ほたる茶屋 千成屋お吟

著者 :
  • KADOKAWA
3.05
  • (1)
  • (3)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 71
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094051

作品紹介・あらすじ

「あの子を救ってください……」

日本橋で御府内のよろず相談を引き受ける『千成屋』の女将・お吟は、会津からやって来た客を伴い『ほたる茶屋』にやってきた。お吟が神田川の水際の蛍に視線を走らせていると、茶屋の女将のおふさと幸助と呼ばれる店の若い衆の声が聞こえてきた。幸助が突然店を辞めさせてくれというのだ。おふさは、前科者だった幸助を店に受け入れ、家族のように接してきたという。店を出た幸助は何か事件に巻き込まれ、再び悪の道に戻ろうとしているのか。おふさの切なる願いを聞いたお吟は、幸助を助けるために奔走する。(「ほたる茶屋」より)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やわらかく、心が揺れていく…。
    ほたる茶屋 ー 千成屋お吟シリーズの1作目
    2020.06発行。字の大きさは…小。2022.05.20~22読了。★★★☆☆
    十三夜、ほたる茶屋、雪の朝、海霧、の短編四話。
    よろず相談事を受ける千成屋お吟の活躍の物語です。

    元北町奉行所同心の青山平右衛門が現役の時に、青山より十手を預かっていたお吟の父親丹兵衛とその手下の千次郎、與之助が丹兵衛が亡くなった後。お吟は、千次郎と與之助を手代として千成屋を開業し相談事を受けることを生業とします。
    四話の中で、特に、夫に不倫を疑われた妻が家を出て、お吟の世話で夫と江戸で18年ぶりに再会する「ほたる茶屋」が、一番印象に残りました。途中で涙が出てきました。

    【読後】
    藤沢緋沙子さんの本は、やわらかく、人情味豊かで、無駄な文章がなく、展開も早く、毎回読むのを楽しみにしています。

    【第3回目コロナウイルス接種】
    一昨日(5月20日)の第3回目コロナウイルス接種のせいか。昨日、寝る前の体温が34.31℃(平熱36.2℃より2℃低い)、起きた時の体温が37.32℃でした。そして昨日の昼に38.15℃まで上がり、その後下がって来ましたが36.76℃で、ここ6時間ほどとどまっています。途中から喉が少し痛くなってきました。もしかしたら少し風邪気味かと思っています。少し前に葛根湯を飲みました。昨日から寝たり起きたりです。起きては、汗を掻いている、肌着を着替えています。そしてやっと22日の昼に体温が平熱に下がりました。

    • やまさん
      なおなおさん♪こんばんは(^-^)
      ご心配をおかけしました。
      きょうの散歩で、やっと普通に近い速度で歩くことができました。
      ほぼ体調は...
      なおなおさん♪こんばんは(^-^)
      ご心配をおかけしました。
      きょうの散歩で、やっと普通に近い速度で歩くことができました。
      ほぼ体調は回復しました。
      ありがとうございます(*^_^*)
      2022/05/26
    • なおなおさん
      やまさん、体調は回復されたとのこと。
      良かったです(^_^)
      やまさん、体調は回復されたとのこと。
      良かったです(^_^)
      2022/05/26
    • やまさん
      なおなおさん♪お気遣い頂き、
      ありがとうございます(*^_^*)
      なおなおさん♪お気遣い頂き、
      ありがとうございます(*^_^*)
      2022/05/27
  • 女性時代小説は、出だしから、日本語の素晴らしさを感じさせる。
    今 猛暑の夏だが、この本は、お江戸の紅葉狩りから物語が、始まる。
    東叡山寛永寺、谷中の天王寺、根津の権現と、・・・・
    品川の海晏寺(かんあんじ)の境内の紅葉を「錦繍」と。
    こんな言葉を何気なく文中に描いていて、本当に、綺麗な紅葉を感じさせる。

    関西は、赤色のモミジが主で、関東は、黄色の銀杏が主とか・・・聞いた覚えがある。

    小説から、話は逸れてしまったが、4話からなる。
    平岩弓枝氏の御宿かわせみのシリーズを彷彿させるような 感じがするのだが、・・・・

    「十三夜」
    百姓だけど、敵討ちを試みようとする宇市。
    そして、母の病で、江戸の姉おかよを探しに来た妹のおきみ。
    宇市の父の死とそしておかよからお金を奪い殺した犯人は、同人物の安兵衛であった。
    全て無事に 解決して、十三夜の月を愛でるのは、余裕が出来た証拠なのだろう。

    「ほたる茶屋」
    武士の三崎庫之助が、昔不義密通と言われた妻が、行方不明になったのを見つけ出して欲しいと、千成屋ヘ。
    ホタル茶屋に勤める 幸助が、突然に辞めたいと、言い出した本当の原因は・・・
    前科持ちの宿命の如く、それをネタに無理難題を言って来る輩。
    2つの話が、重なり合いながら、押し込み強盗事件も解決へ。
    そして、庫之助の妻であったほたる茶屋の女将おふさは、残してきた息子の成長と跡目相続の話を聞き ホットする。

