1984 (角川文庫)

  • KADOKAWA
4.10
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本棚登録 : 749
感想 : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092453

作品紹介・あらすじ

1984年、ビッグ・ブラザーが支配する全体主義的近未来。〈真実省〉の党員スミスは美女ジュリアとの出会いをきっかけに禁止されていた日記を密かにつけ始めるが……人間の自由と尊厳の問題を問う大傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 監視社会を描いたディストピア小説。『ビッグ・ブラザー』が支配する世界では、寝言や表情、頭の中までもが徹底的に監視下に置かれ、過去も都合のいいように書き換えられてしまう。こんな状況の中でとうてい生活できるものではない。読んでいるだけでも、常に誰かから見られているという息苦しさでだんだんと辟易してしまうほどだ。前半は動きがあまりなくまだマシだったが、後半はかなり過酷な展開へと変貌をとげる。とにかくはやく解放されたい、そんな気持ちにさせられる読みごたえ十分の重たい小説だった。

  • 「予言の書」としての『1984』 - 内田樹の研究室
    http://blog.tatsuru.com/2021/04/27_0844.html

    1984 ジョージ・オーウェル:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000045/

    • goya626さん
      おお、表紙がマグリットだ。
      おお、表紙がマグリットだ。
      2021/05/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      マグリットの「人の子」。タイトルとは違い顔が見えないのが、非人間的でオーウェルにピッタリ!
      goya626さん
      マグリットの「人の子」。タイトルとは違い顔が見えないのが、非人間的でオーウェルにピッタリ!
      2021/05/03
    • goya626さん
      なるほど!
      なるほど!
      2021/05/04
  • 全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた、ディストピア小説の金字塔ともいえる名作。
    1950年に出版されたので、その時から30年後の世界であるわけだけど、2020年の今こうして読んでもすごく”新しい”と思わせてくるところに、この小説のもつ魅力があるのだと思う。きっといつどの時代に読んでも、「こうなるかもしれない」という寒気を伴う予感をはこんできてくれる。自由がなくなるのではなく、自由という概念そのものが無かったことにされる世界。

    主人公のウィンストンは真実省記録局の下級役人として、歴史資料の改竄業務を行っている。
    スローガンは【過去を支配する者は未来を支配する。今を支配する者は過去を支配する】。
    こうしたイングソック理念のもと思想警察の監視によって厳しく思想統制される社会の在り方に疑問を持つウィンストンは、反政府組織〈ブラザー連合〉の存在に希望を抱きながら、真実と記憶を留めるため密かに日記をつけている。
    味方か敵か分からない人々との危うい交流を深め、姿を消された革命家・ゴールドスタインによって書かれた禁断の本を入手し読み耽るところで、物語は急転直下。
    どうしてかは分からないけど、私は読みながら希望のある結末を思い描いていたんだよね。味方は実は大勢いて、彼らと結託して明るい未来を開拓してくれると。
    最後まで読んで半ば放心状態で本をとじ、なんて平和ボケしていたのだろうかとショックを受けた。象徴であるはずだった美しい悠久の珊瑚は、いとも容易く砕け散ってしまった。

    「ビッグ・ブラザーが見ている。」
    なんだかこの言葉が、昨今のコロナ禍で聞き覚えのあるような気がしてならない。新しい生活様式、ソーシャル・ディスタンス、コロナ自警団、自粛警察、五輪強行、耳に新しいワードが脳裡に浮かんでは消えていく。
    これらと全体主義とを結びつけて考えるわけでは決してないけれど、でも現在の一人一人の行動原理が社会の同調圧力を強めていって、やがてその先に生まれ得るものを想像すると、この本を読み終えたばかりの私は幾分言葉に詰まる。恐るべきドアが遠くにぼやけて見えるような、気がするような。

  • 人を支配するには、情報を与えなければいいんだな。ということを、勉強したこの本。

     ようやく読み終わったものの、字面だけを追っただけのような気がしてる。もっと深く読み込んでみたいけど、いやなんか辛くて。

     ジョージ・オーウェルが1949年に刊行した「1984年」アメリカでトランプ大統領就任の際に話題になって知ることができた本だ。

     ディストピア小説というジャンルのこの物語。どんどん言語を少なくしていき、思想することもかなわなくなる新しい言語「ニュースピーク」というアイデアも恐ろしいけど、現代の日本でも言葉はどんどん壊れている。丁寧な説明をしたことない政治家が繰り返す「丁寧な説明」なども近いものを感じる。

