仙文閣の稀書目録 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094044

作品紹介・あらすじ

巨大書庫・仙文閣(せんぶんかく)。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。
帝国・春(しゅん)の少女、文杏(ぶんきょう)は、一冊の本をそこに届けるべく必死だった。
危険思想の持主として粛清された恩師が遺した、唯一の書物。
けれど仙文閣の典書(司書)だという黒髪碧眼の青年・徐麗考(じょれいこう)に、
蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではないと言われ、
心配のあまり仙文閣に住み込むことに……。

少女小説の手練、三川みりが贈る、
命がけで本を護る少女と天才司書青年の新感覚中華ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • 【キャラホラ通信4月号】『仙文閣の稀書目録』刊行記念 三川みりインタビュー | カドブン
    https://kadobun.jp/serialstory/chpress/3lz6nbijkvi8.html

    「仙文閣の稀書目録」 三川 みり[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000187/

  • 古に書仙が作ったとされる、どんな本も守り抜くという仙文閣。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。
    命がけで本を護る少女と、天才司書の中華風ファンタジー。

    本好きからすると、仙文閣なる場所には強く興味をひかれるし、この中華風な世界観も大好き。

    大事な本が世界に残り続けるとはどういうことか、について考えさせられました。
    図書館の司書さんを私はとても尊敬しているし、図書館なる場所も大好きだけど、それはたくさんの蔵書がきちんと大事に管理されているからなんですよね。
    分類もされ、読みたい本が探せるようになっている。
    分類もなく乱雑に置かれていたら、必要な情報にたどり着けなかったら、それはとても残念なこと。
    本は、必要とする人の手に届いてこそ意味を持つと思うんですよね。

    一番心の響いたのは、翆蘭のエピソードでした。

  • 一気に読了。

  • 続きが出ていないことに驚く。すごく面白かった……!
    最後の最後にようやく舞台が明らかになって世界が広がって、ここを舞台に成長していく主人公の話もまた読みたいなあと思う。ので続き希望。

  •  ライトな作風のビブリオファンタジーな少女小説。
     中世の中国王朝を模した架空の世界観に基づき、書物を愛する天涯孤独のヒロインと、国家をも凌駕する巨大書庫の司書を務める青年との、試練と交流を描いている。
     主人公の少女は、朝廷に粛清された恩師の遺した本を、焚書から守るために奔走する。
     独立組織の巨大書庫に本を納めるべく、長旅の果てに辿り着いた先で、司書の青年に助けられながら試行錯誤し、彼女なりに『本を遺す』ことの真実を探り当てる成長物語でもある。
     登場人物は多くないが、舞台設定や小道具の名称などは、かなり精緻に作り込まれているのが特徴。
     ただ、現代社会との説明の置き換えに、筆致の労力が割かれ過ぎるあまり、人物と風景の描写の比率が若干不均衡にも見える。
     また、文明の成熟度と思想の発達との兼ね合い、人物たちの民族としての背景や相関関係などが、“なんとなく”の感覚で読み流されてしまうため、厳しく評するなら『なんちゃってファンタジー』の域を出ていない。
     しかしながら、主人公の思考と成長を通じて、『本を守る』ことの意味と意義に深く踏み込み、一定の結論を出してまとめ上げた構成は評価に値すると言える。

  • 一生懸命なヒロインは大好き。それにしても裏切り者の正体はショック。他にいないんだけどさ、好きなキャラだったのに普通に人でなしでがっかり。

  • この著者の他の本も読んだが、多分こういう話を一番書きたいというか、著者の好みなんだろうなーと感じた。
    建物とか言葉とか世界観など、随所にこだわりというかフェチを感じる笑

    本を守る人たちの戦い。
    これは中華風だけど、もし和風(江戸時代とか?)や西洋の国ならどんな組織や書庫になるんだろうとか、色々考えてしまう。
    他の国のパターンでも読んでみたいから、三川さん書いてくれないかな〜

    ひとつだけ気になったのは、表紙のイラスト。
    麗考の瞳の色は話の中でとても重要なのに、関係のない文杏の瞳を赤にしたら世界観が混乱するので、普通に黒かこげ茶くらいにして欲しかった。


    追記
    この話を思い出そうとすると、風景や風や日差しをそこにいたみたいに感じる。
    作者が大切にしている世界だとよくわかった。

  • 本を守りたい主人公のまっすぐなところが好ましい。そして周りの人からの支えがあって己が立っていると自覚した時の主人公の心情描写に感動した。
    麗考も良い奴。2人の関係が好き。
    本好きなのでこういう本を守る話に心が擽られた。
    ただ白雨が裏切ってるだろうなーというところは予想出来てしまったのがちょっと残念。白雨のちょっと狂ってる感じも萌えポイント←

  • 「本が永遠に残るわけではない」
    作中で文杏が答えを見出す問いだが、読みながら自分もどういう意味なのだろうとずっと考えていた。
    電子媒体に比べて紙の方が保存期間は長いと言われるが、物理的に消滅してしまうことはあるだろう。
    例えば、これも作中にあった焚書のように。
    あるいは不注意によるもの、事故によるもの。
    可能性だけなら、いくらでも提示できる。

    ただ場所が場所だけに、そのような可能性が限定されてしまう。
    舞台は仙文閣。
    あらゆる書物が大切に保管されている書庫。
    本を大事に思う者たちが管理している場所。
    そしてそこはそもそも神仙が作った場所でもある。
    恐らく世界で一番書物を大事にしている場所で、それでも「本が永遠に残るわけではない」と、よりによって仙文閣の人間が言うのかと。
    そういう間違いが起きないために、あなた方がいるのではないのかと。
    今にして思うと、文杏と同じく、視野狭窄に陥っていたと恥入るばかり。

    本に限らず「存在しているのに存在していない」物は、それこそ身の回りにも溢れているだろう。
    また、その価値が分からない者にとっては、例え目の前にあってもないのと同意であることも。
    ならば、それを大事に思う者が取る行動とは。
    「永遠に残す」ためにできることとは。
    その一つの例が、答えが、この物語の中にある。

    師の残した書物を守り通そうと奮闘する少女と、仙文閣で目録を整えようとしている青年の不器用な交流を
    通して、実に様々なことを考えさせられたし、教えていただいたと思う。
    体は滅びても言葉は残る。
    それを残そうという意志が受け継がれる限り。
    きっとそれは前述通り、本だけとは限らない。
    様々なもの、ことに共通する大切な「もの」が、この物語の中では確かなものとして息づいている。
    本好きにはたまらない巨大書庫という魅力的な世界観を堪能しつつ、その大切な「もの」に気づかせてくれるという、本当に魅力的な物語だった。

  • 予想より面白かったな。周さんとか気になるキャラは居るし、白雨のざまぁ展開も見たいし、これで終わりじゃないよね?続くよね?

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著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。温かく優しい読後感が持ち味で、登場人物の繊細な心理描写も高く評価されている。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、『ここは神楽坂西洋館』『仙文閣の稀書目録』などがある。

「2021年 『転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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