傷痕のメッセージ

著者 :
  • KADOKAWA
3.97
  • (82)
  • (143)
  • (68)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 1303
感想 : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094099

作品紹介・あらすじ

「死んだらすぐに遺体を解剖して欲しい――」医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖すると胃の内壁に暗号が見つかった。28年前、連続殺人事件の犯人を追うため父が警察をやめたことを知った千早は、病理医の友人・紫織と協力して、胃に刻まれた暗号を読み解こうとする。時を同じくして28年前の事件と酷似した殺人事件が発生。現在と過去で絡み合う謎を、千早と紫織の医師コンビが解き明かす!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医師の水城千早30歳の父の水城穣は千早の病院に癌で入院していましたが「たんに血が繋がっているからといって親子になれるわけじゃない」という言葉を遺して容態が急変して亡くなります。母も癌で亡くしている千早は独りになってしまいます。

    穣は弁護士宛てに自分の死亡が確認されたら、すぐに遺体を解剖して欲しいと遺言を遺していました。
    病理医で同級生だった刀祢紫織と一緒に千早も父の解剖に立ち合います。果たして父の胃壁には内視鏡で書いた文字が残されていました。

    そして桜井公康という刑事の登場で今までずっと警備員だと思っていた父が28年前まで警視庁捜査一課の刑事であったということを千早は初めて知ります。
    28年前父は通称折り紙事件という、連続幼女殺人事件を捜査していて最後に殺された1歳の陣内桜子の遺体だけが発見されていませんでした。

    紫織は「胃壁のメッセージの相手を探す義務がある」「生きている間は誰にもその情報を知られたくなかったのだろう」といいます。
    そしてメッセージを送った相手は28年前、穣とコンビを組んでいた桜井であるとわかり三人で28年前の千羽鶴の事件を危険な目にも遭いながら解決しようとしていきます。

    これは、私は犯人は途中で半分判り、穣が千早にだけは知られたくなかった真実も予想がつきました。
    でも、話の誘導がやはり大変面白かったので、読んでいてあきることなく、家族のドラマとしても秀逸ではないかと思いました。

    読者にも謎解き成功の快感を味合わせてくれる物語も、読んでいて達成感がありました。

    • くるたんさん
      こちらでもこんばんは♪
      そうそう、予想がつく箇所もあったけれど、とにかく読ませてくれる構成でしたね¨̮♡
      千早と紫織の近づく関係も良かったで...
      こちらでもこんばんは♪
      そうそう、予想がつく箇所もあったけれど、とにかく読ませてくれる構成でしたね¨̮♡
      千早と紫織の近づく関係も良かったです♡
      2021/08/08
    • まことさん
      くるたんさん♪
      お父さんとの関係が切なかったですよね。
      千早と、紫織の距離感もよかったですね。
      「琥珀の夏」のレビュー楽しみにしています♥️...
      くるたんさん♪
      お父さんとの関係が切なかったですよね。
      千早と、紫織の距離感もよかったですね。
      「琥珀の夏」のレビュー楽しみにしています♥️
      では、またよろしくお願いいたします!
      2021/08/08
  • はなまる級医療ミステリの一冊。
    面白かった。

    父の胃壁に刻まれたメッセージ。

    医師の千早がその意味に向き合うと同時に螺旋のように絡まり出す過去の未解決事件。

    この惹きつけられる展開には先を急ぐ気持ちとゆっくり味わいたい気持ちのせめぎ合いで大忙し。

    数々の興奮煽る仮説、次第に絞られていく焦点。真実がついに姿を表した時のあの瞬間はまさに身体の奥の奥の小さな病巣を見つけ出したかのよう。

    せつないけれど千早の心の折り合いの付け方も良かった。 

    真相の裏の愛、寄り添う友の温かさ。思わず涙ぐむ瞬間も味わえたはなまる級医療ミステリ。

    • まことさん
      くるたんさん♪こんばんは!

      この作品はくるたんさんのレビューで読みました。
      くるたんさんのレビューに「はなまる級のミステリ」とあった...
      くるたんさん♪こんばんは!

