己惚れの記 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.40
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092798

作品紹介・あらすじ

「俺は見境をなくすほどに己惚れている」。侍の世も終わりに近づいた天保年間。たとえ愚か者と罵られようとも、己の信じた道を貫き通す男がいた。誰よりも武士らしくあろうとした男の、手に汗握る一代記!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中路啓太!
    なんとも興味の募る作家に出会ってしまいましたよ!

    この作品、すでに日本史でご存知のとおり、改革に失敗、老中の座を陥落した人。水野忠邦の改革の頃、その家臣でもある物集女蔵人が主人公。

    主君の志を叶えるべく奔走、しかし途中でその甥、水野主馬の陰謀で島送りになる。

    そこで出会ったヤクザ、源九郎と共に島抜けする。

    改革に至るまで、そして頓挫し勢力闘争。
    そんな中に再び身を投じる蔵人。
    だが蔵人も源九郎も主君、水野忠邦側、その政敵側双方から追われる。

    信じられるのは己の忠義の志。それは正しいと自惚れる武士の本懐。それを応援する妻。男、蔵人に惚れ込む商家の主人。

    不器用な生き様を己の本懐のために命を削る男の物語は壮絶ですざまじい。
    涙が何度も波のように繰り返し流れるのを我慢できない。


    この作家、今まで時代小説作家が踏み入れない分野にも、名作が多いようで、これはたまらない!

  • ややおもしろかった

  • 61

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

中路啓太
1968年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、「火ノ児の剣」で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、作家デビュー。2作目『裏切り涼山』で高い評価を受ける。綿密な取材と独自の解釈、そして骨太な作風から、正統派歴史時代小説の新しい担い手として注目を集めている。他の著書に『うつけの采配』『己惚れの記』『恥も外聞もなく売名す』など。

「2022年 『南洋のエレアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中路啓太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×