この本を盗む者は

著者 :
  • KADOKAWA
2.92
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本棚登録 : 2798
レビュー : 245
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092699

作品紹介・あらすじ

「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。

「呪われて、読む。そして書く――私たちは!」
森見登美彦氏 推薦!


※電子書籍版には特典として、カバーイラストコンペ応募作品のイラストギャラリーを収録しています。

感想・レビュー・書評

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  • 本に関するお話だと思って読みましたが、期待値があまりに大きすぎて私はややはずれた感がありました。
    ファンタジーは苦手です。

    読長町という町に書物の蒐集家で評論家の御倉嘉一の膨大な書庫、御倉館があります。
    稀覯本200冊がそこの書架から消え失せてしまい、狐神により書物のひとつひとつには奇妙な魔術がかけられています。
    そこの孫である、あゆむとひるねの兄妹。
    あゆむの子供である深冬が主人公です。

    深冬は呪いがかけられ、本の世界に入り込み、犬耳の少女真白とともに、次から次へと違う本の世界に入って冒険をします。
    誰かが、本を一冊盗むたびに新しい本の中の世界に入っていきます。

    本の中の世界は現実では友だちでも現実とは違う役割を演じていますが、そういうあれこれを、私はファンタジーが苦手なので、本の中の世界はなじめませんでした。

    第五話の謎解きは、最後にたたみかけるようで、面白く、真白や、ひるね叔母さんの出生の秘密が特に面白かったです。

  • なかなか素敵な装丁だと思う。
    タイトルも良い。

    巨大な書庫「御倉館」から盗まれた稀覯本と泥棒を追って、本の世界を旅する本嫌いの高校生、深冬の物語。

    ファンタジーなので、好き嫌いがあるかと思う。
    「極上の現実逃避」ができるか否かは人によると思う。展開が目まぐるし過ぎて僕にはちょっと難しかった。

    御倉館は僕の頭の中ではところざわサクラタウンの角川武蔵野ミュージアムのイメージだった。描写は全然違うけど。

    ー 無性にすかすかする胸を埋められるのは、本しかなかった。

    冒険から戻ったあと、読書に耽る様になった深冬の心情を描いた記述。響いた。これって本好きな人なら皆共感できるんじゃないかな。

    • naonaonao16gさん
      たけさん

      なるほど~
      そうでしたか!

      わたしは「1979年のピンボール」(79年で合ってます?)が好きでした。
      今はもう春樹さん離れちゃ...
      たけさん

      なるほど~
      そうでしたか!

      わたしは「1979年のピンボール」(79年で合ってます?)が好きでした。
      今はもう春樹さん離れちゃったんですけどね…

      だいぶ作品とずれたコメントを失礼致しましたm(_ _)m
      2021/04/10
    • たけさん
      naonaonao16gさん

      どうも、1973年っぽいです(笑)

      僕も最近の春樹さんの長編はついていけないファンタジーだと感じてしまいま...
      naonaonao16gさん

      どうも、1973年っぽいです(笑)

      僕も最近の春樹さんの長編はついていけないファンタジーだと感じてしまいます。
      少し苦手です(笑)

      ファンタジーの話なので、ずれてないです。ご心配なく!
      2021/04/10
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      なんと(笑)お恥ずかしい(笑)
      79年はBUMPのメンバーの生まれ年、KinKiのお二人の生まれ年でした(笑)

      ありがとうござ...
      たけさん

      なんと(笑)お恥ずかしい(笑)
      79年はBUMPのメンバーの生まれ年、KinKiのお二人の生まれ年でした(笑)

      ありがとうございます!
      2021/04/10
  • 子供が読んでいたものを拝借。
    こってりファンタジーを読む気持ちを作らないまま、読破してしまい、戸惑ってます。

    読み終わってから、『ベルリンは晴れているか』『戦場のコックたち』と同じ作家さんであることに気付き、これまた戸惑う。作風が全然違う!