     各部屋やあちこちに設置された盗聴マイクやテレスクリーン。党からの一方的な情報だけが伝えられるのは、監視カメラやSNSみたいなものか。

     そんなの関係なくて、うまく監視をかわし、自由を謳歌するジュリアは、それは眩しい存在だったろう。

     角川文庫で読んだら、訳者のあとがきや内田樹さんの解説があり、それでようやく、なるほどーと思った。

     昔見たアレクセイ・ゲルマンの映画「神々のたそがれ」を思い出した。地球より文明が遅れている星にきてみたら、騙し合い、争い、いつもジメジメしてて不潔で、みんな顔の近くでゲップするし、オナラする。というこれもまたなかなか不快な映画でしたが、この世界にとても似ている。

  • 旅行中に東京タロー書房で購入。
    正直今の私の理解力じゃ5割しかわからなかった。
    だからこそ購入して正解だったと思う。
    何年後か読み直した時に感じる感想が今から楽しみ。

    殴り書きのようになるけど、ざっと感想↓
    ゴールドスタインの本に書かれている戦争は平和なり、の言っていることは理解できた。
    オブライエンのスミスに対して言ってることは難しくてわからなかった。
    チャリントンのおじさんが怪しいのは後から考えるとそうなんだけど、ジュリアが思想警察じゃないってわかってから思想警察の事をすっかり忘れていて、警戒すべきだったなと感じる。
    それと、結局ブラザー連合ってなんだったの?笑

    解説にもある通りこれが1948に書かれたとは思えないくらい今読んでも違和感なく読めた。むしろ近未来の話のように感じる。
    全体的に難しくて読むのも1週間もかかったし、理解できないことも多いのに、私の中のなにかがこの本の虜になって夢中で読めた。引力を感じる本。

  • 無知と他責がいかに悪であるかということについて気付かされるとともに、自由や教養は本当に幸せなのか?と考えずにはいられない。

  • 主人公のウィンストンは、近代的な人格主義、科学的な合理主義が正しいという信念を持って、過去を改変し続ける党に対抗しようとしました。きっと著者のジョージオーウェルもそれらの近代の思想が正しいと信じてこの本を書いたのだと思います。
    しかし、実存主義などの近代思想が批判されている今、党に「現実とは、頭蓋の中にあるものなのだ。」と言われても、私は一理あると感じてしまうと思います。この本に登場する党は、今や、完全に否定できるものではなくなっているのだと思います。
    戦争状態が永遠に続くことが人々を党にとって都合の良い心理状態にする、というのは、緊急事態宣言だから北朝鮮がミサイル打つからと言って、政府に都合の良い政策を国民に流し込んでいる現代の日本の構図と似ていると思いました。

  • 日本は例外だ、とは言えない。

    日々、耳にするニュース、目にするSNSの内容、親や学校から教えられ正しいと信じてきたもの、それらすべては、信頼できる、限りなく真実に近い情報なのだと、どうして私たちは言えるのだろうか。

  • 2022/07/12 読了。
    感想は某所のブログで書いたものの再掲です!


    ・7月2日に読み始め、12日に読み終えました。私の読書スピードって10日前後だな。


    ・実はだいぶ積んでいた! 記録によると、去年の10月20日に買ったらしい。ほんとにだいぶ積んだね。
    ・これの前は『マーダーボット・ダイアリー』シリーズを読んでいて、SFづいていたのもあってヨシ読むか!って気になった。
    ・ちなみにハヤカワでなく角川を選んだのは、調べたときに一番新しい訳だったから(2021年)です。ハヤカワの方も読んでみたくはある!


    ・でさ!これ読み始めた初日に、めちゃめちゃ小説うまくない!?ってなって(何目線よって話ですが。)……
    ・その時の日記にも書いたのだけど、序盤の序盤に「過去にこういうことがあった」の回想をつかって、現社会の(読者から見たら)異常な社会風景を描写するの、物語の背景を把握するのに超わかりやすくて、すごいことするなあと思った。そんで、めちゃくちゃ怖い。こわすぎ。


    ・ウィンストンがちまちま日記つけ始めるところも、グニグニ考えながら老人に接触を図ったり骨董屋さん?に行くところも、バレちゃったらどうなるんですか!!とずっと怖かった。実際バレちゃったし。
    ・骨董屋さんの主人も本当に大丈夫なんですかねえ?? オブライエンも本当に大丈夫なんですかねえ??と思いながら読んでいて、最終的に見事にダメだったときはちょっと諦めみたいな気持ちでにっこりしました。全くもってだめじゃん。
    ・もういつひどい目に遭ってしまうかハラハラしていたし、第三部まるまるひどい目に遭うんだなこりゃと気づいたときはちょっと…… ね……
    ・しかも描写が細かくてえげつない。


