新・映画道楽 ちょい町哀歌 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 19
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041093177

作品紹介・あらすじ

映画を作る人間も、最初は観客だった。本書では60年~70年代、激動の時代の邦画体験を中心に、作品と映画人の魅力について紐解いていく。憧れの人・大楠道代との対談や、女優・樹木希林編を新規収録!

感想・レビュー・書評

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  • キネマ旬報に鈴木敏夫さんが連載されていたものプラス縁があった樹木希林さんとのエピソードと、鈴木さんが子供の頃からずっと好きで憧れの女優さんである大楠道代さんとの映画祭でのトークショーが収録されたものがまとまっているのがこの本です。

    鈴木さんというより、樹木希林さんと大楠道代さんに興味があるので、ちょっと前に買って積読してたんですけど、今朝、なんとなく読みだしたら止まらなくなり、私にしては珍しく先ほど読了。

    鈴木さんの大楠道代さん愛がすごい。ちょっと引くくらい愛がすごい。
    でも、私は無理かもしれないけど、無理だろうけど、大楠さんみたいなカッコイイおばあさんになるのが目標なんで、好きなのは同じ。思いは全然違うかもしれないけど、“好き”は同じ。鈴木さんの大楠さんへの目線にはある意味私と同志みたいなものを感じました。うまく言えてないな…。


    鈴木さんが川島雄三のことを書いてるところで、「良いなー。」
    と思ったのが、こんなところ。↓
    “俯瞰でものを見るという、上から目線がないんです。常に地べたから人間を描いている。そこに映し出される人間というのは、多くの人から見たら小さなことに思えるかもしれないけれど、その当事者からすればとても大きなことを、川島監督は丁寧に描いた人だと思います。だから川島映画に出てくる人間は、その人間たちが持っている逞しさや弱さ、どうしようもない矛盾といったことをどれも否定せずに、温かい目を注いで描いている。とても誠実な人だったと思いますね。”

    ↑だから私は、後日、『暖簾』をレンタルで観る予定。
     本当は『洲崎パラダイス赤信号』が観たいけど、レンタルにないので、『暖簾』。


    「お前の就職先が二つある。石原プロに入るか、石原慎太郎の秘書になるか選べ」という鈴木さんの親戚の方との謎の縁もあり、(←詳しくは本で読んで下さい。勿論どちらも断ったからこそ、今の鈴木さんがいる。)お好きだという渡哲也さんの章も印象に残りました。

    ↑だから私は、後日、鈴木清順さんの『東京流れ者』をレンタルで観る予定。


    森﨑東さんの章も印象に残った。↓
    “森﨑さんほどの映画でも庶民の側から描いて、なおかつ地面からものを見る。その強さに僕は憧れました。この人は京都大学出身ですが、インテリ臭さが薄いんです。例えば同じ京都大学出身でも大島渚さんは、もっと客観的にものを見ていますよね。東京大学出身の山田洋次さんは、寅さんをこんな面白い奴がいるという風に描く。しかし同じ松竹にいて、森﨑さんにはそれが出来ない。監督が主人公に感情移入する映画を作ってしまう。「女」シリーズを観ているとね、ここに出てくる女性たちは庶民でもなくて、そこからはじき出されたストリッパーとか、根無し草の人ばかりなんです。彼女たちは自分が生きていくためには何でもやる。そのバイタリティが魅力的なんです。”
    ↑こんなん言われたらさ、もう好きでしかないやん。だから私は数年ぶりに、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』がまた観たくなったけど、レンタルから撤去されてるらしく、淋しい。悔しい。悲しい。

    そんなわけで、昔の樹木希林さんが出演されている中で、鈴木さんが印象に残っているらしい篠田正浩監督の『はなれ瞽女おりん』を後日レンタルで観る予定。



    鈴木さんがこの本で推薦してる映画の中では、大楠さんが出てる『第二の性』と武さんの『座頭市』(←武さんの座頭市は、大楠さんがタップのところに出る予定はなかったそうですが、「タップしなきゃ、武さんの座頭市に出る意味がない。」と大楠さんが自ら仰ったらしい。カッコイイな。好きだな。そういうとこ。。)と樹木さんの『人生フルーツ』も気になりますが。またいつか。特に増村の『第二の性』は新しい仕事が始まる今は観るべきではない気がするので…またいつか。。



