准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 437
感想 : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092651

作品紹介・あらすじ

幼い頃、青い提灯が揺れる「死者の祭」に迷い込んだ尚哉は、以来嘘が歪んで聞こえるように。そんな過去に決着をつけるべく、高槻と尚哉は長野へ。しかし、かつて祭が行われていた村は廃村になっていて……。

感想・レビュー・書評

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  • 真実へと物語が動き出した。

    第1章「百物語の夜」で、前作姿を消したある人物が再び尚哉の前に現れる。ここで登場するということは、この人物が彰良先生と尚哉をこちら側に繋ぎ止めるキーパーソンになるのだろうか。
    この章も面白かったけど、彰良先生も尚哉も、そしてわたしも、ちょっと心ここにあらずだったかもしれない 笑
    なぜなら、あの「死者の祭」をたしかめるための長野行きが来週に迫っていたから。

    今作品はやっぱり第2章「死者の祭」がメインだったよね。実のところ、ここまで異界へと深く潜り込むとは思ってなかった。正直びっくり、嬉しい誤算。

    異界に一度落ちたものは、もう一度その場にたどり着いた、あるいはたどり着いてしまったときに「帰ってきた」ことになるようだ。
    異界の印をつけられたものは、そこから一生逃れられないのかと思うと、それがまた恐ろしい。
    彰良先生の研究室で学ぶ瑠衣子が、よく彼が消えてしまうような不安に陥るのは、いつか「帰ってしまう」そんな気持ちになってしまうからかもしれない。

    わたしは異界ってなんとなく、あちこちに点在しているものだと思ってたけど違うのかもしれない。ただ異界とこちら側を繋ぐ扉が、あちらこちらに存在するというだけで、異界は宇宙のようにどこまでも広がりつづける、実はひとつの世界なんじゃないのかなって。
    尚哉たちの絶対絶命の危機に、あの人物がひょいと現れたことからも、そして彰良先生がこの祭りに関わったことで、背中の傷を負ったときのことを思い出したことからも、そんなふうに感じたのね。だから尚哉の過去と彰良先生の過去は、全く別世界のものってわけじゃないのかもしれない。

    とにかく尚哉たちがどうなるか、どきどきしながら夢中で追いかけた。
    そして迎える結末には「え、もしかしてまた振り出しに戻るの!?」というジリジリとした気持ちを抱きながらも、彰良先生の背負う過去が、そうならざるを得ないほどの重さなのだということを、今まで以上に身をもって知ることになった。ある意味、先生のなかにいるナニモノかは、彼がこちら側に存在し続けるための味方なのではないか……

    それにしても気の毒だったのは健ちゃん。
    忽然と消えたふたりを、暗闇の山のなか一晩中探しまわるなんて。おばけとか苦手なのにね。でもそれ以上に、ふたりを失ってしまったと思うと、それはそれは恐ろしかっただろう。

    あ、ほらここで健ちゃんがまた言ってる。
    「うちの絶対借り作りたくねえ奴に連絡しようと思ってたんだぞ……!」
    もうこの「借り作りたくねえ奴」が1巻からずーっと気になっているんですけど!怪異事件専門の頭の人のことですよね、ね?
    作者サマ、早く登場させてくださーい。

    • くるたんさん
      地球っこさん♪こんにちは♪
      あぁ、的確丁寧、そして素晴らしい推察をありがとうございます!
      異界とは…になるほどです。ちょっと怖さよりも浪...
      地球っこさん♪こんにちは♪
      あぁ、的確丁寧、そして素晴らしい推察をありがとうございます!
      異界とは…になるほどです。ちょっと怖さよりも浪漫が拡がる感じですね¨̮♡

      あ、私、変かな。

      それにしてもあの祭りは怖かった…
      じじばばでも容赦なく迫ってきましたもんね。
      健ちゃんのシーン、もっとじっくり読めば良かったなー。
      キーパーソンかもしれないですね!

      私、ますますアキラ先生に心持っていかれました♡
      天使です…( ⸝⸝⸝¯ ¯⸝⸝⸝ )
      2021/01/13
    • 地球っこさん
      くるたんさん、こんばんはー!

      異界は浪漫、いいですね♡
      異界のなかでも、恒川さんの「夜市」もだけど、異界と祭りの組み合わせが、余計に...
      くるたんさん、こんばんはー!

