ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫 (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2022年2月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041092439

作品紹介・あらすじ

※週刊新潮2022/6/16号で紹介されました。

「この猫が怖くてたまらない」

おとなしい動物愛好家の「私」は、酒に溺れすっかり人が変わり、可愛がっていた黒猫を虐め殺してしまう。やがて妻も手にかけ、遺体を地下室に隠すが…。戦慄の復讐譚「黒猫」他「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」「赤き死の仮面」といった傑作ゴシックホラーや代表的詩「大鴉」など14編を収録。英米文学研究の第一人者である訳者による解説やポー人物伝、年譜も掲載。
あらゆる文学を進化させた、世紀の天才ポーの怪異の世界を堪能できる新訳・傑作選!

●傑作ゴシックホラー+詩
赤き死の仮面 The Masque of the Red Death (1842)
ウィリアム・ウィルソン William Wilson (1839)
落とし穴と振り子 The Pit and the Pendulum (1842)
大鴉(詩)The Raven (1845)
黒猫 The Black Cat (1843)
メエルシュトレエムに呑まれて A Descent into the Maelstrom (1841)
ユーラリー(詩) Eulalie (1845)
モレラ Morella (1835)
アモンティリャードの酒樽 The Cask of Amontillado (1846)
アッシャー家の崩壊 The Fall of the House of Usher (1839)
早すぎた埋葬 The Premature Burial (1844)
ヘレンへ(詩) To Helen (1831)
リジーア Ligeia (1838)
跳び蛙 Hop-Frog (1849)

作品解題
数奇なるポーの生涯
ポー年譜
訳者あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 怖いよ!
    最初の数行で既に怖いよ!
    怖くて読み進められない弱虫な私を許してください!!

  • ポーが、あらゆる小説ジャンル(推理小説、ホラー、SF、冒険小説など)の元祖であること『ギンガムチェック塩漬けライム』(鴻巣友季子)を読んで知りました。詩も含めて、短編が本書にはおさめられています。

    怖さが迫ってくるだけでなく、何だか面白みもあり、文章表現の巧みさが際立っていました。映像となって出てくるようでした。ポーもすごいけれど、訳者もすごい。ホラーを読むのは初めてで、ポーの作品を読んで良かったです。他の訳者の文章も読んでみたくなりました。

  • ポーの傑作選は岩波少年文庫から出ているものを読んだことがありますが、某有名カードゲームの元ネタである『早すぎた埋葬』が読みたくて購入。
    既読の作品も多かったので、訳の違いも楽しみながら読み進めました。

    うーん、やっぱり『赤き死の仮面』と『アッシャー家の崩壊』が大好きなんですよね〜。このゴリゴリのゴシック調の雰囲気、たまりません。
    楽しみにしていた『早すぎた埋葬』はというと、本書の中で唯一(?)笑ってしまう話で、なんだか意外でした。いや本人は真剣だから笑っては悪いのですが……。
    でも、当時普通にあった”早すぎた埋葬”を防ぐための「安全棺」や「生き埋め防止協会」が出てくると、どうしても、ね( ˊᵕˋ ;)
    しかし、なすすべもなく生き埋めにされてしまうことの絶望感、恐怖、無力感への衝撃がそれだけ大きかったということですよね。たしか『ボーン・コレクター』でも埋められそうになってたなぁ……。

    本書にはポーの詩人としての一面も堪能できる作品もいくつか収められています。
    もちろん原語は英語なのですが、訳者である河合祥一郎氏の並々ならぬ努力とこだわりを感じることができました。
    ポーを一躍時の人とした『大鴉』なんて、実際は英語で発音するからこそ凄さがわかるだろうに、日本語でもそれを追体験できるのだからすごい。さらに、巻末の解説ではオススメの音源まで紹介してくださっています。
    そう、本書の特徴は河合氏による80ページに及ぶ”ポー解説”といっても過言ではないと思います。
    ポーが何にインスピレーションを受けてそれぞれの作品を生み出したのか、そして彼自身の数奇としか呼べない人生……。実に読み応えがありました。

    角川からは「怪奇ミステリー編」と題した続刊も出版されていますので、これも機会を捉えて読んでみたいなと思います。
    怖い話は苦手だけど、ゴシックホラーにはなぜか惹かれるんですよね、ふしぎ。