    ・訳書を読んでるから、70年近く前に出版された本とは思えないくらいすらすら読めたな~という感想はちょっとズレてるかもしれないけど、ほんとに、最近の小説みたいに読めた。日数もそう言ってる。


    ・こうやって本の感想を記録したり、ブログを書いていたり、アナログの日記に至っては8年くらい続けていることからもわかるように、私は記録が大好きなんですね。今日は何をしたか、過去の日に何があったか、読み返すのも大好き。
    ・だからもう改竄のとことか、そもそも日記を書くことがダメなとことか、『過去を支配する者は未来を支配する。今を支配する者は過去を支配する。』とかめちゃくちゃイヤだった。怖いし。好きなことが書ける世界で良かった(←?)


    ・訳者あとがきで、「(個人的に)ジュリアが一番かわいそう、うわべを取り繕ってこっそり人生を謳歌していたのに、うっかりウィンストンに関わってしまったせいで人生を台無しにしてしまった。本当にかわいそう。」と書いてあって、ちょっとウフフとなった。そうね……
    ・主人公に関わったせい(せい?)で、結果的に悲惨な目に遭ってしまったというのだと、森鴎外の『舞姫』を思い出すけど、舞姫も読んだのは高校生以来なので、深く掘り下げるような話題はない。なんとなく思い出した。言ってる人いるかな?

    ・ジュリアの経験人数が多ければ多いほどうれしいというのをウィンストンが作中で言っていた気がするんだけど、坂口安吾貸してあげよっか?って思った。


    ・あとさ、『お尻ぺちぺち白書』。お尻ぺちぺち白書!? 白書なんだ……
    ・これ、調べたらハヤカワ文庫の方では『お尻ぺんぺん物語』らしくて、「ぺちぺち白書」にした訳者さんのセンスすごいなと思った。原文どうなってんの?
    ・気になって調べたらスケベ動画のサイトが出てきたし、同じようなタイトルのKindle本をクリックしてしまい(パソコンのAmazonはデフォルトで母のアカウントになっている)、やめました(履歴も消しました)。
    ・『女子校の一夜』はまともなタイトルなのに。こっちはハヤカワではどうなってるんだろう。


    ・この話、①ウィンストンが捕まってエンド、②ウィンストンは捕まらずに日々は変わらず続くエンド、③ウィンストン(またはウィンストンと同じ思想を持つ人ら)が革命を起こすエンドのどれかと思ってたんですけど、①なのか? でも捕まって拷問受けてオシマイ!じゃないだろうな~さすがに、と思っていたけど、①と②の複合って感じだったな。ウィンストンが捕まって拷問を受け、ウィンストンは降伏し変わらず日々は続くという……
    ・ウィンストンもジュリアも釈放されたが見目がまるっきり変わってしまったのもあって、射殺ってほんとにされてるんだろうかと思った。釈放されても最終的に処刑はされるのか?


    ・ウィンストンが尋問や拷問の末、最終的に党の思想を受け入れて心から党を愛するようになったこと、肯定というか…… しかたがないよなあという諦めの気持ちによる肯定の気持ちになるな。

    ・読み終わった直後は「面白かった~~~!気分悪!!!」となったよ。全体的にほこりっぽくて、読んでるときの空気がこころなしか質が悪くなっているような気がした小説だった。

  • 集団洗脳。監視。
    読んでいてどんどん気持ちが重くなっていく。
    自由がなくて大事なことに気づかないように管理されている。管理から外れた人の処分の仕方が残酷。

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著者プロフィール

ジョージ・オーウェル
本名エリック・アーサー・ブレア。1903年インドに生まれ、イギリスで育つ。イートン校を卒業後、警察官としてビルマで勤務。33年からルポルタージュ『パリ・ロンドン放浪記』、小説『ビルマの日々』を発表。36年にはスペイン内乱の国際義勇軍に参加し、38年『カタロニア讃歌』を出版。第二次世界大戦中はBBC放送に勤務、『トリビューン』紙の編集主任を務めた。45年に小説『動物農場』がベストセラーとなる。46年に移り住んだスコットランドのジュラ島で未来小説『一九八四』を書き上げ、50年に肺結核のため死去。

「2022年 『動物農園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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