髪結百花 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 44
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094280

作品紹介・あらすじ

ここまで優れた作品を上梓した作者を、ただただ絶賛したい――。――書評家・細谷正充
"理不尽"と闘う2人の女意気に、思わず胸が熱くなる! ――書評家・吉田伸子

吉原遊郭を舞台に、女の生き様を描いた人生賛歌。
遊女に夫を寝取られ離縁したばかりの梅は、生家に戻って髪結いの母の手伝いを始める。
心の傷から、吉原で働く女たちと距離を置いていたが、当代一の美しさを誇る花魁の紀ノ川や、
寒村から売られてきた禿のタネと出会い、少しずつ生気を取り戻していった。
そんな中、紀ノ川の妊娠が発覚し――。
男と女の深い溝、母娘の複雑な関係、吉原で生きざるを得ない女たちのやるせなさ。
絶望の中でも逞しく生きていこうとする女たちを濃密に描く。

第1回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第2回細谷正充賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • まさかの展開だった。

    アサの代わりに大文字屋につとめるようになってから、段々と力がみなぎっていく梅、それとは対照的に描かれだんだん弱っていく紀ノ川が印象的。
    二人の状態は対照的であるのに、心の距離はみるみるうちに通じ合っていくのを感じた。

    あとは日本髪に詳しくなかったので、沢山の髪型が出てきてとても勉強になった。

  • 吉原でも髪結が主役のものは初めて読んだ。当時の髪型の表現など新鮮だった。ヘアカタログがあったのもこんな昔から!と。とても読みやすかったが、主人公になかなか感情移入できなかったのはなぜだろう。すごく面白かったんだけれど。

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著者プロフィール

1982年神奈川県逗子市生まれ。早稲田大学卒業、同大学大学院修士課程修了。大学在学中から小説の執筆をはじめる。2016年「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞を受賞し作家デビュー。2019年『髪結百花』で第1回歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞をダブル受賞。他の著書に『お江戸けもの医 毛玉堂』がある。

「2023年 『おんな大工お峰 お江戸普請繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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