アノニム (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.41
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本棚登録 : 1584
感想 : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041092941

作品紹介・あらすじ

ジャクソン・ポロック幻の傑作が香港でオークションにかけられることになり、美里は仲間とある計画に挑む。一方アーティスト志望の高校生・張英才のもとには謎の集団「アノニム」からコンタクトがあり!?

感想・レビュー・書評

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  • ルパンとかオーシャンズシリーズのような華麗で最新鋭な技術を使い、致している事は鼠小僧のようにあくまでアートのために。
    アート関係各界のトップクラスのメンバーからなるアノニムというチーム。そしてそのチームリーダーのジェットによるテンポの良いストーリーで、サクサク読み終えました。
    原田マハさんのアートについての作品が好きで、今回も楽しませて頂きましたが、欲を言うとポロックについての深掘りも見たかったかなぁと。いつも沢山の画家と作品が出てきて、(全く無知故に)ネットで調べながら、こんな作品なんだ〜!って思いながら読むのも楽しみで。
    また、メンバーそれぞれの事情ももう少し知りたかった!頁数が少ない!って思うくらい面白かったんですけどね。英才君のその後とかね。

    ジェットが素敵でした♡

  • 原田マハ『アノニム』角川文庫。

    登場人物のイラスト漫画が掲載されている時点で少し嫌な予感がした。本作で初めて、信頼していた原田マハに裏切られるのか……

    これまでの原田マハ作品は1つのテーマを冒頭からゆっくりとじっくり丁寧に描いていたように思うのだが、本作はエンタメ性が強く、これまでに読んだ原田マハ作品を全否定するかのような作品だった。しかし、さすがは原田マハ。アートに関連する知識がふんだんに盛り込まれ、ストーリーは面白い。残念なのは、ラストが『暗幕のゲルニカ』と同じパターンであったこと。『暗幕のゲルニカ』を読んでいなかったら、かなりの爽快感を味わえたと思う。

    盗難された美術品を人知れず盗み出し、持ち主の元に返す謎の窃盗団『アノニム』。IT長者のジェットが率いる『アノニム』のメンバーたちは香港のオークションに出品されるジャクソン・ポロック幻の傑作『ナンバー・ゼロ』をある人物に史上最高価格で落札させ、それをある人物の手元に届く前に贋作にすり替えることを目論むが……

    本体価格680円
    ★★★★

  • 世界を股にかけ暗躍する美術品窃盗団アノニムが、香港で開催される現代美術のオークションで狙ったのが、ジャクソン・ポロックの作品、"ナンバー・ゼロ"。
    そして、アーティストを夢見る香港の高校生、張英才にアートで世界を変えられると信じさせ、ナンバー・ゼロのコピー作品を描かせて、オークションで落札した本物とすり替える。

    巨額の富が動くアートの世界の裏側を描きつつ、香港の決起集会に参加する高校生の思いを描いたストーリーは、スリリングでありながら、微笑ましい場面もあり、すっかり引き込まれてしまった。

    やはり、原田マハさんの作品は面白い。

  • 香港で行われるオークション。その目玉出品は「アクション・ペインティング」の旗手ジャクソン・ポロックの幻の作品 "ナンバー・ゼロ"。オークションを舞台に、狂気のコレクター〈ゼウス〉と、とても盗まれた名画を元に戻す謎のアート窃盗団〈アノニム〉の戦い。そしてアノニムは、アーティストを目指す香港の高校生、張英才の才能を見出だし、肩入れする。

    まるでコミックのような軽い作品。ラノベなのかな? 著者の他の作品とは明らかに違う作風だった。

  • 面白かった。アート版のオーシャンズ・イレブンと言った感じ。

    表題のアノニムとは、謎の芸術集団のこと。芸術と言っても、画家はいない。建築家やオークションのネゴシエーターや、それから美術のコレクターなど。各分野の一流の人間が集まって構成された組織。

    彼らは裏のやり方で盗品を取り返す、などと言ったいわゆる義賊的な活動を行ってきた。

    そんなアノニムが次に目をつけたのがジャクソン・ポロックの「ナンバーゼロ」。ナンバーゼロのオークションへの出品を巡って、アノニムが暗躍する。

    一方で、オークションの舞台が香港であることにも意味がある。本作では、香港の学生運動をテーマの1つとして扱う。

    学生運動にあまり興味のなかった少年が、アノニムの筋書きによって、アートを通じて運動の中心に関わっていく。

    という複線的なストーリー。アートと政治を絡めて、それでいて娯楽小説として仕上がっている。原田マハらしい一作。

    惜しむらくは物語の薄さかもしれない。欲を言えば、もっと長編でもよかった。それに、表紙とタイトルの印象から勝手に大人っぽい物語を想像していた。けれど角川文庫だし、ターゲット層は若年層に設定されているのかもしれない。まぁそこはしょうがないかな。

