作品紹介・あらすじ
連合王国軍の強襲を乗り切り、フランソワ共和国首都に進軍する第二〇三大隊。あまりに脆弱な共和国軍の抵抗の様子から、前世におけるダンケルクは起こりえないだろうと高を括るターニャであったが…?
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
アニメ1期及び劇場版視聴済。
分岐点。
共和国首都陥落、箱舟作戦発動。ダンケルクへ思い至ったターニャが共和国の反抗勢力打倒を画策するも、ターニャの思考を読み切れない中央参謀本部より停戦命令が下される。
凄まじく面白かったが、苦しい巻でした。
◆終わりの始まり
あまり歴史に詳しくはないが、史実的にはこのあたりが頂点だったというイメージです。
本巻は冒頭からカラーで始まる巻で、その最後では「白銀」を思わせる美しくも(本作的には)不穏な御伽噺が描かれています。
本巻までの展開で考えると、この御伽噺のようには「お星さま」にならなかったと言えますが、以降の史実を思えば、やはり不穏な暗示のように感じてしまいます。
そして本巻の最後には、さらに不穏な一文が。
まさに帝国の終わりの始まりを思わせます。
とはいえ、史実と重なるところはありますが、それでも史実と異なる面も多くあり、(ターニャ視点だからか)帝国の「倒されるべき悪」感は積み上がっていない印象。
そろそろこの立場の国が悪堕ちせずに勝つ物語が、大手を振って出てきてもいい時代のような気もしますが、どうなんでしょうね。
◆停戦命令
これまでターニャとそれ以外の人の間にあったすれ違い、勘違いが、最悪の形で表出した感じでしょうか。
ターニャは愛国心溢れる勇猛果敢な軍人じゃないし、このところ積み上がっていたヴィーシャとの強い関係性もまた、ゼートゥーアの誤算だったのかな。
最終的にターニャは作戦中止を決定しますが、この一連の行動は、上官にも部下にも、ターニャへの印象に大きな影響を与えるはず。
アニメではそのあたりあまり焦点が当たっていなかったように思うので、どうなっていくか楽しみです。
少なくともゼートゥーアやレルゲンは、これまで以上にターニャの存在を無視できなくなるはずと思いますが、個人的には部下からどう見られるかが気になるところです。
-
-
戦記物アンド転生物でいつも楽しみ。ただしそろそろハラハラ展開かなと思うから、次巻読むの怖いです。
絵が沢山書き込まれてるの見るのも好き。
-
東條チカの作品