- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041094068
作品紹介・あらすじ
日本の戦後政治、それはフィクサーや大物右翼、総会屋など黒い人脈とのつながりの歴史でもある。ある者は戦中の混迷期に暗躍して政財界に君臨し、ある者はアメリカや北朝鮮との橋渡しをして利権をむさぼり巨額の富を得た。つかず離れず彼らと関係をなし、ときに政治生命を断たれるにも関わらず続いてきた「裏社会との黒い蜜月」とはいかなるものだったのか? 「桜を見る会」にも表れたそのズブズブの構造を明らかにする。
<本書の目次>
序章 安倍首相が隠したかった黒い紳士
第1章 政界ヤクザの系譜
宿敵・西武鉄道株を買い占めた横井
小佐野も児玉も……皆、死んだ
第2章 バブルを泳いだ総会屋の生態
小川薫周辺のソーカイヤ
オールスターで大荒れの日本通運総会
野村證券事件の主役は
打ち出の小槌の銀行
ノーパンしゃぶしゃぶに集う名士
第3章 原点は満州・上海人脈にあり
満州・南京傀儡政権が生み出す“宝”
阿片と偽札のマネーテロ
日銀金庫から消えた大量のダイヤ
謀略に使われた国民の接収資産
現代に残る「キャノン機関」の黒い人脈
第4章 海外から襲来した仁義なき戦い
米国で火を噴いた大疑獄事件
謎の死を遂げたキーマンたち
闇社会結集を求めた自民党
ロッキードを食った「刎頸の友」
次世代の政治家が潰れたリクルート事件
第5章 政界のドンが転落
公取委を脅してゼネコン汚職
最後の砦となった北の利権
泉井マネー疑惑に塗れたYKK包囲網
横井英樹とはいったい、何者か
「あの時撃ち殺しておけば」と言われ
第6章 最後のフィクサーと新しい勢力
六本木・TSKビル争奪をめぐる激闘
朝鮮総連本部ビルを売却する
右寄りの論客を歓迎する自民党政権
政治家とヤクザは表裏一体
感想・レビュー・書評
-
一橋文哉『政界ヤクザ』角川文庫。
日本の戦後政治で暗躍した裏社会の人脈を描いたノンフィクション。
懐かしい事件や懐かしい名前が並ぶ。
巨額の富をもたらす利権を巡り、政界に食い込もうとする輩が居るのは今も昔も変わらない。それでも昔は総会屋、右翼、暴力団と利権を貪る悪の実体が明確だったが、今はその実体がよく解らなくなっている。次々と新たな悪が生まれては消え、やり方も巧妙になっているように思う。
今回の新型コロナウイルスに関連する政府の経済対策にしても、給付金配付事業、Go Toキャンペーン事業などの利権を巡り、一部政治家とべったりの企業と政治家だけが儲かる構図が見えている。少なくとも真面目に働く一般庶民は億単位の巨額な利権とは全く縁がない。
本体価格740円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
事件が起こるたびに法律が強化される。にも関わらずいつの時代も同じような事件が起こる。本文にもあるように政治家とヤクザは紙一重。スブスブの関係は令和になってもなくならない。
-
戦後の日本を食い物にした所謂"政界ヤクザ"の歴史を明らかにするノンフィクション。政界と闇社会の黒い蜜月とはいかなるもので、終焉はどのように迎えたのか。
政治=利権である限り、どの党が政権に就こうが誰が首相になろうが、カネの問題はなくならないだろう。ただそんな彼らも、晩年や死を迎える際には、決して幸せな終焉ではない。 -
日本の戦後政治、フィクサーや大物右翼、総会屋など黒い紳士とのつながりの歴史でもある。北朝鮮利権から「桜を見る会」までそのズブズブの構造が明らかに。
-
教科書的。知識を沢山得られる反面、抑揚があまり無い。