      この作品はくるたんさんのレビューで読みました。
      くるたんさんのレビューに「はなまる級のミステリ」とあったので、バッドエンドはないと思い、千早が危険な目に遭うシーンも安心して読めました♡
      最近ますます、くるたんさんの本棚にある本を追いかける率が高くなっています。(今も図書館に3冊予約中です♡)
      くるたんさん、いつもコメントの返信がとても速く、お忙しいのにと申し訳なく思っています。
      でも、どうしてもコメントしたいときには、またさせていただくのでよろしくお付き合いください。
      いつもありがとうございます!
      2021/08/08
    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪
      こちらこそ楽しんでもらえてうれしいです♡これはせつなさもあったけれど、それ以上に愛や友情を感じられて良かったですよ...
      まことさん♪こんばんは♪
      こちらこそ楽しんでもらえてうれしいです♡これはせつなさもあったけれど、それ以上に愛や友情を感じられて良かったですよね♪
      私もまことさんの読了作品、レビューをたくさん参考にさせてもらってます♡
      「琥珀の夏」もまことさんのレビューで読みましたよ♫またレビューUPしますね♡
      コメントはいつでもうれしいです(●︎´ω`●︎)
      2021/08/08
  •  面白かった!そんなに呆気なく?って思う箇所もあったが、それを補ってあまりある面白さだった。

     外科医として働く千早は、一年間の期限付きで病理部への出向となった。千早を悩ませているのは慣れない病理部の研修だけでなく、指導医である紫織の存在も大きかった。千早にとってどこか抜けたこのぼーっとした同級生が指導医ということも頭を悩ませる原因だった。

     しかし、この紫織と事件解決に向けて協力し合っていくわけだが、ラストにはなくてはならない存在になっていく。

     さて、千早は末期癌の父親と上手く関係を築くことができずにいた。そんな父親が亡くなり、父親の遺言には解剖を希望することが書かれていた。紫織に説得され、遺言通り解剖を許可した千早だが、父親の胃袋には文字が描かれていた。

     その文字は過去にあった未解決連続殺人事件の犯人を辿る糸口だったー。

     父親の過去、胡散臭い刑事、過去の連続殺人事件を模倣した事件。読みどころ満載の本作は、医療+ミステリの融合、そして、千早と紫織の友情が生き生きと描かれている。

     あっと驚く結末には思わず唸ってしまった。

  • 面白かった。
    プロローグから引き込まれて一気に読みました。予想できるところと全くの予想外なところの振り幅があり、楽しめました。
    胃にメッセージを残すなんて方法をよく考えついたなと思いますが、病理×警察という新しい連携体制が見られたし、桜井さんの活躍もよかったです。

    知念ワールドに欠かせない純正医大で、馴染みのある登場人物が名前だけでも出てきたり、初回限定の書き下ろしでは和気藹々としていたり知念ファンには楽しめる一冊です。
    そのうち人物相関図なんかを含めたファンブックが欲しいです。

  • 4日前に「祈りのカルテ」を読み終え、発売日に本書を購入(サイン本♪)、一気読みしました。

    医療ミステリーでは断トツに大好きな知念作品。

    本書はそこに警察も加わった医療×警察のミステリー作品です。

    プロローグにて自らの胃に内視鏡を使ってメッセージを刻む男が描かれ、なんだ?なんだ?って感じで早くも本作の世界に惹き込まれました。

    主人公の水城千早は純正会医科大学付属病院の外科医で、1年間の病理部への出向中であり、そこで千早のを指導するのが「元同級生の他人」である刀弥紫織。

    千早が勤務する純正会医科大学付属病院には父である稔が末期癌を患い入院していた。

    未明に鳴り響いた電話にて父の容態が急変した知らせを受け、病院へ駆けつけた時には既に心電図はフラットに。

    千早が前日に父の病室を出ようとした時に稔が語った「たんに血が繋がっているからといって、親子になれるわけじゃない」が最後の言葉となり、その言葉が千早を苦しめる。

    悲しむ間もなく千早の元を訪れた弁護士から稔が病理解剖を望んでいたことを告げられ、紫織の助手として自ら父の解剖にたちあい、紫織が体内から取り出された胃を開いた時に刻まれたメッセージが物語を動かしていきます。

    徐々に明らかになる事実によって、稔が元警視庁捜査一課に所属し、28年前に起こった未解決事件である連続幼女殺人事件の犯人を追っていた事を突き止める。

    当時、捜査にあたっていた稔とペアを組んでいたのが現在捜査一課にいる桜井。

    父が刻んだメッセージが28年前の事件を解決する暗号であり、千早、紫織、情報を共有しながらも3人は三者三様の方法で謎を解き明かし、犯人を追い詰める。

    手に汗握る展開と巧妙に仕込まれたパズルのピースが埋まった時に犯人は桜井により逮捕され、父が最愛の娘に伝えたかった言葉の意味を理解した千早は本当の意味で心身共に解放された。

    いつもながらもラストで急激に全ての謎が繋がり解き明かされ、そして涙する。

    これが知念作品の醍醐味。

    初回限定で封入されているクロスロードでは「祈りのカルテ」の主人公諏訪野と本作の主人公水城千早がクロスします。

    楽しむ為には是非とも「祈りのカルテ」も読まれることをオススメします。

    説明
    内容紹介
    息をのむ展開と瞠目のラスト! 医療×警察ミステリの新地平!!

