政略結婚 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 102
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092903

作品紹介・あらすじ

加賀藩主前田斉広の三女・勇は、加賀大聖寺藩主前田利之の次男・利極と結婚。新たな人間関係やしきたりに戸惑いながらも順応していく――。不思議な縁でつながる三人の女性を描いた壮大な大河ロマン!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸・大正・昭和の各時代を生きた3人の女性を主人公に「昔の」女の生き方をテーマにした作品だった。タイトルから想像するほどには、結婚が中心テーマではなく…。タイトルとの齟齬は感じつつも、内容は読みやすかった(作者はライトノベル出身なのだそう)。
    現代とは価値観の違う各時代を生きた女性たち。それぞれに波瀾万丈な人生を自分らしくしなやかに生きた姿がかっこいい。展開が都合が良すぎるか?と思わなくもないけど、それはそれで作品の醍醐味。きっと名もなき多くの女性たちが、過去に主人公たちと同じような境遇にあり生きていたんだろう。

  • 幸福な表紙絵の2人とタイトルから、親の決めた結婚相手と仲良く添い遂げるのだろうかと思ったが、そんな単純なことではなかった。江戸のころ作られた大皿が、明治、昭和と姫たちの行方を見守る3編。
    江戸の話では、時代なりの悲劇が次々と嫁の勇をおそい、いろいろありすぎて結婚相手である「てんさいの君」の存在感も薄れるほど。でも数多の不幸を前に、義母の「死なぬものは死なぬ」という言葉を胸に顔を上げて生き、役目を全うしようとする勇は凛々しい。あと着々と出世していく蕗野もいいな。
    二章のプリンセス、万里子は聡明で進歩的、でもお家のこともまだ考えざるを得ない時代に生きている。ただ"故郷"の小松藩のことを知ろうとすることが、義務感から仕方なくというふうではないのがいい。
    三章は金融恐慌で没落した家のプリンセス。母と娘の関係も描きつつ、職業女優として生きる白樺かの子の心情がこまやかに描かれていて読みごたえがあった。初めて薔薇を踏んだ日、菊を拾って歌った日、目に浮かぶような場面がいくつもあった。さすがは女優だなと言いたくなるような。
    ほんの100年少々の間に激変した価値観。幸せも自由も、時代によって意味が変わる。その荒波を乗り越えた女の物語、おもしろかった。

  • 時代ごとの恋愛を描いているが、時代が違えど女性の強さは一貫としていてとても素敵だと感じた。
    個人的には、てんさいの君がお気に入り。
    家族、人の繋がりってすごいなと思った。

  • 加賀大聖寺藩前田家(篤姫の時代)
    その縁戚の小松子爵家(明治中頃)
    その縁戚の深草伯爵家(昭和初期の華族制廃止まで)
    の婚姻をキーワードにした女性の人生が織りなされる。
    時代や生活の様子が細かに描かれていて、そういう時代だったのかと感嘆しながら読んだ。

  • 三つの時代で生きる女性たちの大河って感じだった。政略結婚というタイトルだけれど、実際は結婚というよりそれぞれの身の振り方がテーマかなと思った。
    近代にかけて生きるのしんどくなってて大変。主人子もどんどんパワフルな人になっていく。

    個人的に最初の話が一番好き。てんさいの君こと夫がすごく優しくてお茶目で良い。

  • 江戸、明治、大正を生きた女性のお話。華族という身分がもたらした宿命。女性の生き方も随分変化したんだな。それぞれの時代に使命があったんだ。
    一番好きなのはプリンセス・クタニのお話かな。

  • タイトルに結婚とあるけれど、どちらかというと女と家制度の話。2話目の洋被れのお嬢様が、なんだか「傲慢と偏見」のベスみたいで憎めなかった。

  • +++
    加賀藩主前田斉広の三女・勇は、加賀大聖寺藩主前田利之の次男・利極と結婚。やがて家を支える存在になる勇だが―(「てんさいの君」)。
    加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。日本で初めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオン・ガールになった女性は、文明開化後をどう生きるのか―(「プリンセス・クタニ」)。
    瀟洒豪壮な洋館に生まれ育った花音子の生活は、昭和恐慌によって激変。新宿のレビュー劇場に立つことになった花音子は一躍スターダムにのし上がるが―(「華族女優」)。
    不思議な縁でつながる、三つの時代を生き抜いた女性たち。聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らをドラマチックに描き出した、壮大な大河ロマン!
    +++

    江戸時代の加賀藩の姫君から始まり、明治大正、昭和と続く、系譜が、大きな流れとして大元にあり、そこにまつわる女性たちの生きざまが描かれている。時代ごとに常識や価値観も変化し、しあわせの形や、女たちの在りようも変わってくるが、彼女たちの芯にある強さは、時代が流れても変わらないという印象である。降りかかる運命に、打ちひしがれることなく、一歩でも前へ、と進んでいく姿は、置かれた状況が違っても、共通している。ストーリーは、タイトルから想像するのとはいささか異なってはいたが、どの時代の主人公も思わず応援したくなる物語である。それにしても、なんとも波乱万丈な一生を送られた女性たちだこと、と思わされる一冊ではある。

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著者プロフィール

『トッカン -特別国税徴収官-』『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』『政略結婚』等の一般文芸、『銃姫』シリーズ、『カーリー』シリーズのライトノベル、『インフェルノ』『魔界王子 devils and realist』等の漫画原作、舞台『メサイア』の原作・ストーリー構成等々、多方面で活躍し、今注目の小説家。

「2021年 『傀儡戦記(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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