1984 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 278
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092453

作品紹介・あらすじ

1984年、ビッグ・ブラザーが支配する全体主義的近未来。〈真実省〉の党員スミスは美女ジュリアとの出会いをきっかけに禁止されていた日記を密かにつけ始めるが……人間の自由と尊厳の問題を問う大傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 監視社会を描いたディストピア小説。『ビッグ・ブラザー』が支配する世界では、寝言や表情、頭の中までもが徹底的に監視下に置かれ、過去も都合のいいように書き換えられてしまう。こんな状況の中でとうてい生活できるものではない。読んでいるだけでも、常に誰かから見られているという息苦しさでだんだんと辟易してしまうほどだ。前半は動きがあまりなくまだマシだったが、後半はかなり過酷な展開へと変貌をとげる。とにかくはやく解放されたい、そんな気持ちにさせられる読みごたえ十分の重たい小説だった。

  • 「予言の書」としての『1984』 - 内田樹の研究室
    http://blog.tatsuru.com/2021/04/27_0844.html

    1984 ジョージ・オーウェル:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000045/

    • goya626さん
      おお、表紙がマグリットだ。
      おお、表紙がマグリットだ。
      2021/05/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      マグリットの「人の子」。タイトルとは違い顔が見えないのが、非人間的でオーウェルにピッタリ!
      goya626さん
      マグリットの「人の子」。タイトルとは違い顔が見えないのが、非人間的でオーウェルにピッタリ!
      2021/05/03
    • goya626さん
      なるほど!
      なるほど!
      2021/05/04
  • 全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた、ディストピア小説の金字塔ともいえる名作。
    1950年に出版されたので、その時から30年後の世界であるわけだけど、2020年の今こうして読んでもすごく”新しい”と思わせてくるところに、この小説のもつ魅力があるのだと思う。きっといつどの時代に読んでも、「こうなるかもしれない」という寒気を伴う予感をはこんできてくれる。自由がなくなるのではなく、自由という概念そのものが無かったことにされる世界。

    主人公のウィンストンは真実省記録局の下級役人として、歴史資料の改竄業務を行っている。
    スローガンは【過去を支配する者は未来を支配する。今を支配する者は過去を支配する】。
    こうしたイングソック理念のもと思想警察の監視によって厳しく思想統制される社会の在り方に疑問を持つウィンストンは、反政府組織〈ブラザー連合〉の存在に希望を抱きながら、真実と記憶を留めるため密かに日記をつけている。
    味方か敵か分からない人々との危うい交流を深め、姿を消された革命家・ゴールドスタインによって書かれた禁断の本を入手し読み耽るところで、物語は急転直下。
    どうしてかは分からないけど、私は読みながら希望のある結末を思い描いていたんだよね。味方は実は大勢いて、彼らと結託して明るい未来を開拓してくれると。
    最後まで読んで半ば放心状態で本をとじ、なんて平和ボケしていたのだろうかとショックを受けた。象徴であるはずだった美しい悠久の珊瑚は、いとも容易く砕け散ってしまった。

    「ビッグ・ブラザーが見ている。」
    なんだかこの言葉が、昨今のコロナ禍で聞き覚えのあるような気がしてならない。新しい生活様式、ソーシャル・ディスタンス、コロナ自警団、自粛警察、五輪強行、耳に新しいワードが脳裡に浮かんでは消えていく。
    これらと全体主義とを結びつけて考えるわけでは決してないけれど、でも現在の一人一人の行動原理が社会の同調圧力を強めていって、やがてその先に生まれ得るものを想像すると、この本を読み終えたばかりの私は幾分言葉に詰まる。恐るべきドアが遠くにぼやけて見えるような、気がするような。

  • 無知と他責がいかに悪であるかということについて気付かされるとともに、自由や教養は本当に幸せなのか?と考えずにはいられない。

  • 主人公のウィンストンは、近代的な人格主義、科学的な合理主義が正しいという信念を持って、過去を改変し続ける党に対抗しようとしました。きっと著者のジョージオーウェルもそれらの近代の思想が正しいと信じてこの本を書いたのだと思います。
    しかし、実存主義などの近代思想が批判されている今、党に「現実とは、頭蓋の中にあるものなのだ。」と言われても、私は一理あると感じてしまうと思います。この本に登場する党は、今や、完全に否定できるものではなくなっているのだと思います。
    戦争状態が永遠に続くことが人々を党にとって都合の良い心理状態にする、というのは、緊急事態宣言だから北朝鮮がミサイル打つからと言って、政府に都合の良い政策を国民に流し込んでいる現代の日本の構図と似ていると思いました。

