ドラゴンランス レイストリン戦記3 戦場の双子〈上〉 (3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094860

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計・世界数千万部ファンタジー「ドラゴンランス」の待望の前日譚を初邦訳!

陽気で人望ある屈強な双子の兄キャラモンとは対照的に、頭脳明晰だが虚弱で〈陰険男〉と呼ばれた弟レイストリン。
双子は傭兵となり、兄は戦士へ、弟は魔術師へと本格的に歩みだすが、彼らの姉は次第に闇へと接近していく――

「たった数日で、人生が様変わりしてしまった! 丈夫な体で、自信を持ってここ〈上位魔法の塔〉には立ち入った。出ていく今、弱りきって打ちのめされている。視覚は呪われ、体は虚弱だ。それでも、勝利を収めて出ていくんだ。魔法を手に出ていく。これを手に入れるためなら、魂だって差し出しただろう……」
 命がけの試練である〈大審問〉を通過し、赤ローブ(中立)の魔術師として歩み出したレイストリン。肌は金色になり、ちょっとした魔法を使用するだけですぐに咳き込んで倒れ込む脆弱な肉体となり、全ての者が老いさらばえていく姿に見える呪いを目に受けた彼と、陽気で屈強な兄とが、新たなる友であるハーフ・ケンダーの〈寸借屋〉らとともに傭兵として成長、活躍していく姿を描く第3巻。
 一方、双子の異父姉であるキティアラは、〈暗黒の女王〉タキシスの降臨をもくろむ邪悪なドラゴン軍へと接近し、その最高司令官であるアリアカスからある重大な試練を受けることになり……

※本書は、電子書籍で刊行中の下記『【合本版】ドラゴンランス 全25巻』には含まれていない、新規邦訳作品です。

感想・レビュー・書評

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  •  『大審問』を終えた、双子の弟「レイストリン」が将来の為、兄の「キャラモン」と共に、“狂男爵”と呼ばれるソラムニア騎士の軍隊に傭兵として入隊する話なのだが・・・『魂の剣』があまりに良かったせいか、却って、その起伏に乏しい平坦な内容が気になってしまった。

     確かに、双子を一人前に育てようと登場する、「クェズネル教官」や「ホーキン師」の存在感は、男爵含めて、少々変わり者でありながらも、しっかりした人間性を持っており、それに感銘を受けて、笑いも含めた双子の成長物語として読めるとは思うが、その割には、具体的な訓練の内容が非常に少ない上に、物語でいう意外性も殆どないのが、なんとも冗長に思われて、まるで長いプロローグを読んでいるような印象に、終いには、ここまでページ数が必要だろうかと感じたくらいだったし、そもそもタイトルに反して、レイストの出番が少ないのは、いくらなんでもと思う。

     そのため、最も印象に残ったのは、キティアラの、相も変わらず、いい根性をしたスリリングな冒険譚であり、中でも、他の者が過小評価した剣の価値を、彼女一人が唯一見出したエピソードには、殊の外、後からじわじわと来るものがあって良かった(しかもその剣を鍛えた人は・・)。

     とはいっても、伝説の5巻と6巻の前例もあるように、最終巻では、全てが見事に繋がった一気読みの面白さなので、仮に私と同じ思いを抱いた方も、どうか、ここで読むのを止めないように。

  • 〈大審問〉を経て赤いローブの魔法使いとなったレイストリンと双子の兄キャラモンが生きる糧を求め傭兵となり成長していく姿を描いた第3巻

    一方で野望に燃える双子たちの姉キティアラはその冷酷さと度胸で暗黒の女王タキシスの軍勢の中で地位を確立していく

    今作も魅力的なキャラクターたちが大勢登場する中で最も心惹かれるのはレイストリンを鍛え上げる茶色のローブの魔法使いホーキンス師

    茶色のローブは正式な魔法使いではないことを示していて、レイストリンも最初は蔑むような態度をとるんだけど彼がめちゃくちゃかっこいいのよね
    見た目は背が低くて腹が出た赤ら顔の40代で、頭は禿げ上がり、顔も毛がなくツルツルと最低の部類
    だけどいくつもの戦場を生き抜いてきた圧倒的な経験に裏打ちされた教えはすぐにレイストリンの尊敬を得ていくんよね
    なんていうかまだまだ子供じみたレイストリンと比較して圧倒的に大人なんよ