  •  昨年刊行されたE.A.ポーの新訳傑作選。3冊シリーズの第1弾にあたる『ゴシックホラー編』。

     ポーの語りの技巧、言葉への拘りを訳出することに腐心したと訳者あとがきにあるが、訳自体はとても読みやすく、それでいて軽過ぎない。約80㌻に及ぶ作品解題とポーの生涯についてもかなりの読み応え。

    『ゴシックホラー編』と銘打たれているが、収録作を読み進めていくと、ポーが“生き埋め”や“地下への閉じ込め(壁に塗り込め)”、”蘇る美女“といったモチーフを繰り返し登場させていることに改めて気付く。それらはお気に入りであったと同時に、ポー自身に閉所恐怖症なり、何らかのオブセッションもあったのだろうな、と思えてくる。
     掉尾を飾る「跳び蛙」は、王様らに虐げられた道化師の復讐譚だが、これを下地に江戸川乱歩が書いたのが「踊る一寸法師」なのは有名な話。だが、乱歩が自分のフリークス嗜好や猟奇趣味全開で書いた酸鼻な残酷譚であるのに対し、ポーも同じく残酷ではありながらどこか冷静な観察者の目を保っているのがわかる。ポーの冷静な目、第三者的な態度、雰囲気というのは、例えば「黒猫」のように一人称で書かれた作品でも(狂気や恐怖にかられている描写ですら)感じられる。これは雑誌編集者としての経験も影響していたのではないか……と先日の読書会で聞いて、なるほど、と納得。

     また、ポーの出世作と言える「大鴉」はじめ詩作も3編収録されているが、作品解題では各詩の構成や韻律について詳細に解説されており、「小説は面白いけど詩はどうもわからなくて」という読者(自分含め)にも、ポーの詩の技巧と凝り、味わい方が理解し易くなっている。

     ポーは何度も読んでるよ、と言う人でも新たに愉しめる1冊ではないかと思う。

  • 14作品(の内、詩は3編)
    作品解題(細かく解説35ページ)
    数奇なるポーの生涯
    年譜

    《アランボー》
    推理小説の創始者
    ゴシックホラー、SFの先駆者のアメリカの小説家
    ゴシックホラーとは、18世紀後半に始まった文学ジャンル
    荒廃した城や邸宅を舞台に、不気味で緊張感あふれる雰囲気が特徴だ
    世界でオマージュしている映画や舞台等の作品が紹介されていた


    作品は10~20ページ位
    内面的な描写は少ない
    日本語訳が難しいと感じた
    だから読みにくいかと思ったが、音読をしてみると、すらすら読めリズムが良かった
    考えて訳されているのだと実感した

    ある男の話、船乗りの話、聞いた話など、1人称の語りで、その場限りの完結が多く、生き埋めや埋めて死体を隠すなど、残酷な状況の話ばかりだった

    一番良く読みやすかったのはやっぱり「黒猫」
    時間経過のあるストーリー仕立てで男自らが語る
    オチがあってこの悪人男は捕まり解決する

    詩は、日本語訳ではよくわからなかったが、英語の音読をすると韻が多く面白いらしい

  • エドガー・アラン・ポーの「黒猫」は、ゴシック文学の中でも特に傑出した作品です。この物語は、酒に溺れた男が愛猫を殺害し、その後、罪悪感と恐怖に苛まれる様子を描いており、ポー特有の暗く、緊張感あふれる筆致が色濃く出ています。

    物語はかつて優しかった男が酒乱となり、愛猫プルートに暴力を振るうところから始まります。彼の行動は次第にエスカレートし、最終的には猫を殺してしまいますが、その行為が彼の運命を狂わせることになります。新たに現れた黒猫は、前の猫とそっくりでありながら、一つ違いがありました。その猫は胸に白い斑点を持っていたのです。

    この物語を読む際、私は、主人公の精神の崩壊を目の当たりにして、彼の心理に深く引き込まれてしまいました。彼の罪悪感と恐怖が、まるで自分自身のものであるかのように感じられます。ポーは、心理に巧みに訴えかけることで、恐怖を増幅させる術を見せつけます。そして、その恐怖はただの外的なものではなく、内面から湧き上がるものであることを教えてくれます。

