はぐれ忍び 江戸の御庭番5 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 26
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041091944

作品紹介・あらすじ

凄腕隠密・喬四郎の次の使命は、何者かに奪われた謀反の連判状を取り戻すこと。
百年以上昔の物ながら、天下を乱しかねないこの巻物を巡り、出羽三山の忍びや諸大名家の間に壮絶な奪い合いが起こる。
一方、喬四郎が婿入りした倉沢家では、義父・左内の様子が変だ。
妻に黙って、武家の妻女・綾乃と逢っているらしい――。
スリル溢れる忍びの攻防と、温かな笑いをもたらす倉沢家の面々から目が離せない、忍者活劇シリーズ第5弾。

感想・レビュー・書評

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  • はぐれ忍び ー 江戸の御庭番シリーズの5作目
    2020.02発行。字の大きさは…中。

    8代将軍徳川吉宗の命により御庭之者・倉沢喬四郎が探索する。

    此度は、古美術商の梅宝堂から奪われた古い巻物は、宇都宮城 釣天井の一件に拘わりがあるとの噂があった。吉宗の命により喬四郎が探っていくと古い巻物は、徳川家に謀反の企ての起請文を継ぎ合わせた巻物であり。その巻物をもって伊達家、鍋島家を脅迫して金品を脅し取ろうと出羽忍びたちが動いている事が分かる。
    仙台藩伊達家大番頭・白倉蔵人は、伊達家の忍び集団・鬼首(おにこうべ)衆の頭領・鬼首の道鬼に、起請文の奪還を命じる。

    出羽忍びたちと仙台藩の忍び集団・鬼首衆との戦い。そして、出羽忍びたちの背後にいるのが水戸徳川家に係わる者であり、その連絡を御家人の徒目付組頭・小早川小五郎がしていることが分かる。
    水戸徳川家の5代目宗翰(むねもと)の叔父・徳川宗斉は、吉宗を追い落とし宗翰を将軍にし自身は、水戸家当主となることを考えていたが…。

    喬四郎は、義父上・左内が武家の妻女と甘味処で汁粉を食べているのを目撃する。
    妻・佐奈も、父上が伽羅香の香り仄かに漂う武家の妻女と甘味処で汁粉を食べているのを目撃し、後を付けて素性を確認する。夫が病死したため里に帰っている徒目付組頭・早見小五郎の姉・綾乃であった。佐奈は、父が浮気をしていると思いやきもきするが…(⌒-⌒)ニコニコ

    【豆知識】
    「宇都宮城 釣(つり)天井事件」とは、江戸時代の元和8年(1622年)、下野国宇都宮藩主で江戸幕府年寄の本多正純が、宇都宮城に吊り天井を仕掛けて第2代将軍徳川秀忠の暗殺を謀ったなどの嫌疑をかけられ、本多家は改易、正純は流罪となった事件である。
    ただし、実際には宇都宮城に釣天井の仕掛けは存在せず、改易は別の原因によるものとされる。

    「巻子本(かんすぼん)」とは、古い巻物、巻本、つまり書状を継ぎ合わせて巻いたもので、最も古い本の形態である。
    この物語では、徳川家に謀反を企てる青山忠俊(改易)、福島正紀(改易)、仙台藩初代藩主・伊達政宗、佐賀藩初代藩主・鍋島勝茂、紀州徳川家初代藩主・徳川頼宣の起請文を繋ぎ合わせて巻いた物と記してあるが。
    史実には残っていない。

  • 藤井邦夫 著「はぐれ忍び」、江戸のお庭番№5、2020.2発行。8代将軍吉宗のお庭番、倉沢喬四郎が幕府転落を企む水戸家の水戸宗斉と出羽三山の忍びたちの野望を砕きます。伊達忍びも関り、壮絶な争いに。今回、喬四郎の妻佐奈、義父佐内が脇でいい役を務めます。

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著者プロフィール

1946年、北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」「水戸黄門」などの脚本家、監督を経て、2002年に作家デビュー。以降、多くの時代小説を手がける。「新・秋山久蔵御用控」「新・知らぬが半兵衛手控帖」「日暮左近事件帖」「江戸の御庭番」などのシリーズがある。

「2022年 『野暮天 大江戸閻魔帳(七)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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