ヘルドッグス 地獄の犬たち (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.82
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本棚登録 : 331
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094105

作品紹介・あらすじ

東京のやくざ組織・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、ターゲットの喜納修三を殺害した。その夜、一人になった兼高は激しく嘔吐する。実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのだ。後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続いており、喜納殺害はその一環だった。兼高の最終任務は東鞘会会長である十朱の殺害。十朱は警視庁を揺るがす、ある“秘密”を握っていた。ボディガード役に抜擢された兼高は、身分が明かされた瞬間に死が迫る中、十朱への接近を図るが……。

感想・レビュー・書評

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  • 広域暴力団に潜伏中の警視庁刑事の主人公は、殺し屋として組内で頭角をあらわしている。
    狙いは総長。彼も警察からの潜伏者なのだが、警察を裏切っている。
    主人公の狙いは総長の秘密のデータを取り戻して、彼を消すこと。
    そんな荒唐無稽なストーリーと血腥いアクションシーンが延々と。
    反吐を吐いたり、血がドバドバ出たり、後で誰が片付けるんだろうなんて考えていると読めないな。
    まあ、そんな感じ。

  • 深町秋生『ヘルドッグス 地獄の犬たち』角川文庫。

    深町秋生の最高傑作と呼ぶべき超ハードなピカレスク警察小説。解説は北上次郎で、深町秋生のデビュー前の短編小説の文体をジェイムズ・エルロイの『ホワイト・ジャズ』に似ていると論じている。

    予想を覆す全く先の読めない展開に手に汗握りながら読み進む。ここまでやるのかという描写の連続に血圧が上がる。ヤクザよりも恐ろしい警察組織。手段を選ばぬ正義は悪としか言えない。

    血生臭い展開から物語は始まる。東京の東鞘会に所属する兼高昭吾は組からの依頼で、弟分の室岡と沖縄に渡り、ターゲットの喜納修三を殺害する。ここまで読めば、ヤクザの抗争を描くピカレスクかと思うのだが、そうは問屋は卸さない。

    なんと兼高昭吾こと出月梧郎は、警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊の潜入捜査官であり、兼高に課せられた最終的な任務は東鞘会の会長・十朱の抹殺だった。兼高は次第に東鞘会で頭角を現し、ついには十朱のボディガードを任されるのだが……

    実は十朱も是安という名の警視庁の潜入捜査官であり、悪と暴力に取り込まれたというよりも、警察組織に嫌気がさし、自らの意思でヤクザ界に骨を埋める決意をしたという驚愕の事実。しかし、驚愕はこれだけではない……

    本体価格840円
    ★★★★★

  • 文句なくおもしろかった。
    人間は、あんなに追い詰められた状況でも正気を保てるのかと思うと脆い生き物なのか強い生き物なのか判断がつかないな、と思う。

    けっこうな残酷な描写も多い作品だったけれど、それを夢中で読んでしまう自分にもちょっと驚いたんだけど、よく考えたら今さらだな。昔から好きだったもんな。

  • ありえない話しだが、最後まで引き込まれた。

  • 酸っぱく苦い胃液がこみ上げてくるような規格外のノワール小説。警官が暴力団に潜入するストーリー。ミイラ取りがミイラ以上の活躍をし、表の顔と裏の顔の区別がつかなくなるぐらいから、ページをめくる手が止められなくなる。

  • 久しぶりに滾りました。素晴らしいストーリーです。ありがとうございます。
    洋画の「新しき世界」に似ており、警官がヤクザ社会に潜入して、ヤクザの秘密をブン捕ろうとするのがメイン。標的はトップの十朱(とあけ)であり、実は十朱も元潜入捜査官であることが判明。元警官からヤクザを生み出してしまったこと、警察という組織が、潜入捜査をして殺しを認めていることなどがあり、警察として十朱に手が出せないでいたところに、主人公である兼高(本名、出月)が組織の駒として潜入を命じられる。

    最初から最後までグロいシーンばかりで、警察小説と言うよりはヤクザ小説。ハードボイルド。兼高としての視点で物語が進むため、兄弟や親父がたくさん出てくるが、みんな魅力的なキャラすぎて、次々と死んでいくのが悲しかった。特に兼高の兄弟分の室岡はキラーマシンと言われるほどぶっ飛んでるけど、兼高を慕ってて、コンビ技なんて本当にカッコイイ...お互いが心の底から信頼してるってのが分かる。土岐(兼高の親父)も漢気溢れる人で、自分の親父(十朱)に拳を見舞った上でエンコ詰めしようとするなんてもう...。笑
    阿内(出月の上司)の執念深さには震えた...自分の元妻、娘に危害が及ぶのを平気で許して、それでも十朱を殺したくて、その強い憎しみって尋常じゃない、異常すぎた。たかが親友のためにそこまでする?ちょっと納得はいってないかも。

    最後は十朱、阿内、兼高での激しい銃撃戦。
    十朱は死に、警察の秘密であるSDカードも奪い取れる。
    阿内は銃弾にあい、命を落とす直前で「俺を撃て、もう警察には戻れない」と、兼高にヤクザとして生きる道を提示する...。私個人的にはそのままヤクザとして、兄弟達と生きて欲しかったが、兼高はヤクザと警察両方を裏切る道を選ぶ。(警察に残ってもいつか消される恐れがあった?)
    警察の秘密をマスコミにばら撒き、警察組織すらも裏切った兼高は1人で生きる道を選ぶ。兼高の最後の決断はなぜなのか、分かるようで分からないこのモヤモヤした感じがたまらなく好きで、単純明快ではないところが「新しき世界」と違ってまた良い。笑

  • 潜入捜査官が沖縄に行き裏切り者を始末する冒頭から引き込まれていってどうなっていくのか最後まで読む手が止まらなかった。
    潜入がバレるかどうかには重きはおいてなくて、兼高が犬をやめて十朱のようになってしまうのかどうなのかが気になっていたが、最後の結論は予想してなかった。

  • 面白い展開です、一気に読めた。

  • 映画ディパーデッドみたいな内容なので、ストーリーは面白い。が…、なんか文章の情報量が多すぎる気がして疲れた。

  • 神津組若頭補佐・兼高昭吾こと出月梧郎、警視庁組対部の潜入捜査官である。

    兼高の最終目的は、警視庁のトップシークレットを握る東蛸会会長・十朱義孝を抹殺すること。

    兼高昭吾がどうやって、十朱を抹殺するのか?
    正体はバレないのか?

    ハラハラしながら、ページが進んでいく。

    自分の家族まで犠牲にしてまでも、十朱抹殺にかける阿内の執念、凄まじい。
    まさかそこまで…

    阿内対十朱、凄まじかった。

    ひとりとなった、兼高いや出月はどこへ向かうのか…

    続編が楽しみである。

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著者プロフィール

1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年『渇き。』として映画化、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書に『卑怯者の流儀』『探偵は女手ひとつ』など多数。

「2022年 『天国の修羅たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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