終末なにしてますか?異伝 リーリァ・アスプレイ#02 (角川スニーカー文庫)
- KADOKAWA (2020年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041091715
作品紹介・あらすじ
聖剣セニオリスの調整に訪れた幽霊船都市国バゼルフィドルで、正規勇者リーリァにできたはじめての友人・エマ。
「正規勇者《リーガル・ブレイブ》は、正義の味方じゃねぇ。あくまでも、人類の味方であって、人類の敵の敵だ」
そんな守護者が、友人を奪われたとき。
そしてその友人が、人類の敵になったとき。
リーリァは必殺の聖剣を手に、何を想うのか――。
いつかは滅びゆく大地で、いまを生きる勇者と人々の烈しくも可憐な日々、その第2幕。
感想・レビュー・書評
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いまいち興味の沸かん話題やった。
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リーリァが主役の「異伝」その2。まさか続きが出るとは思っていなかったのでかなり嬉しい誤算
まだまだ500年前の出来事で描かれていない諸々が残っていることを考えるとこのままシリーズ化して欲しい所だけど……
舞台は引き続きバゼルフィドル
新たな騒動が巻き起こっていくのだけど、新展開!というよりも前巻でやり残していたことを描ききる意味合いが強かったように思う
アデライードとエマの正体を明かせない微妙な関係性、リーリァとヴィレムの決して少年少女の間柄に成れない関係性、そして2代目正規勇者リュシルの顛末
リーリァとヴィレムが絡むシーンが出てくる度についニヤニヤしてしまう人間なのだけど、この巻でも個人的には嬉しい描写が次々と
人間を超越した圧倒的な力を持つリーリァに追いつこうと人間の限界に挑戦し続けるヴィレム。
どうしても孤独感から逃れられないリーリァにとってはヴィレムがこうして追い縋ってくれることがどれほど救いになっているか計り知れないのだけど、リーリァはその背負った使命故にヴィレムの在り様を褒めることが出来ない。彼の存在が嬉しいから突き放すような言動をとらざるを得ない
ヴィレムからしたら小憎らしい言動ばかりのリーリァなんだけど、リーリァ視点で二人の遣り取りを見ると本当に「イチャイチャしやがって」とやっかみたくなるくらいの遣り取りなんだよなぁ
この巻ではセニオリスの本質に迫る描写が再び
これまでヴィレムがセニオリスを使えないのは単純に「選ばれなかったから」だと思っていたのだけど、アデライードの分析を見る限り、むしろヴィレムの本質って正規勇者よりもセニオリスに近いものなのか
そう考えるとヴィレムが孤独なリーリァに追い縋ろうとし続け、後にはセニオリスの使い手となったクトリに寄り添おうとしたのも宿命や因縁などではなく、ヴィレムの本質がそういうものだったから、ということなんだろうな
それにしてもこの巻の敵には驚かされた!
あの邪眼の使い手が敵として登場するだけでもインパクトが有るのに、あの師匠に似ていると形容される老人はきっと星神の関係だろうし、何よりもリーリァが聖剣を向けることになった相手が…
リーリァにとって初めての友達。けれど、リーリァはその在り方故にそういったものを守り続けることは出来ない
だから殺し合う展開は避けられない筈だったのだけど…
ここでもヴィレムが小さなアシストをしている点が印象的。リーリァには助けられないものを助けるヴィレム。彼の活躍が無ければリーリァはエマと話し合うことが出来なかった。そして話し合いが出来なければ元に戻るための「いつかの目標」は作れなかったわけで
超絶には成れないまま出来ることをやりきったヴィレム。人類の敵になりかけたエマを殺さない道を選んだリーリァ
二人の選択がとても尊いものだね
憧れの存在に焦がれ続けたために姿を変える必要に迫られ、姿を変えるために憧れの存在を傷つけてしまった2代目正規勇者
まるでその在り方をなぞるようなエマが全てが終わりかけている瞬間に現れた意味が気になってしまう
これは何としても「異伝」の続きを見たいのだけど、一方で「すかもか」の続きだって早くみたい
悩ましいところですよ