    (書評ブログもよろしくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2021/04/25/%E3%80%90%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E7%89%88%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%80%91%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%8B%E3%83%A0_-_

  • 初、原田マハ。
    登場人物と横文字が多く挫折しそうになることもあった。
    だが、あらすじの面白さと是非本棚に飾りたいと思い読了。
    読む人によって評価はそれぞれだが、私は最後に良かったと思えた作品でした。

  • 原田マハさんのアートをテーマにした小説(2017年6月単行本、2020年7月文庫本)。今回はアメリカ現代美術の天才アーティスト、ジャクソン・ポロックの作品「ナンバー・ゼロ」を巡る物語で、香港を舞台にした数百億円の攻防のオークションの始まる前から終了までの間の表の息詰まる駆け引きと裏の本当の目的、そして香港の若者の熱い闘いが同時に描かれる。
    物語は盗難にあった美術品を修復して持ち主に返す活動をしている8人の義賊窃盗団「アノニム」が、「ナンバー・ゼロ」をホテル王の悪徳冷血コレクターにオークション史上最高価格で落札させた上で奪うという手のこった物語。しかもこのミッションの本当の目的は冷血な悪徳コレクターへの制裁でもなければ、希少な美術品の獲得でもない。これからの若者にアートの可能性、勇気や希望を確信させ、世界を変え、世界を豊かにする力があることを植え付けることだった…と結末にちょっと共感できなかったのは私の未熟なせいだろうか…。
    ボスは世界有数のアートコレクターで大金持ちのIT長者の台湾人(通称ジェット)。メンバーは香港の巨大美術館のメインアーキテクトで建築家の日本人女性(通称ミリ)、絨毯店経営者で世界的な美術史家のトルコ人(通称エポック)、ニューヨークでギャラリーを経営するイタリア人女性(通称ヤミー)、ラグジュアリーブランドのオーナーでファインアートのコレクターのフランス人(通称オブリージュ)、世界屈指の美術品修復家のイギリス人女性(通称ネバネス)、天才エンジニアで億万長者のメンバー最年少インド系アメリカ人(通称オーサム)、そしてオークション会社の花形オークショニア(通称ネゴ)。とアニコムのメンバーがアート業界の表と裏のスーパープレイヤーを揃えて凄い。このメンバーを見ただけでこれから何が起こるのかワクワクする。
    舞台が香港というのがまたいい。20年以上前の香港映画「恋する惑星」の描写が 文中で出てきて、思わず昔観たDVDを引っ張り出してきて懐かしく観てしまった。今正に世界が注目する激動の香港、自由と民主主義が奪われようとしている香港。政治も世論も群衆の力も世界のメディアも止められない自由と民主主義の危機をアートはその流れを変えることが出来るのか。マハさんは凄い問題提起をしてしまった。
    単純にこの凄いメンバーが活躍する、多彩なアートを教えてくれるような物語をもっと見てみたい気がする。
    「アノニム」のシリーズ化を期待しているが、今作の続編にすると簡単ではなさそうな感じ…。でも期待したい。

  • 主要人物の紹介が漫画仕立てになっていたので、読んでいても何となく漫画チックに感じてしまった。
    読みやすく面白いが、結末が予想通りでもう少し捻りが欲しかったと思う。
    現在の香港の実情を憂うとギャップがあって気分が落ち込んでしまう。
    ただ美術関連についてはズブの素人であるので、知識としての吸収がある事はこの作家のこの手の作品の魅力だ。

  • 孫さんレベルかそれ以上の桁違いの大金持ちと桁違いの天才がいっぱい出てくる小説、ルパン3世とかキャッツアイの香りが。
    ワクワク読めました。

  • 国立西洋美術館の帰りに上野駅で購入した。ジャクソン・ポロックを見た後だったのでワクワクしながら読み進めた。

    義賊・アノニム。ルパンや鼠小僧など、昔からよくあるテーマで、疾走感もあり、作者らしい芸術的知識も詰まった作品であるが、それでも他の作品ほどの面白さは感じられなかった。

    社会的に犯罪(悪)とされている手段を倫理的に正当化して芸術を救うという行為が芸術を愛する人の取る手段なのかということに疑問を抱いてしまい、ずっとモヤモヤが残ってしまった。
    (ファンタジーを楽しめない私が悪いのだろうが…)

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著者プロフィール

原田マハ小説家。1962年東京生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞などを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『風神雷神』など多数。ヤマザキマリ東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞 受賞、手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

「2022年 『妄想美術館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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