来世の記憶

著者 :
  • KADOKAWA
3.31
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本棚登録 : 164
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094136

作品紹介・あらすじ

「あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。あたしは、おっさんだった」地球爆発後の近未来。おっさんだったという記憶を持つ「あたし」の親友は、私が前世で殴り殺した妻だった。前世の記憶があるのは私だけ。自分の容姿も、自分が生きてきて得たものすべてが気に入らなかった私は、親友が前世の記憶を思い出すことを恐れている。(「前世の記憶」)「ああもうだめ」私は笑って首を振っている。「うそ、もっとがんばれるでしょ?」「だめ、限界、眠くて」寝ている間に終わった戦争。愛も命も希望も努力も、眠っている間に何もかもが終わっていた。(「眠りの館」)ほか、本書のための書き下ろしを加えた全20篇。その只事でない世界観、圧倒的な美しい文章と表現力により読者を異界へいざない、現実の恐怖へ突き落とす。これぞ世界文学レベルの日本文学。

感想・レビュー・書評

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  • 小説×クラシックで紡ぐ、2021年の新しい寓話 - ウレぴあ総研
    https://ure.pia.co.jp/articles/-/1046915

    『来世の記憶』著者、藤野可織さんインタビュー。「小説には小説の快楽があってほしい」 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
    https://croissant-online.jp/life/133170/

    GINZA編集部が32冊の現代日本文学をレコメンド vol.8|藤野可織『来世の記憶』etc. | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報 | CULTURE
    https://ginzamag.com/culture/ginzalibrary08/

    藤野可織さんが読んできた本たち 作家の読書道:第218回|好書好日
    https://book.asahi.com/article/13512793

    来世の記憶 藤野 可織:文芸書 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000198/

  • 私の好みとは違った。

    自分の感性と噛み合わず気味悪さと異質な感じが際立ってしまい、途中で読むのを止めようかと思った。

  • 良い本を読みました…藤野さん、ありがとう…。
    女であることが理由で打ちのめされることは、いっぱいある。
    そんな中で、ただ女であるだけで負わされる恥ずかしさや恐ろしさや悔しさを、最高の物語たちにしてくれているこの短編集の心強さ。
    大好き。
    どれもとても好きだけど、「鍵」がほんとにほんとにほんとに最高。
    二人と並んで練習する私と、無数の女たちの姿が見えた。

  • 安定の藤野可織さんワールド。短編集ですが、一発目から眩暈がするような不気味さと衝撃、それがページを捲り終わるまで続くのでした。
    この本の読了後に村田沙耶香さんの「地球星人」を読み、さらに頭が破壊されそうに。一冊他の本を噛んでおいてよかった・・・。

  • タイトルに惹かれて借りた初読みの作家さん。長短20編が収録されているが、意外なことに同じタイトルの作品はなかった(「前世の記憶」というタイトルの作品はあった)。うーん、なんというか……。純文学系の作家が書いたSF的な作品が多い印象だった。異常が当たり前の日常に焦点を当てて展開するが、どこにも行き着かない。好き嫌いが別れると思うが、どちらかというとぼくは苦手なタイプだった。

  • [p. 54 まで]

    「れいぞうこ」。この話にはいろいろなものが詰まっている。子どもの頃の、大人になりたくなかった自分。小さな教室に押し込まれて、そこからはみ出たくなかった自分。友だちと同じように、けれども、友だちとは違うようでありたかった自分。知っている世界は狭い頭のなかで出来あがった作りもので、そのなかで自分の想像できる範囲の未来へ進むのだろうとぼんやり考えていた自分。そういうものがごちゃまぜに全部つっこまれていて、読んでいてなんだか懐かしく、哀しくなる。母親がまるで娘の言うことをわかったような気になっているのも、母親らしさを発揮して娘の身体を気づかったりしているのも、過去の自分の母親像になったり、今の自分の、子どもの頃の記憶を断片的にもったまま、まったくできそこないの大人になった様が重なったりして、本当に、いろいろなものがごちゃまぜに全部詰まっていて、読んでいてうんざりもしたり、楽しくもなったりする。でも、腐敗したくない気持ちはわかる。今の自分にもとてもよくわかる。

  •  20編のザワザワした余韻を残す短編が収められている。
     どの作品も、サイコでグロテスクでシュールな世界を描いているが、同時に現代に生きる我々の内面もさりげなく的確にえぐり取っており、不思議なフィクションだと思って読んでいるとドキリとする瞬間があった。

    ”あたしの前世は、はっきり言って最悪だった。
     あたしは、おっさんだった。”(p.7『前世の記憶』)

    ”クラスの女子のなかで、さきちゃん一人が順調に腐敗していくようである。それがうつっては困るから、女子はみんな、さきちゃんにあまり近づかないようにしている。”(P.31『れいぞうこ』)

    ”ピアノが、噛み付くようになった。ピアノたちはついに我々人類に戦いを挑むことにしたのだ。”(P.35『ピアノ・トランスフォーマー』)

    ”その日、人類のおよそ十八%がいきなり茹で上がったスパゲティの束となって崩れ落ちた。”(P.116『スパゲティ禍』)

    ”母たちだって怪獣を虐待したくないわけではないのだ。むしろ、機会さえあればいつでも虐待したいと思っている。”(P.199『怪獣を虐待する』)”

    ”これは女の子らしくてかわいいから着てるんじゃないの。植物は、ひとつの体に男と女の両方を持ってる。私もそう。私は女だけど、それだけじゃない。私は、私の中にいる少年や若い男や中年男や老人を祝福してこれを着てる。だからあなたも着ればいい。あなたの中の少女や若い女や中年の女や老女を祝福するために。”(P.222『植物柄』)

  • 初めて読む作家さん。たくさんの物語が入った短編集。さくさくとは読み進めず。
    不思議で、胸がモヤっとするような独特な世界観。
    好きな人は好きだと思うし、自分も何かが少し違ったらハマるような気もするけれど合わなかった。
     なのにクスリと笑えるようなもの、風刺的で胸にくるものがあったりもした。
    キャラ、スパゲティ、ニコラスケイジ、怪獣の虐待、最高のかばん、鍵・・(タイトル端折ってる)あれっ、胸にひっかかってるのが次から次へと出てくる。笑

  • とてもいい。突飛なことが起きても恬然としてる物語世界の人が、強くていい。

  • 「前世の記憶」★★★
    「眠りの館」★★★
    「れいぞうこ」★★★
    「ピアノ・トランスフォーマー」★★★
    「フラン」★★★
    「切手占い殺人事件」★★★★
    「キャラ」★★★
    「時間ある?」★★★
    「スパゲティ禍」★★★
    「世界」★★
    「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」★★★
    「鈴木さんの映画」★★★
    「眠るまで」★★★
    「ネグリジェと世界美術大全集」★★★
    「スマートフォンたちはまだ」★★
    「怪獣を虐待する」★★★
    「植物装」★★★
    「鍵」★★★
    「誕生」★★★★
    「いつかたったひとつの最高のかばんで」★★★★

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著者プロフィール

1980年、京都府生まれ。2006年、「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞。13年『爪と目』で第149回芥川龍之介賞。著書『おはなしして子ちゃん』ほか多数。近刊に『ピエタとトランジ<完全版>』。

「2021年 『覚醒するシスターフッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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