    森﨑東さんのとこで、京大卒だけどインテリ臭さが薄い。。と鈴木さんが仰ってるのを読みましたけど、実はこんなことが。。

    この『新・映画道楽』を読んでいたら、昔の日本映画を観たい欲が高まってきて、京都文化博物館のフィルムシアターあたりで何かやってないかしらん。。と思って調べてみたら、秋の終わりに京まちなか映画祭というものがあるらしく。
    そこで、大好きな『鴛鴦歌合戦』が観られる!しかも、いしいしんじさん推薦で。。
    いしいさんが書かれてる推薦文が正に鴛鴦歌合戦そのもので。愉快で。何度でも読んでしまう素敵な文章で。
    私もこんな風にことばを使えたら、書けたら良いなーと憧れます。
    “京大卒のインテリ臭さ”がナイとこも、好き。いしいさん。
    是非とも下記リンクの『鴛鴦歌合戦』のいしいさんの文章、読んでみてくださいね。
    http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/


    今日は良い読書をし、古い日本映画を鈴木さん目線で新しく出会えたのが嬉しく、最終的には好きな映画にまでつながったという良い一日でした。



    もうすぐ東京国際映画祭ですか。

    十二年前、卒業研究で“映画祭と映画監督の関わり方”をテーマに「本」を作った時、レッドカーペットならぬグリーンカーペットに撮影に行ったことが昨日のことみたいだけど、昨日じゃない。
    (↑ミーハー的な感覚でなく、グラビアページみたいなのを作りたくて。雑誌みたいな紙で作れなかったから、しょぼい紙だから紙の質はいまいちなんだけど。金城武さんとかいるし。女優さん、俳優さん系は全員映ってるかな。卒研はもう本当にしんどくて楽しかったな。なんか、今回の鈴木さんのこの文庫読んでたら、あの日本映画のことを毎週図書館通って調べて、テーマに関係してる古い映画も新しい映画もいっぱい観て、書いて、書いて、映画祭も行って、カーペットも撮影して、映画祭でも映画観て、最後の追い込み作業の時はお昼食べずに1か月毎日9時間パソコン向かって、デザインして。そんな生活してたら痩せて、今より、10キロは痩せてて。最後のほうはふらふらで、でもそれが幸せだった。あの日々をなんか思い出せて嬉しかったな。)
    十二年前の東京国際映画祭のカーペットの日は、何人もの俳優さん女優さんを観た。有名人だらけでもう混乱した。好きな人いなくても混乱した。三時間半場所取りも含めて立ちっぱなしでも辛くなかった。若かった。今は、今の体じゃ無理だな。やっぱり昨日じゃないんだな。
    今日の楽しかったことは今日でしかないんだな。

    私の撮影した卒研のカーペットのページの写真にマキノ雅彦(津川雅彦)さんがいらっしゃるんです。旭山動物園の映画のやつで歩いてはった。

    津川雅彦を観たことなんて忘れ、マキノ正博の映画を好きになってた十二年後の私。
    この秋は東京じゃなく京都でマキノ雅彦さんのおじさんの映画を映画祭でスクリーンで観るよ。だから新しい短期の仕事がんばるよ。コロナにも負けないよ。


    十二年前のあの日のカーペットは麻生太郎さんも「サプライズ」で歩いてた。卒研に写真入れてる。。無知の塊。
    今年は菅さん、歩かれるんですかね。サプライズで。今の私なら、麻生さんでも菅さんでも入れないかな。

    これが、十二年後の私。

  • 映画を作る人間も、最初は観客だった。本書では60年~70年代、激動の時代の邦画体験を中心に、作品と映画人の魅力について紐解いていく。憧れの人・大楠道代との対談や、女優・樹木希林編を新規収録!

    若い頃の樹木希林が出演していた映画、殿方御用心。観てみたい。

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著者プロフィール

1948年、愛知県生まれ。スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店に入社。「アニメージュ」編集長などを経て、スタジオジブリに移籍、映画プロデューサーとなる。映画「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」など大ヒット作多数。著書に、『映画道楽』『仕事道楽 スタジオジブリの現場』『風に吹かれて』『人生は単なる空騒ぎ-言葉の魔法-』など。

「2020年 『ジブリの鈴木さんに聞いた仕事の名言。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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