    さて、気持ちを整理して。


    高校生の深冬は、街で有名な本の蒐集家の家系に生まれますが、本好きではありません。

    ある日、家の書庫から本が盗まれるという事件が発生し、現場には、メッセージが残されています。

    それは、「この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる」というもの。

    そして本の呪いにより、深冬の住んでいる街は、本の世界へと変わってしまいます。街を元に戻すために、深冬は、本の世界を冒険することになります。


    読み終わって感じたのは、不思議な世界に連れてこられたのはわかったけど、この世界観はなんなのか?そして、この結末はどう解釈すれば良いのか?ということ。

    まず不思議な世界観は、ブックカースという呪いで、現実の街が本の世界に飲み込まれるという設定。そしてブックカースという魔術的=西洋的な呪いが、日本的なお稲荷様との、なにやらダークな契約を交わしているという和洋折衷感(契約というのも西洋的)。想像の世界とこの世をつなぐ、あの世の一歩手前の世界、「煉獄」(ファンタジーとホラーが絡み合っている)。そして人ならず者、ひるね、真白という謎の存在(この2人はモンスターというより座敷童子的な感じだけど、真白に関してはもののけ姫のサンのような、ネバーエンディングストーリーの犬みたいな龍のようだったりと‥)。

    この世界感を消化しきれないまま、後半戦は結末まで一気に読ませられます。

    そして結末は、どういうこと?ってなる。
    謎の存在、真白が結末に深くかかわってきますが、その存在をどう解釈するかにしばらくうなされました。

    (きっと真白は‥なんだと解釈)

    こんなことをうんうん考えさせられている時点で、すっかり本の呪いにかかっている気がしてきました。

    こんなにも自由な作家さんだったなんて。

  •  タイトルが示すとおり、「本をめぐる本」の系譜にある1冊です。

     本に関連する多種多様な店が立ち並び、全国から本の蒐集家が集う書店街を擁する町、読長町(よむながまち)。その真ん中に位置するのが、著名な書物の蒐集家にして評論家が建てた「御倉館(みくらかん)」。地下二階から地上二階までがすべて書庫(!)であり、かつては町の誰もが一度は訪れたほどの町の名所だったが、同じく蒐集家であった娘のたまきが引き継いだ後、その御倉館から約二百冊の書物が盗まれ、激昂したたまきにより御倉館は閉鎖されてしまう。
     やがて、たまきの孫にあたる深冬(みふゆ)が小学生のとき、祖母たまきが逝去すると、ある噂が流れるようになった。それはたまきが、厳重な警備だけでなく、町の神社で書物の神様として祀られている稲荷神に頼んで、御倉館の書物のひとつひとつに奇妙な魔術をかけたというもの。
     そして、深冬が高校生になった初夏。本が大嫌いで、御倉館のことも避けてきた深冬だったが、入院した父あゆむの代わりに、ひとり暮らす叔母のひるねの様子をみるために御倉館を訪れると、名前のごとく眠りこけているひるね。その手に一枚の御札を見つけ、つまみ上げてそこに書かれた文字――“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”――を読み上げると、どこから現れたのか、傍らには雪のように白い髪のあどけない少女が立っていた。驚き混乱する深冬に、少女は真白(ましろ)と名乗り、本が盗まれてしまったことで「呪い」が発動した、と告げるのだった。
     ――「信じて。深冬ちゃんは本を読まなければならない」

     現代を舞台に、現実主義的な女子高生を主人公に据えた、“ブック・カース(本の呪い)”なる超現実的な現象をめぐる冒険ファンタジー。2015年『戦場のコックたち』、2018年『ベルリンは晴れているか』と、歴史を下敷きに入念な調査の末に織り上げた重厚な作品を続けて発表したことで、ミステリファンだけでなく文学読みの人たちにも確実に認知と評価を高めてきた印象が強くあった中で発表された今作。著者ご自身も「運動神経で書いた」と述べているように、前2作とかなり趣が異なるのは確かだけれども、いやいやこれ、ものすごく愛おしくて豊穣な作品じゃないですか!
     マジック・リアリズムにハードボイルド、スチームパンク的SF冒険譚と、現実の読長町を呑み込み変貌させてしまう“ブック・カース(本の呪い)”を引き起こす、1話毎に風味の変わる作中作のバリエーションの豊かさ(目次でピンときた人も少なくないはず!)に頬が緩んでいくこと必至。
     初めは目の前の超常的な出来事が理解できず、「これだから本は嫌いなのに」と叫びながら真白に手を引かれるばかりの深冬が、けれどもだんだんと明らかになる本を盗んだ犯人とその理由の謎を自らの意志で追いはじめ、バディとなって疾走する深冬と真白の姿に心が躍ります。そしてその先で御倉館と盗まれた蔵書、そして真白の正体をめぐる真実に辿り着いた時に、胸を埋め尽くす懐かしさと切なさたるや。
     本が好きな人はもちろんのこと、深冬のように「本なんて嫌い」という人にこそおすすめしてみたい、著者の新たな代表作だと思います。

