- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041094228
作品紹介・あらすじ
文政11年、筑前秋月藩の漢詩人・原古処の娘みちは、秋月黒田家の嫡子の急死の報を受け、密命を帯びて若い侍に姿を変えた。錯綜する思惑に陰謀、漢詩に隠された謎。彼女は変装術と機転を武器に、危機を切り抜ける。
感想・レビュー・書評
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秋月藩(福岡)の女性放浪詩人・原采頻(はら さいひん)をモデルにした本作。江戸時代の話だが、自由奔放に生きる傑物は時代に関係なく世に現れるものだ。儒学者の娘で父と遊歴の旅を重ね、父亡き後は単身江戸へ赴き、漢詩人となった女性。大柄の美人で豪放磊落、大酒のみ、剣を使い、時には男装で闊歩した。まるで漫画のような世界を地で行ってたなんて驚く。
秋月黒田家お家騒動の内幕を背景に、采頻を”みち”と云う名前で登場させ歴史小説に仕立てる巧みな術! 小説を読まなければ原采頻を知ることはなかっただろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
史実をもとにお家騒動の顛末を作品に仕立て上げた諸田さんあっぱれです。
原みちさんが実在の人物なだけに、ほんとにあった事だと思ってしまいました。女が不自由に生きていた江戸時代に、こんな才知あふれた女性がいたとは・・・不自由ななかにも頑張っている女性はたくさんいたと思うので、もっとこんな女性に光を当ててほしいなあ。 -
漢詩人原采蘋の半生と秋月黒田家のお家騒動をうまく重ねて調理し、時代劇として極上のエンターテインメントに仕上がっている。男装の麗人というだけでも楽しいのに周りの敵味方含めて多彩で謎めいて、ハラハラしどうしの一気読み。
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頭の中は、宝塚モードになってしまいました。
天海祐希さんだったら、あるかもよー。
などと脳内画像総天然色で楽しく読みました
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命を掛けて京から江戸へ共に旅をする中で育まれる友情と信頼。そして恋心。
江戸についてからは展開がドタバタと早く、事が上手く運びすぎたり、道中、みちが女子とバレない設定は違和感あり。
協力と裏切りの忍びも、最後は手助けして去っていくのは良かった。
長編ながら読みやすい作品。
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実在の女性漢詩人原采蘋が主人公というから読んでみたがほぼ創作ミステリで思ったのと違った。せっかくだからと速読してあらすじだけ追う。冒頭か後書きを確かめてから読むか決めればよかったと後悔。好みに合わなかった。