      異界は浪漫、いいですね♡
      異界のなかでも、恒川さんの「夜市」もだけど、異界と祭りの組み合わせが、余計に恐怖とセンチメンタルな浪漫を醸し出しているのかもしれません……なんちゃって。

      それにしても、じじばば怖かったですよね((( ;゚Д゚)))
      想像してしまいましたよ、恐ろしや~

      ここまで、話が進むと思ってなかったのでびっくりしたけど、最後は3歩進んで2歩下がるって感じでしたね 笑

      くるたんさんにアキラ先生は譲るといたしまして(おいおい、何様!)、わたしはもう健ちゃんの「借りを作りたくねえ奴」を心待ちにしております(≧▽≦)
      理想は、エリートでクールな細身のイケメン20代!
      チャラい感じはNO THANK YOU 笑
      女性だったら、ジェラシー感じて「ガーンガーン」ヽ(;´Д`)ノ
      早く登場しないかな、楽しみです♡
      2021/01/13
  • おおぅ…
    おおおぅ…
    お、驚きの急展開…!

    ついに、尚哉が子供の頃に迷い込んだ死者の祭りに「帰っていく」のだ。

    この際、第一章の百物語の夜はすっ飛ばしてしまいまして、第二章についてだけ。

    尚哉は、高槻と佐々倉と共に、嘘を聞き分ける耳になった「死者の祭」の真実を探るべく、長野の旧小山村に赴き調査をする。村は過疎化し、廃屋も多い。かつての祖母の家で出会った中村のじいちゃんは、尚哉の耳の異変に気づき、「帰れ!早く!」と追い払うように言う。
    それでも調査を続ける一行。広場に青い提灯が吊るされる中、境内の石段を下りる途中で尚哉の耳にたくさんの声が聞こえてくる。石段を踏み外した尚哉は、助けようとした高槻と共に、死者の祭に足を踏み入れていた…。
    取り囲む死者たちがこわい!いきなりホラーな展開。

    中村のじいちゃんから明かされる村の祭のこと。
    死人を管理する山神様に、生きている子供を連れて行かれないように、盆踊りを表と裏に分け、脈々と続けてきたこと。

    高槻は、死に向かう道で、走馬灯のように過去の出来事を思い出していた。
    しかし、突如彼に異変が起きるのだ。

    "お前は思い出してはいけない。約束違反だ"

    …今巻はすごい気になるところで終わりましたね!
    健ちゃんも、いきなり目の前で二人が消えて、探しても探しても見つからないのは恐怖だっただろうな。しかもほっとした後にまた別のショックがくるし。

    普段の高槻先生なら、「えぇー!僕本当に、本物の怪異に出会ったの?それを忘れちゃうなんて!」と歯噛みしそうだけど、さすがに事が事だけにそんなノリでは済まされないか?
    次はついに、高槻先生の怪異に迫っていく内容になる気がする…!

    • マリモさん
      地球っこさんおはようございます。
      5巻は本当に急展開!地球っこさんのレビューを読み直し、異界についての解釈にはなるほど!と思いました。沙絵さ...
      地球っこさんおはようございます。
      5巻は本当に急展開!地球っこさんのレビューを読み直し、異界についての解釈にはなるほど!と思いました。沙絵さんが登場してくる繋がりがわからないですものね。

      また出てきましたね、健ちゃんの「絶対借り作りたくねえ奴」!これから借りを作る伏線なんだろうなぁと思うのですが、借りを作るとしたら高槻先生ピンチのときしか考えられないし、ピンチになるとしたら異界に戻ってしまった時…?!
      たぶん男性で、(全然違う作品から引っ張ると)東野圭吾のガリレオシリーズの湯川先生タイプのような、頭が切れるけど皮肉屋で、我が道行くタイプを勝手に想像しています(笑)
      そろそろ出てきそうだし、楽しみですねー(〃ω〃)
      2021/04/24
    • 地球っこさん
      マリモさん、そうそうそんな感じが好みです♡
      あと細身で髪の毛がサラサラで切れ長の眼で、見た目は幸せな結婚の清霞みたいなの……笑
      なんだろ...
      マリモさん、そうそうそんな感じが好みです♡
      あと細身で髪の毛がサラサラで切れ長の眼で、見た目は幸せな結婚の清霞みたいなの……笑
      なんだろ、科学系で攻める感じ?それとも陰陽師系とか……!?
      いやいやもっと妄想の上をいってほしい。