    「死んだらすぐに遺体を解剖して欲しい――」医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖すると胃の内壁に暗号が見つかった。28年前、連続殺人事件の犯人を追うため父が警察をやめたことを知った千早は、病理医の友人・紫織と協力して、胃に刻まれた暗号を読み解こうとする。時を同じくして28年前の事件と酷似した殺人事件が発生。現在と過去で絡み合う謎を、千早と紫織の医師コンビが解き明かす!
    著者について
    ●知念 実希人:1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。

  • ちょっと現実では考えられないですが、ラストに向けた怒涛の展開は面白かったです。桜井刑事もいい味出してましたね。

  • <禍>
    実に面白い ”医学+警察ミステリ小説” だ。
    が,やはり現実世界でのコロナバイラス禍津 については,あえて言及することを避けている。と云うかコロナバイラスの存在を認めてしまうと書けないのであろう。2021年3月に上梓された本のだから,その現実世界は余す所なくコロナバイラス禍津真っ最中の筈なのに,である。

    医者で作家であるこの著者をもってしても,そう簡単にコロナバイラス禍津下での小説作品は書けはしないのだ,という事の証(あかし)的作品だと僕は思う。せめて時間設定として,お話は4年前にさかのぼって2017年の設定です,とでも断っておけば良かったのに。

    まあそうだわな仕方ないわな,コロナバイラス禍津下では,今まで熟練し自分の小説スタイルとして確立してきた物語構成/書き方では書けないわな。
    今はまだそういう現実(コロナ)世界を無視した作家と作品があまりに多いのだけれど知念氏は医者なのだからそこを乗り越えてコロナバイラス禍津下での生活形態がベースとなった物語を書いてくれることを望みます。しかし難しいぞ,とも思う。

    それまで普通に出来ていたことが出来なくなってしまったショックについて書くのではなくて,その状態日常としたなかでミステリなりほんわか家族小説也ハードボイルドなりを書くのだから。難しいぞこれは。
    時代小説やSFファンタジー系の作家は,まあその必要がないだろうから当座は安心だろうけどな。(但し本書はもの凄く面白く読む価値絶対ありの一級小説ですので,その辺りは間違わないでください。)

    と,まあそんな僕の独りよがりな妙なウンチクはこの辺にしておいて。いやはやこの作品むちゃ面白いです!これはもう久々の医薬警察家族ミステリー小説。次回の『本屋大賞候補ナンバーワン』になるでしょう。(今迄こういう素晴らしい本に出会った時の感想に ”本屋大賞を必ずや獲るでしょう” と,づっと書いて来たが僕がそう書いた本が獲ったことは今まで無いので,今回は候補ナンバーワン,という表現にしてみた・・・が,本当は大賞を獲れると思っている。あ,又書いちゃった。すまぬ。)

  • 凄い!の一言。やはり知念実希人の考えるストーリーは先が読めず、いい意味で裏切られます。
    センセーショナルなオープニングで話が始まり、息付く暇なくストーリーが展開して行きます。
    前半で、もしかしてこう言う事か?!と、想像して読み進めると、やはりそんなに単純じゃないと予想が外れるのですが、最後はまさかの展開でした。
    犯人とそれを追う刑事との因果な関係、その娘が謎を解き明かしていく中で、家族の悲しい過去も明かされるのですが、最後は納得いく結末で、凄く緻密な設計図のもと想像された話でした。
    この作品は何かしらの賞を受賞すると思うなー!
    個人的には、小鳥遊の名前が出てきたのが良かった。

  • 末期ガンで亡くなった外科医の千早の父。死後、解剖をするよう遺言があり、胃の中に傷でメッセージが残されていた。28年前の連続幼児誘拐殺人事件の犯人、千羽鶴がまた動き出し…。 いろいろ、ドラマみたいな展開だが、なかなか面白いミステリー。暗号の謎とか、お母さんがとっさに丁度よく、そんなことある?みたいな引っかかりもあるかなー。

  • 傷痕のメッセージ
    知念実希人さん。

    おもしろかった!!

    最後まで、犯人がわからなかった!!

全97件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』など著書多数。今もっとも多くの読者に支持される、最注目のミステリー作家。

「2021年 『硝子の塔の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

知念実希人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
知念 実希人
知念実希人
辻村 深月
馳星周
知念 実希人
知念実希人
瀬尾まいこ
東野 圭吾
凪良 ゆう
今村 昌弘
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×