    「雪の朝」
    お咲が、千成屋へ持ち込んだ難題の姉のおやえの手紙には、半分の地蔵の絵、そして、音信不通になったら、地蔵の足の部分を掘り起こしてと。
    おやえとお咲の父を殺害したのは、おやえの夫 忠兵衛であった。
    其のことで、忠兵衛を脅していた権兵衛もおやえと同様に監禁されていたのだが、・・・・
    助かって良かった。
    2人の姉妹は、実家に戻り、父と同様に、むらの人へ尽力を尽くすと言いながら、雪の中 戻って行った。

    「海霧」
    牧島藩2万石の配下の武士から 千成屋へ依頼があった。
    食事の世話と安否確認をして欲しいとの依頼である。
    その主は、熱を出しており、回復したと、思ったら、今度は、命を狙われていた。
    風変わりなその主は、勇三郎。
    お吟と隠居の平右衛門の会話もいいが、鰻を釣って、平右衛門と勇三郎の調理の話も面白い。
    刀では、敗けを知らなくても、包丁さばきには、お手上げの所が、いい。
    刺客は成敗されて、そして、お家の跡継ぎ問題も、御次男が、身罷られて、勇三郎が、跡目にと・・・・
    腹違いで誕生した勇三郎は、母から、海霧の霧は、いつか晴れ、晴れると、四方がくっきりと、見えるのだと、幼き日に教わった。
    小説なのに 良き藩主になる事を願いつつ、本を閉じた。

  • お江戸×人情×事件 みたいなカテゴリ話は星の数ほどあれど、あちこちで定評は聞いていた藤原緋沙子さん、初読。シリーズものが多い方なので、オススメされてもいまいち手を付けることができずにいたけれど、どうやらまた新しいシリーズを書かれるようだ。サブタイがついてるし、夫の失踪とかも伏線回収されてないし、これシリーズ1作目と思っていいよね?

    読みやすく、単発の章でそれぞれ短編としても成り立っているし、それぞれ事件にもあまり胸を痛めずに読み進められる内容ばかりで、ぜひ次が出たら読みたい、
    読みたいけどこれ、ところどころ「御宿かわせみ」オマージュ?設定がわざとかなというくらいかわせみを想起させる要素多かった。東吾はもう見つからないだろうけれど、お吟の夫は戻ってきて、なぜいなくなったか訳をしっかり聞かせてほしい。鹿之助ともなにかありそうだけどね。これからの展開に期待大の、お江戸小説の名手のあたらしいシリーズ誕生の一冊。楽しみ。

  • 新しいシリーズになるんだよね、きっと。4作の短編が収録。まだまだ登場人物たちが落ち着いてないので、これからだね。行方不明の亭主の謎は早く終わらせて、鹿之助ももっと巻き込んではどうなんだろうか。あと、これはずっと単行本で行くのかしら?

  • 日本橋の袂でよろず相談を引き受ける「千成屋」の女将のもとには、様々な客がやって来る。短編4編からなる時代物推理小説。女将を助けるのは、現在は隠居し暇を持て余している元北町奉行所同心の剣の達人と彼のもとで十手を預かっていた父親の手下だった手代二人。江戸の町で起こる様々な難問を、4人コンビで解決していく。人情ふんわか物語。愉しく読み進めることができる。

  • 江戸の町で何でも屋を営んでいるお吟。千次郎、輿之介と共に、道案内から人探しまで、様々な人達の困り事を解決している。だが持ち込まれる仕事には、なかなか難しいものもあって、苦労しながら励む姿を描いている。
    お吟の人柄が、江戸っ子らしい気っ風の良さ、面倒見の良いお人好しで好感が持てる。夫が何年も行方知れずのままだったりして、哀しさ、辛さを知っているところも話しに深みを与えている。
    続編はないのかな、あったら読みたい。

  • 小説野生時代2017年11月号:十三夜、2018年6月号:ほたる茶屋、2019年2月号:雪の朝、に加筆修正を行い書き下ろし:海霧、を加えて2020年6月角川書店から刊行。4つの連作短編。八丁堀の隠居、元岡っ引き達と一緒に日本橋でよろず相談を請負う千成屋のお吟のお話。登場人物たちの振る舞いもこなれておらず、ありがちなお話に始終しましたが、回を重ねることで、面白くなってくのかもしれません。雑誌掲載も続いているようなので次作に期待します。

  • たのみたいね

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

藤原緋沙子(ふじわらひさこ)
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主催の「創翔塾」で小説を志す。2013年に「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。本書は土佐の絵師として人々の幸せを願い描き続けた金蔵の生涯を温かい眼差しで活写した渾身の時代小説。著者の作家生活20周年記念作品である。著書に「橋廻り同心・平七郎控え」シリーズ(祥伝社文庫)他多数。

「2023年 『絵師金蔵 赤色浄土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤原緋沙子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
畠中 恵
宮部みゆき
宮部みゆき
西條奈加
西條 奈加
西條 奈加
西條奈加
恩田 陸
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×