白磁の薔薇 (4) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2021年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041091913

作品紹介・あらすじ

標高千五百メートルの麗峰の中腹に建つ『ユートピア』、そこは死を間近にした人々が最高で最期の治療と看護を保証された豪華なホスピス。入居者は元女優や著名な文筆家など莫大な費用が払える特別な人間ばかりだった。看護師長の千香子はオーナーの中条に見込まれ独身のまま住み込みで務めていた。ある日、季節外れの嵐によって道が寸断され『ユートピア』は孤立してしまう。千香子を含めその場に残されたスタッフ全員が中条に呼び集められる。そこで彼が話し出したのは、とんでもない提案だった。翌朝、駐車場でスタッフの一人が他殺体で発見される……! 大人のサスペンス・ミステリ―完結編!
「あえて本文庫が白兎シリーズという名称を使わない理由もわかる。(中略) それにしても、何とも不思議な魅力に満ちた連作であることか」(解説:池上冬樹)
(本作は、長らく在庫切れだった『白兎4 天国という名の組曲』(講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正、改題の上文庫化したものです)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

孤立した豪華なホスピス「ユートピア」で繰り広げられるサスペンスとミステリーが魅力の作品です。終の住処であるこの場所で、殺人事件が発生し、登場人物たちの思いや過去が交錯します。特に、白兎の存在が生と死の...

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ4の一冊。

    今作は孤立した終の住処「ユートピア」での殺人事件。

    白兎の正体と併せてちょっとしたサスペンスを楽しめた最終巻。

    間もなく迎える死を待つ場所で交錯する人々の思い、根っこに抱えた埋み火なるものを存分に盛り込み、最後に意外な展開で締めくくるのが良かった。

    まさに人の心に棲みつくもの、それが一番心を脅かす。

    白兎の存在が時に現実味を帯びるように色濃く、時に今にも消えそうな薄さへと変わる、この対照的な魅せ方描き方も幻想感溢れて好き。

    白兎の存在に込められた、作者の生と死への想いもじんわり沁み渡るのも良い。

  • 嵐により道が崩壊し、外界から閉ざされた豪華なホテルで起きる殺人事件。
    関係する人物は限られており、正当な密室殺人を扱った本格ミステリーかと。
    しかし、本書はやはり白兎シリーズの4。
    「この世にいてはいけない魂を還すのが、おれの役目ですから」と、白兎が登場する。
    読者の前に二重三重に用意された扉が、次々と開いてゆき、登場人物たちの真の姿が明らかにされる。
    「生と死のあわいに存在する者」として白兎を据え、生と死を巡る言葉を綴るこのシリーズ。
    『バッテリー』などとは一線を画し、『弥勒』シリーズとともに、著者の多様性を示す作品。

  •  選ばれた持てる人たちのホスピス、「ユートピア」。嵐により孤立した「ユートピア」で、オーナーの中条がスタッフにある提案をする。翌朝、看護師のひとりの死体が見つかる。

     選ばれた最高級のスタッフという割には、なんだかな~と思っていたら、そういうことか。オーナーはゲスだし、もう一人サイコパスがいるし、でとんでもない面子だった。被害者は身から出た錆で、むしろ加害者が気の毒で残念。こんなのを殺して罪を負うなんて。
     元大女優の凜子さんが素敵だった。

  • シリーズ最終巻ということで白兎の正体(なぜ彼が狭間に存在するようになったのか)が分かると期待したが、分かったと思ったら違った。
    結局あの世とこの世の狭間に存在する者というまま終わる。
    白兎自体の出番も少なく自分の苦手なクローズド・サークルということもありシリーズの中では1番最終巻なのにモヤる巻となった。

  • 白兎シリーズ最終刊。今作だけは、少し違うサスペンス調。白兎の登場も少ないのが、寂しい。

  • シリーズ最終巻。まだ続きそうな感じも残しつつの終わりだった。シリーズを通して生きている事死することが描かれていたが、なによりもその間にある時間について考えるシリーズだったように思う。ファンタジーに包まれた哲学のように感じた。密室事件があるので、そこそこの緊張感もあり読み終わりはちょっと疲労感があった。

  • 「白兎」シリーズ、最終巻。生と死の狭間に生きる白兎は、不思議な存在だと認識されてもなお、自然と受け入れられていきます。

    結局、思考をさらしてしまうことは野暮だから、彼自身の思いが語られることはなかったんですが、役目についてどう思っているのか知りたかった気持ちはあります。言葉の端々には出てきているけど、歯がゆい思いをしつつも、何故その役目を果たそうとしているのかとか。なぜ少年の姿なのかとか。

    > 生きることが希望だと思わないけれど、死もまた救済にはならない

    40代にもなると、生まれた意味を問い続ける時間は終わって、ずいぶん前から、生きた証を残していくことに時間を費やすことが必要になりました。でも、それは生きた奇跡そのものなのだとしたら、何も探求することなく、ありのままの自分でいることで意味のある人生だったと言えるんだなと思えました。

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著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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