      でもでも、そっか。
      登場は高槻先生の大ピンチのときですよね。
      この盛り上がりがどうか息切れせずに最後まで続きますように~
      2021/04/24
    • マリモさん
      地球っこさん
      あら♡♡清霞系の切長の眼いいですねぇー♡
      まだこちらのシリーズにいないイケメンタイプであるはずなので、ちょうどぴったりだと思い...
      地球っこさん
      あら♡♡清霞系の切長の眼いいですねぇー♡
      まだこちらのシリーズにいないイケメンタイプであるはずなので、ちょうどぴったりだと思います(イケメンは前提で!)。陰陽師系も面白そうー、清霞みたいに着物をさらっと着こなしてたりするのもいいですね!笑
      6巻は来月発売のようですね。勢いが続いてほしいですね(о´∀`о)
      2021/04/24
  • ついに…の一冊。

    ついにあの祭りの真実を探るために長野へ向かった尚哉たち。

    真実を知りたい気もあればまだ知りたくない気に読み手もさせられる展開は緊張感溢れるスタート。

    想像以上の祭りの本気度、想像以上の恐怖。

    あの坂はかなり怖かったな。 
    沙絵の助言がなかったら…至る所で感じた。

    で、どうなるの⁈またまた最高に盛り上げてサッとさよならだなんて!

    そして今回の番外編も実に良かった。

    まさに"天使"、そう、その言葉がしっくり来るし、何があってもいつでも絶対に帰ってきて欲しい、その気持ちに激しく同意。

    • 地球っこさん
      くるたんさん、こんばんは!

      ついにあのお祭りに辿り着いたのですか!?
      沙絵さんも再登場!?
      なにより想像以上の恐怖だなんてΣ(゚ロ...
      くるたんさん、こんばんは!

      ついにあのお祭りに辿り着いたのですか!?
      沙絵さんも再登場!?
      なにより想像以上の恐怖だなんてΣ(゚ロ゚ノ)ノ

      あー気になるー!

      今は今年読み終わった本の感想は、今年中に書いてしまおうと、お正月休みに読みたい本を横目でチラチラしながら頑張ってるところです 笑
      もちろん、准教授もスタンバってますよ。
      2020/12/28
    • くるたんさん
      地球っこさん♪こんばんは♪
      そうなんです!マジ、あのお祭りの村へ…。沙絵さんはこれからのキーパーソンだと思われます‼︎

      地球っこさんもゆっ...
      地球っこさん♪こんばんは♪
      そうなんです!マジ、あのお祭りの村へ…。沙絵さんはこれからのキーパーソンだと思われます‼︎

      地球っこさんもゆっくり楽しんでくださいね♬

      私、ますますアキラ先生のファンになりました…(≧︎ω≦︎*)

      あ、今年もお世話になりました¨̮♡
      また来年もトークできるとうれしいです。
      よろしくお願いします¨̮♡
      2020/12/28
    • 地球っこさん
      くるたんさーん
      こちらこそお世話になりました(*>∀<*)

      今年はいっぱいお話できて楽しかったです。
      来年もお互い、たくさんの面白...
      くるたんさーん
      こちらこそお世話になりました(*>∀<*)

      今年はいっぱいお話できて楽しかったです。
      来年もお互い、たくさんの面白い本にであえますように。。。

      どうぞよろしくお願いします。
      2020/12/28
  • 一気に話が進みました。
    ついに「死者の祭」に踏み込んだ内容になり、シリーズ急展開です。
    沙絵さんも再登場していい味を出しています。
    少し盆踊りについて詳しくなれる感じでした。

  • いよいよ、本物の怪異と遭遇。前巻から、現象と人の解釈だけでは説明のつかない本物の怪異らしきエピソードが出始めていたが、今回、主人公の特異能力の原因が本物の怪異によるものだと明らかになる。
    本物の怪異の出現により、これまでと明らかに局面が変わった。今後どんな展開になるのか、物語の行方が楽しみである。

