- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041091906
作品紹介・あらすじ
心中間際に心変わりした恋人によって、土の中に埋められてしまった優枝。掘り起こし救い出してくれたのは、白兎という見知らぬ少年だった。彼は恋人への復讐をそそのかすが、どこかからかうようなその態度に、優枝は戸惑うしかなかった。そこへ、生き別れの弟・慶介から突然電話がかかってくる。母が手遅れの病で入院し長くなく、優枝に会いたがっているという。かつて父と自分を捨て家を出ていった母。逡巡する優枝に白兎は「生き返った命は7日間しかもたない」と告げる。それを聞いた優枝は白兎とともに、一度は捨てた故郷へ戻る決意をする……。大人の女のサスペンス・ミステリ!
「あえて本文庫が白兎シリーズという名称を使わない理由もわかる。(中略) それにしても、何とも不思議な魅力に満ちた連作であることか」(シリーズ最終巻『白磁の薔薇』解説より:池上冬樹)
(本作は、長らく在庫切れだった『白兎2 地に埋もれて』(講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正・改題の上文庫化したものです)
感想・レビュー・書評
-
清々しい一冊。
今回は恋人に地中に埋められた女性、優枝が謎の少年、白兎に助け出されるシーンからスタート。
前作よりは弱めながらも今回も幻想的というか、あちらとこちら、曖昧な世界を味わえた。
白兎の正体こそがその一番の要因なんだけれど。
白兎のちょっと妖艶な一面も知ってしまい、ドキドキ感と共にますます目が離せない。
そして優枝の心の傷、哀しみの過去、被害者が一転、加害者になる理不尽さには胸をうたれた。
そしてまさかのそっちだったか!の二人藤のシーンがせつない。
でも清々しい。優枝の心の浄化を感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
※
不思議な少年、白兎のシリーズ3冊目。
(読む順バラバラ)
白兎と名乗る少年の存在について徐々に
明らかになり、ぼんやりと感じていたテーマが
読んでいてはっきりしてきました。
時間や場所だけではなく、生も死も超越した
人ならざるもの。
ただ一人佇む姿は哀しくも切なくも感じます。
-
旧題で白兎シリーズの第2弾。
白兎とは、何者なのか?
一定の人間にしかその姿が見えない彼は、冥界からの使者?
恋人に裏切られ、土中に埋められた優枝を助けた白兎。
彼は優枝に同行し、母との和解を助けたり、死んだことが信じられずに魂がこの世に彷徨っている者を解放したりと。
益々、その行動に興味が惹かれる。果たして次は何を…。 -
白兎シリーズの第ニ弾。今回は女が主人公。私も女性として生きているので、途中の苦しみには居た堪れなかったが、母親に泣かされてしまった。やはり大多数の女は、母は強い。そう思えた。
-
『白兎2 地に埋もれて』(講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正・改題の上文庫化。
-
埋められた 二人藤の下から、白兎によって生き返った優枝。その過去と共に心の底に押し込めていた感情が浮き上がる。その先に、魂が救済される。
二人藤も象徴的。白兎は、次はどこに現れる? -
うう…ちょっと…私は思ってたのと違う…かな…あさのあつこさんらしさが少なめというか…主人公が30代だからかなぁ…淡々としてる…