合っい、挫折する時もありながら何度も立ち直って、夢に向かって前進して行っていて心の綺麗な優しい2人だなと思い、2人のようになりたいなと思った。

  • 自分のことを永遠の脇役だと卑下する女子高生・影子と、大人気アイドルとして活躍する人気者の同級生・真昼のお話。
    普段あまり本を読まない人にとって、とてもとっつきやすい本だと思った。
    高校生の頃にこの作品に出会えていたら、きっともう少し自分のことを好きでいてあげられたのだろうなあ。あの頃欲しかった優しさが詰まっている。
    青春時代がすっかり手の届かないところにいってしまった自分には、「そんなこともあったね」となんだか懐かしさを感じる話だった。

    誰に何と思われようと、言われようと、やりたいことをやる。
    最終的に影子はこれまで渋っていたことを始める決意をする。影子の決意であったけれど、なんとなく著者の決意のようにも感じられた。
    誰でも他人の目を気にして自分を殺すことがある。でも、本当はやりたいことをやってもいい。そんなメッセージのようなものがあったのかも。

  • 人のことを羨ましく思いがちな私だけど完璧な人なんていないしその人にしかわからない何かを抱えているのかもしれないと感じました。
    私は私を受け入れて私のままで生きていきたいと思えるような、勇気をくれる作品です。

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著者プロフィール

鹿児島県出身、愛知県在住。高校国語教師としての経験をもとに、悩み疲れた心を解きほぐす作品を目指して、日々執筆活動をしている。代表作となった『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(スターツ出版)が、様々な年代の共感を呼び、現在最も注目される作家。他に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『ないものねだりの君に光の花束を』などがある。

「2023年 『たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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