- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041092743
作品紹介・あらすじ
幕府と朝廷の礼法を司る「高家」に生まれた吉良三郎義央は、名門吉良家の跡取りとして、見習いの役目を果たすべく父に付いて登城するようになった。だが、そんな吉良家に突如朝廷側からの訪問者が現れる。
感想・レビュー・書評
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金にまみれた吉良を、著者は、どう切るか……
密使 ― 高家表裏譚シリーズの2作目
2020.09発行。字の大きさは…小。
あとの赤穂浅野家四十七士に討たれた、高家旗本四千石の名門・吉良家の御曹司三郎義央(よしなか)の若き日の活躍の物語です。
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吉良三郎は、元服を済ませて上様(将軍)の拝謁を賜り、高家見習いとして江戸城に出仕をしています。そのころ京では、今上天皇が明日をも知れない体となっていました。帝は跡継ぎに、生まれて4ヶ月の弟宮の高貴宮織仁(あてのみやさとひと)を望まれるが、幕府が当歳の弟宮を天皇の位を継ぐ御子として認めるか。
関白二条光平(みつひら)、一条右大臣教輔(のりすけ)、九条中納言兼晴(かねはる)、近衛基煕(もとひろ、元服前で無位無官)で協議しますが……。そこで五摂家筆頭の近衛家の嗣子・近衛基煕7才が、秘かに江戸へ下向して昨年の除目で京に来た吉良左近衛少将義冬(吉良家の当主で、三郎の父)に幕府老中の意向を聞く事となる。
吉良に、昨年の昇爵(しょうしゃく)で煮え湯を飲まされた、萩三十万石毛利長門守綱広は、毛利家の忍び瀬木衆を使って、吉良家に近衛基煕が来ているのを知り、攫って来るように指示を出すが。三郎が、基煕を助けて、これに阻止する。この騒動で毛利家は、大騒動になるが、江戸家老福原が機転を利かせて時間を稼ぎ方策を講じようとするところで、今巻は終わります。
この結果、基煕は、三郎を信頼し今後の特別な付き合いを許します。これで江戸と朝廷との秘かな道が出来た事となり、吉良家にとっても近衛家にとっても良い事となります。
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【読後】
江戸時代、官位を金で買うことが、公然と行われていたことが読み取れます。ただ、その金について、貰って当たり前と考える吉良と、払う旗本、大名家の感覚が違っています。
まさに、たかりですね。ダニだ(笑)
いまも変わらず、金々ですが、ほんと嫌な時代です(笑)
上田秀人の本は、理屈ぽく、説明文が多いですが。
特に、このシリーズは、理屈をこねまわしている本です。
物語の中で近衛基煕7才が、用人と2人で江戸へ下向して吉良と話し合うくだりがありますが、7才の子供が……可能なのか? 疑問を覚えます。
2021.06.11読了
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※シリーズの感想と読了日
跡継 ― 高家表裏譚シリーズの1作目 2021.03.30読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4041092736#詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高家の悪者イメージが崩れるね。
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近衛基煕ってこの時7歳?
バケモンか⁉️