作ってあげたい小江戸ごはん2 まんぷくトマトスープと親子の朝ごはん (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 178
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094273

作品紹介・あらすじ

川越の外れにある定食屋「たぬき食堂」。青年店主・大地の〈心も体もスッキリする〉ごはんと、元気な看板娘・たまきを楽しみに今日もお客さんがやって来る。ある春の日、結婚式の食事会で店を貸し切りたいという依頼が。花嫁は大地の同級生で、初恋の人でもあった。彼女の父親が結婚に反対していると知り、どんな料理を出すか悩む大地。ずっと近くにいたからこそ、上手く言葉で伝えられない。そんな親子の気持ちを繋ぐ意外な一皿とは?

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・節東風(せちごち)――まんぷくトマトスープ
    ・桜湯――ごまねぎポン酢
    ・春祭――びっくり焼きおにぎり
    ・祝言――えんむすびのサツマイモ
    ・掻餅(かいもち)――ぼた餅とおはぎ

    偏見だとは思うけど、最近こういう話が流行っているんだろうなあ。
    ちょっと頑張れば作れそうな美味しい食事(またはスイーツ)と、ほっこり心温まる物語。
    本屋さんに行けば、これでもかってくらい並んでいる。
    玉石混交なのはどんなジャンルでもそうなのだけど、ちょっとこのジャンルは善意の読者に付け込んで、作品の出来というハードルが低いと思うわ。

    例えば、結婚に反対していたとはいえ、結婚式のあとの食事会でも娘の結婚相手に対する罵詈雑言が止まらない。
    だけど、せめて結婚式ぐらい挙げろ、世間体が悪いから、といったのも親なのだ。
    情緒不安定か?

    そしてそんなに結婚相手が気に入らないなら、食事会なんて最初からしなければいい。
    世間向けに式を挙げて、写真を撮って、解散すればいいだろう。
    食事会の会場に対しても、その態度は失礼極まりない。
    教師のくせに社会常識に欠けている。

    っていうか、結婚式のあとの食事会を町の大衆食堂に、しかも二週間前に予約っていう娘もどうだろう?
    何か裏があるのかと思っていたけど、特に何もなく。
    家族だけだからって…。

    もちろん大地の提供する料理で、一件落着はするのだけれど。
    それまで何も言わずにこの状況を放置していた母親にも腹が立つし、何よりも娘の晴れの門出を祝うという華やぎとか一切ないのよ、この家族。
    ストーリーのために登場人物の言動が制御され過ぎているのに、「これがいい話です」的に書かれているのには、蕁麻疹が出そう。

    高校を卒業したら、娘が別れた妻のところで暮らすようになるんじゃないかとびくびくしている父親の話もさ、ちゃんと面と向かって娘の将来について話をしなくちゃダメじゃん。
    どうするのが一番いいのか、娘の意志が一番大事だけれども、親としての意見やアドバイスだって必要じゃん。
    それを、最後の思い出づくりって、なんなんだ。

    学校祭に親子で屋台を出すっていうのもちょっとびっくりだけど、それに対する助っ人が多すぎ。
    芸能人まで出してくるのは反則。
    売れればいい思い出というのも短絡的。

    ここまで文句たらたら書いてきましたが、最後に良い情報。
    唐揚げをきな粉で揚げると、コクと香ばしさが増すんだって。
    これはいいことを聞きました。ほくほく

  • Kindleで読んだ。
    川越の外れにある定食屋「たぬき食堂」。青年店主・大地の〈心も体もスッキリする〉ごはんと、元気な看板娘・たまきを楽しみに今日もお客さんがやって来る。ある春の日、結婚式の食事会で店を貸し切りたいという依頼がきて…。
    シリーズ2作目。

    今作も川越の魅力たっぷり。
    きな粉の衣の唐揚げ、やってみよう。
    本に載ってるのとは違うけどトマトスープが食べたくなってさっそく作ったよ。
    ご飯にかけて食べると最高。
    野菜をたっぷりいれたスープの魅力にハマる。

  •  川越にはJR川越駅と西武新宿線本川越駅があり、本川越駅の方が賑やかです。小江戸川越の「たぬき食堂」を舞台にした物語。信楽昇吾・大地父子と500歳以上のたぬきの化身たまき(一見20歳の娘)が営んでいます。高橋由太「まんぷくトマトソースと親子の朝ごはん」、作ってあげたい小江戸ごはんシリーズ№2、2020.5発行、連作短編5話。面白かったです。

  • 川越の名所的な紹介がある分、1巻のような勢いと純粋さが減ったような印象

  • 「節東風 -まんぷくトマトスープ」
    閑古鳥の鳴く朝。
    少しでも早く家をでてまで食べたいと思わせるには、少しの工夫だけで十分なのかも。

    「桜湯 -ごまねぎポン酢」
    想い出を辿って。
    大切な人を失っても日々は変わらず過ぎ去り、悲しむ暇もないのは辛いことだろうな。

    「春祭 -びっくり焼きおにぎり」
    最後の想い出を。
    これだけの人脈を使ったとしても、肝心の商品が美味しくなければ誰も買わないだろ。

    「祝言 -えんむすびのサツマイモ」
    子供の様な態度。
    幸せになろうとしている所を、一人で勝手にイライラし雰囲気すら壊すのは最低だろ。

    「搔餅 -ぼた餅とおはぎ」
    立ち聞きした話。
    この先の未来を考えれば大切な選択肢だろうが、まずは本人と話し合うべきなのでは。

  • たぬきのたまきちゃんにすっかり
    ハマって旅から戻っても川越旅行中です

  • 今回は大地の絡みの事件が多い

  • 転んだりすると、咄嗟に見えるふさふさ尻尾をもつ「たまき」江戸の食文化にはかなりの知識がある。
    そのたまき、最近はグルメ番組を見るのが大好きになっている。欠かさずに見る番組も。

    今回は、大地の元師匠、洋食の王様と、グルメの唐揚げ王子が登場!
    大地の新しいメニュー創作に、今回もたまきが大活躍。
    徐々に元気を取り戻した父親との関係も修復。

    作ってみたい小江戸グルメ、レシピが嬉しい第2巻。

  • 面白かった☆

  • なんかこう、調子が良すぎる感じもありますが、気軽に読める内容。
    たまきがちょっと元気良すぎて話の中で変にめだつけど、まぁタヌキだから仕方ないかな。

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著者プロフィール

1972年、千葉県生まれ。第8回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として、『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』で2010年にデビュー。他の著書に『神様の見習い もののけ探偵社はじめました』『あなたの思い出紡ぎます 霧の向こうの裁縫店』(以上、宝島社)、「あやかし和菓子処かのこ庵」シリーズ(KADOKAWA)、「ちびねこ亭の思い出ごはん」シリーズ(光文社)などがある。

「2023年 『贄の白無垢 あやかしが慕う、陰陽師家の乙女の幸せ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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