    本作の作風は、人間の心理を深く掘り下げ、罪と罰、そして自己欺瞞のテーマを探求しており、単なる恐怖小説以上のものです。ポーは主人公の行動を通じて、私たち自身の内面に潜む暗黒面に光を当てます。そして私たちがどのように自己正当化を図り、真実から目を背けるかを描いているのです。

  • 江戸川乱歩は読んだことあるけど、そういえばエドガーアランポーの本はあんまり読んだことないかも、と思って読んでみたけど、表題の『黒猫』まで読んで中断。勝手にミステリーのイメージ持ってたら、ガチガチのゴシックホラーで震えちゃった。翻訳されたものしか読んでないけど、独特の文章とストーリーだったのでポー自身に興味を持って巻末の『数奇なるポーの生涯』を読んだら想像通りの狂人だった。

  • ポー、生き埋めへの執着がありすぎる(と思わせる収録作品のセレクション)

    ブラッドベリ「火星年代記」の一編「第二のアッシャー邸」で引用されているオリジナルを知りたくて読みました ブラッドベリがポーから非常に強く影響を受けていることが文体からさえもよくわかる 全体を通してグロテスクな銀細工のような文章 (「ポオはぼくの従兄弟」とまで比喩するのも納得)

    現代のエンタテイメント価値観で読むと「エッ、結末、やさしー!!」と感じる編もあり面白い
    「アッシャー家の崩壊」はスティーブン・キング「シャイニング」の元にもなっているのだろうなあ

  • いろんな人の訳で何度も読み、何度も読みたくなるポー。”お話”の原型が詰まっているように思うんだよね。

    巻末の「数奇なるポーの生涯」も力作で、1篇の作品のようですらある。

  • エドガー・アラン・ポーの名作が詰め込まれた短編集。今作はあの有名な「大鴉」などの詩も含めたゴシックホラー編。読んだ事のある話もあればタイトルだけ知っていた話もありで、どの話もポーの技巧が凝らされた話ばかりである。「大鴉」だけでなく「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」に「赤き死の仮面」も収録されているので、そんなに分厚くないながらも読み応えは抜群にあった。

  • 今まで読んだどのポーの翻訳とも一味違った雰囲気で面白く読んだのですが、訳者の河合先生のあとがきで「ポーの文章に込められた〈技巧〉を訳出することを第一に目指した」というお話しに、なるほど、と。
    また、巻末についている作品解題とポーの生涯紹介に60ページ使っているだけあってとても丁寧。詩の押韻の型とか細かく触れて下さって、授業みたいな解題でした。これも面白かった。

  • 情景描写も心理描写もまるでイメージできず。読む人の感性や趣向によるのであろうが、私はまったく受け付けなかったです。

  • ポーのゴシックホラーなどの短編14編
    難解な箇所があったな

    「落とし穴と振り子」
    異端審問で拷問にあう男
    辛すぎる、って思ってたら‥
    ラストでいちばん好きかな

    「黒猫」
    酷すぎると思ってたら‥
    ざまあみろだったな

    「跳び蛙」
    爽快な復讐だったな

    「アモンティリャードの酒樽」
    よほどの目に遭ってたんだろうな

  • 2.7

  • こわい。

  • 青空文庫で読んだペスト王を、もっと新しい訳で読みたくて借りた。収録されてなかったけど。
    赤き死の仮面と黒猫とアッシャー家の崩壊は良かった。他は、好きな人は好きなんだろうけど、なんだか付き合いきれない感じがしてほとんど読み飛ばしてた。

  • 黒猫は面白かった。
    そのまんま短編の題名にもあるけど、早すぎる埋葬の話が多いような。リジーアは最後がよくわからなかった。
    ゴシックホラーというかエンタメ作家という感じ。
    20年ぶりぐらいに読んだ気がするけど、まあまあ面白かった。

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著者プロフィール

(1809年〜1849年)アメリカの作家、詩人。推理小説の祖とも言われる。主な作品に「アッシャー家の崩壊」、「黄金虫」、詩集『大鴉』など。

「2020年 『【新編エドガー・アラン・ポー評論集】 ゴッサムの街と人々 他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エドガー・アラン・ポーの作品

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