  • 集団洗脳。監視。
    読んでいてどんどん気持ちが重くなっていく。
    自由がなくて大事なことに気づかないように管理されている。管理から外れた人の処分の仕方が残酷。

  • 事前情報なしで読み始めたが、「華氏451度」を彷彿させるディストピア感。

    作りこまれている作品だけれども「華氏451度」よりもくどく、途中、危うく手が止まりそうになった。

    1949年に刊行された本書。長く読み継がれているだけあるメッセージ性は強い。

    描かれている支配と隷属の関係が、今の日本の現状と照らし合わせて考えたくなるものがあった。思想を表す言葉が失われていくこと、記録が失われていくこと、与えられる情報がコントロールされることにより知らぬ間に思考もコントロールされていくこと……。

    ただ、この時代にオーウェルがこの本を書くことで訴えたかったことは十分の一も読み解けてないんだろうなぁと思う。当時の社会情勢を知って初めて感じられることがあるのだろう。

    ――――

    オブライエンがウィンストンに対して権力について講じるところは違和感。ウィンストンという中央にとってたいして重要ではなさそうな人物に対して、オブライエンが何度も足を運び一席ぶつ必要性が感じられない。
    それと、狂ったように権力に執着しているのは伝わったが、いまひとつオブライエンや中央側の行動の根底にあるものか理解できなかった。。
    これも、社会主義の国政や権力者のやってきていることを知っていくうちに腑に落ちるのかもしれない。

     

  • 全人類に勧めたい本
    難解なので先に『動物農場』を読むと世界観が入ってきやすい。

    日本からは遠くない国で起こってるように錯覚(ではないと思う)してしまうくらいリアリティあるディストピア。読了した時は筆舌し難い気持ちに襲われました。

  • ようやくamazonレビューしました。

    ジョージ・オーウェル著、「1984年」

    最近読んだ、とあるディストピア小説で、巻末のあとがきにこの書籍の紹介があった為興味を持っていたところ、2021年3月に改めて新訳で文庫として出版されている事を知り、早速借りて読んでみた。

    先の紹介で、「ディストピア小説の古典的傑作…」のような記述があったが、1949年刊行という事で興味半分に読み進めたのだが、生半可な興味は見事に裏切られた。もちろん良い意味に於いてである。

    私個人的には、著者が戦後の混乱期に、或いは戦中から、著作活動を行って出版されたという過程が非常に興味深かった。また英国人独特のアイロニックで屈折した表現が随所で散見された。かといって退屈したり辟易したりするような内容では決して無く、色恋沙汰も随所にはあり決して飽きることなく読み進めることが出来た。

    これから読もうとされる方の為に詳しい内容はあえて書かずにおこうと思う。ただ、この小説に描かれた世界と、「1984年」がすでに遠く過ぎ去った21世紀の現代とを重ね合わせてみると、日常生活でさまざまなテクノロジーに触れ、政治問題や国際問題をマスメディアを「通して」、知るごくごく一般的な私たちの日常生活が、逆にこの小説に書かれた世界と恐ろしく知らず知らずのうちに重なっていくようでぞっとする。

    ここで私が言うテクノロジーとは、テレビジョンから異形進化しての現代のネット動画や検索エンジンなど「双方向」の「メディア」の事でありまた、監視カメラ等(を包括的に管理して個人の行動を監視することできる技術)、或いは政府による個人番号付け、の技術の事である。その行きつく先にあるものをこの小説は示唆しているというように思えてならない…

    いずれにしても傑作であることには間違いないと思う。繰り返すようになるが、1949年当時にその当時の社会情勢を踏まえながら1984年を思い浮かべて、さまざまなテクノロジーを連想し、この世界観を築き上げた著者の想像力、を大いに評価したい。

  • これが1940年代に書かれたことを考えると、ジョージオーウェルは予言者かな?と思う。
    リアリティのある、現代の人が読むとよりリアリティのある作品。

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著者プロフィール

ジョージ・オーウェル

本名エリック・アーサー・ブレア。一九〇三年インドに生まれ、イギリスで育つ。イートン校を卒業後、警察官としてビルマで勤務。三三年からルポルタージュ『パリ・ロンドン放浪記』、小説『ビルマの日々』を発表。三六年にはスペイン内乱の国際義勇軍に参加し、三八年『カタロニア讃歌

歌』を出版。第二次世界大戦中はBBC放送に勤務、『トリビューン』紙の編集主任を務めた。四五年に小説『動物農場』がベストセラーとなる。四六年に移り住んだスコットランドのジュラ島で未来小説『一九八四』を書き上げ、五〇年に肺結核のため死去。

「2021年 『全体主義の誘惑 オーウェル評論選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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