雪割草 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041093009

作品紹介・あらすじ

出生の秘密のせいで嫁ぐ日の直前に破談になった有爲子は、長野県諏訪から単身上京する。戦時下に探偵小説を書くことを禁じられた横溝正史が新聞連載を続けた作品がよみがえる。著者唯一の大河家族小説!

感想・レビュー・書評

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    「雪割草」 横溝 正史[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000324/

  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」で知ったこの作品(^^)ちょうど文庫化されるタイミングだったので購入♪新潟の新聞に掲載されていたという事は毎晩寝る前に一話一話読むのに最適!と思っていたけれど、二、三話いくことも(^^;)もうヒロインの有爲子の事が気になって気になって…(>_<)

  • 先の大戦中に書かれ新潟の新聞に掲載された以外、書籍化されずに2006年に原稿が発見された。金田一耕助以前の作品らしく、探偵も出てこない女性を主人公にした通俗小説とされる。舞台は上諏訪、主人公の緒方有爲子と後に結婚する日本画家の賀川仁吾の波乱万丈の話。芯が通っているようでか弱さが見える有爲子、ちょっと弱気で優柔不断に感じる仁吾。仁吾の師匠の五味楓香夫妻やその娘の美奈子との壊れそうになる人間関係の中、最後には大団円の結末。楓香が謝罪に来た仁吾に諭す台詞(P372)に楓香の悔しい思いに涙出そうだった。

  •  ビブリアで知って気になっていた本書。推理小説ではないが、先が気になって一気に読めた。序盤から婚約破棄された有為子の波瀾万丈の物語。次から次へと苦難の連続で有為子が不憫になるが、最後は気持ち良い大団円で終わってホッとする。戦時中に新聞連載されていたらしく、世相等を反映して展開を変更されているのに違和感もなく、さすがプロと唸らせられる。梨江夫人の変貌ぶりが物凄く、本当に同一人物かと疑うほど。
     横溝正史ストップしていたが、やはり面白いので金田一や由利麟太郎シリーズ追いかけねば。

  • 『ビブリア古書堂』に登場して、興味を持って読んだ一冊。
    横溝正史の幻の作品。金田一は、出てこない。タイトルの通り、長い苦悩の冬を越え、雪を割って幸せが出てくる話。

  • こうなったらいいな、もしかしてこの2人は、と、読みながら沸き起こる疑問が、見事に予想通りの展開になるから、読んでいてストレスが少なかったです。もちろん、やきもきするような仕掛けもたくさんあって、久しぶりに読書の醍醐味を感じました。
    登場人物みんなが魅力的。特に仁吾さんの描写はまるで金田一さんそのものなのに、全く違う人物で思わずニヤニヤしてしまった。
    木の実さんと山崎先生の仲がどうなるかも楽しみ。
    楓香先生の秘密はきっと……

    仁吾の魅力が途中で少し霞んだように感じるのは、思い入れ過剰だったかな?ういこちゃんに感情移入しすぎてしまったかも。
    横溝先生の鬼気迫る、書くことへのエネルギーたるや。そして苦悩の大きさはこれ程までに人の輝きを曇らせるのだと気づき切なくなる。

    りえこ夫人がどうなるか気掛かりでしたが、読み進むにつれ、人は成長し変化すると言う、作者の温かな眼差しを感じました。


    読後、希望と言う芽吹きが感じられて、清々しい気持ちになれました。読んで良かったです

  • 嫁ぐ日の直前に、自らの出生の秘密が明らかになり、破談になった有爲子。
    育ての親を失った彼女は、本当の父を探すため、長野県諏訪から単身上京します。
    波乱の生涯の始まりです。
    探偵小説を書くことを禁じられた戦時下に、横溝正史が新聞連載を続けた作品です。
    その存在は知られていましたが、長い間発見されなかった本作が、80年を経てよみがえりました。
    著者唯一の大河家族小説です。
    横溝正史の作品はほとんど読んでいますが、この作品は知りませんでした。
    推理小説とは違った味わいがあり、楽しめました。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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