  • 時代が変わって行燈が蝋燭に、蝋燭が百均のライトに取って変わっても、百物語という文化そのものは受け継がれているところに、ホラー話ながら妙な感動を覚えてしまった。
    怪談の中にはどうしても廃れてしまうものもあるけれど、百物語はどの世代でも通じる話ではないかなと思う。
    それは、人々が伝え続けてきたからこそ残ってきた物だと思う。
    百物語に限らず、多少形を変えたとしても受け継がれていく文化って尊いなと。

    ただ死者や死者を大事に思う人たちの気持ちを踏み躙る行為は許されることではない。
    そこはビシッと諌める高槻先生である。

    前半はそんな百物語の話。
    後半は尚哉が過去に踏み入れたあの謎のお祭りの話。
    先生がいるから大丈夫だと、こちらは勝手に楽観視していたら、予想していたより大ごとになってびっくりした。
    そうだよな。
    死者の世界に「2回」も紛れ込んで無事で済むタイプの話はそうお見かけしない。
    ただでさえ1回目で対価を支払っているから余計に2回目が無事な訳がない。

    ただここで助けに入ってくれたのが、これまた意外や意外、でも寧ろこの人でなければ切り抜けられなかった(要はこのために用意されたかのような)人の登場で、チートな切り抜け方を見せてくれた。
    でも、結果的に高槻先生は対価を支払った気はする。
    引き換えに一度は欲しかったものを得て、再び失って、トータル的にはマイナスな気がする。
    何しろ、先生は引っ張り出してしまったから。
    彼の背中の傷に関わる存在を。
    命は助かったラストではあるが、不穏を残す形となった。
    これからの先生が本当に心配である。

    番外編の瑠衣子先輩の話が、余計にその不安を煽った気がする。
    基本的にほんわかな話だし、瑠衣子先輩の先生への想いは物凄く理解できるのだが(ぽわんと丸い、言い得て妙)「ここに留まってくれない」みたいな不安感も確かに存在していたので。
    最後の最後、「よかった、ちゃんといる。」この一文が、今回の本編を読んだ後だとより心にしみる。

    改めてこうして振り返ってみると、いつも以上に噛み締め甲斐のある一冊だったと思う。
    どうかどうか、皆が笑っていられる未来に繋がっていきますように。

    そのためには、尚哉くんはますます先生を制御する術をマスターせねばだな。
    まずは体力づくり、頑張ってくれ!

  • 5巻目は百物語と死者の祭と瑠衣子視点の番外編。
    とうとう尚哉が力を得た祭りを調べに行く。
    その前の百物語に絡めた数字の意味合いと死者を悼む在り方が補足となって効いてくる。

    尚哉が迷い込んだ祭りの真相は。
    そこで遭遇した出来事と人物。
    そして過去を思い出したはずの高槻。
    だが沙絵の正体も明かされたが忘れてしまった高槻にはどう説明するのだろう。

    ただの怪異ではない、神との契約は恐ろしいものだ。
    高槻が子供の頃に遭遇したものも恐ろしそう。
    尚哉は戻ってこれた。高槻がそれと対峙した時何が起こるのか。
    ますます続きが楽しみになった。

  • 2020年11月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ5作目。百物語の夜、死者の祭、の2つの連作短編。裏表紙に書かれていた通りの急展開で、謎の紗絵さんは登場するわ、高槻と尚哉それぞれの秘密が…。緊迫感いっぱいのどーなるどーなる感で、どきどきものの話だったんですが、次ですね。次の話がどーなるかですね。このままこの調子で続くのか、はたまた、何事もなく、怪異民族学的相談話に戻るのかうーん。次巻が待ち遠しいです。

  • シリーズ5冊目。シリーズを通してのキーワード「異界」。今回は深町尚哉が子供の頃に迷い込んだ「異界」、不思議なお祭りのお話がメインです。
    前刊から話の方向が「こちら」側から「あちら」側に大きく振れてきた感じです。この先どちらのお話が主流になるのでしょうね。次巻も楽しみです。

  • 百物語はセガサターンでしかやったことがないのでうらやましい!
    そして、いよいよお祭りの現地調査に!キョワイ!

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著者プロフィール

神奈川県横浜市出身、在住。2016年に『憧れの作家は人間じゃありませんでした』で第2回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》を満場一致で受賞し、デビュー。同作はシリーズ化され1~3巻を数える。他の著作に「准教授・高槻彰良の推察」シリーズがある。キャラクター文芸界注目の作家。

「2021年 『准教授・高槻彰良の推察EX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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