  • なんてこった。ファンタジが苦手な私なのに、まるっきりこの世界にはまり込んでしまったではないか。
    町の名前が読長町、ってもうそれだけで住みたくなるし。
    地下二階から地上二階まである巨大な書庫って、住みたい、そこに住みたい!!
    あぁ、うらやましすぎるその環境。なのにそこの娘は本が嫌いだときたもんだ。

    本嫌いの女子高生深冬が町を飲み込む物語の中に飛び込む冒険小説、ってこんな最高な設定ありますか!
    あぁ、楽しかった。あぁ、ホントに住みたい!御倉館に住んで読書とひるね、時々冒険に明け暮れたい!

  • 巨大な書庫「御蔵館」の管理人をする本が嫌いな高校生の深冬。本が盗まれたことにより起こる不思議な物語の世界へ飛び込むことになる。深冬が住んでいる町の人たちも巻き込んで起こる冒険小説。毎回色々な小説の中に入るので1冊で何度も物語が読める美味しさがあるということで本好きの方にはお得感があるだろうか。その設定は面白いな~と思いながら読んだけれど、何だか自分には跳ねるものが少なかった。たぶん登場人物にさほど魅力を感じなかったからかも。主人公も他に出てくる人物たちもさほど個性的には見えず、印象に残ることもなかったものでワクワク感が少なかった。これはきっと好みの問題なのだろう。ラストにかけてのミステリー的要素は面白かったし、色々な物語に入るという設定は良かったけれど全体的に何かが物足りなかった。

  • この本には呪術が掛かっているのではないかと思うくらい、少し読み進めるとすぐにウトウトとしてしまい、なかなか読み進めることができなかった。
    そんな状態で読んでいったので、話の展開が早くなかなか着いていけなかった。

  • 明らかになっていく構造がいいなぁ!
    本好きにはたまらない。
    一つ一つの情景描写がとても上手くて、脳内に鮮やかに描けた。
    少女二人が愛おしいこと!
    安易な和解エンドじゃなかったのも好き。

  • いろんなアニメやら海外映像やらの様々を作中から連想しているうちに読了しておりました。おかげさまで如何にも今どきな和洋折衷ファンタジーを楽しめましたけど、著者が色んな好きな作品をちりばめて作った物語ですかね?!(笑)
    作者自身が楽しみながら綴って行ったのではなかろうかと思えるような気がする楽しい著作でした。
    本を好きな人々にはもってこいみたいな物語ですね♪

  • ミステリーかと思っていたら、ミステリー要素はほとんどなく、ファンタジー要素たっぷりの不思議な話。
    森見さんの世界観に似ているのかなぁ?本を盗んだ犯人を捕まえるのだけど、情景があまりにも不思議過ぎて想像がなかなかついていかない。でも、読後感はフワフワ不思議な感覚。もう少し入り込めると楽しめたんだろうけど、私の想像力が足りなかった!

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著者プロフィール

1983年神奈川県生まれ。2010年、第7回ミステリーズ!新人賞にて短篇「オーブランの少女」が佳作入選、2013年に短篇集『オーブランの少女』が刊行されデビュー。その他の著書に、『戦場のコックたち』『分かれ道ノストラダムス』『ベルリンは晴れているか』『この本を盗む者は』がある。

「2021年 『Voyage 想像見聞録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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