    そして生きることは戦うこと、生き残るために謙虚に学ぶことの大切さを教えてくれるんよ
    常に自分省みて内に向かって閉じていくレイストリンの目を大きく見開かせ成長を促し、厳しさと優しさを持ったまさに師と呼ぶにふさわしい存在
    それがホーキンス師
    うーんやっぱり男は中身よ(女もだけどね)かっこいい

    この師ともっともっと長い時間過ごしていたら『伝説』での悲劇的結末は変わってたんじゃないかなって思わせる存在でした

    • たださん
      ひまわりめろんさん、こんばんは(^^)

      早速、読まれたのですね!
      いつものごとくと思ってたら、素晴らしいストーリーテリングに不意を突かれ、...
      ひまわりめろんさん、こんばんは(^^)

      早速、読まれたのですね!
      いつものごとくと思ってたら、素晴らしいストーリーテリングに不意を突かれ、最後の方は目をボヤかして、ちゃんと読んでませんが(すいません)、きっと名作なのだと思います。

      でも、この辺読むと、キティアラのこと、もっと理解できそうで今から楽しみですが(戦記にもそれを匂わすような記述ありました)、とりあえず、伝説を読まねばと思っております。
      2023/02/15
    • ひまわりめろんさん
      たださん
      こんにちは

      そうなんですよね
      実はレイストリン戦記って双子の姉キティアラを理解する旅でもあるんですよね
      レイストリンと...
      たださん
      こんにちは

      そうなんですよね
      実はレイストリン戦記って双子の姉キティアラを理解する旅でもあるんですよね
      レイストリンとキャラモンの対比だけでなく双子とその姉が歩む人生の対比もドラゴンランスの見所でもあるんですよね
      そして切り捨てたように見えて双子の弟たちを深く愛している描写にキュンとくるんですw
      2023/03/02
    • たださん
      ひまわりめろんさん
      お返事ありがとうございます。

      キティアラの愛については、戦記の6巻も印象的でして、単なる冷酷さだけではない、何かが、彼...
      ひまわりめろんさん
      お返事ありがとうございます。

      キティアラの愛については、戦記の6巻も印象的でして、単なる冷酷さだけではない、何かが、彼女の心にあることに惹かれます。

      ちなみに、ひまわりめろんさんのレイストリン戦記4のレビューは、ストーリーを知るのが怖くて読めないので、私が読み終えた時に、また来ます。それがいつになるかは分かりませんが、必ず訪れますので。
      2023/03/02
  • 『魂の剣』に続くシリーズ第3巻。〈大審問〉の試練を越えた双子は戦いの経験と生活の糧を求め傭兵になるが……。

    〈大審問〉直後の双子の動向から始まり、傭兵になった二人の訓練と新たな出会いが語られていく。砂時計の瞳に金の肌、病弱な赤ローブと、おなじみの姿となったレイストリンだが、この時点ではまだ皮肉屋な側面よりも青年らしい若さと未熟さを残しており(たぶん素直さも)、教官や仲間たちとの交流を通して成長していく姿を見られるのが嬉しい。キャラモンが関わることになる新キャラの魅力も大きく、他の竜槍のメンバーの不足を十分に補っている。
    一方、アリアカス将軍に接触したキティアラは、自らの価値を証明するべく、思いもかけない任務を受けることに。ここからの、どファンタジーな展開には大興奮。冒険が戻ってきた感にワクワク。
    兄弟たちがそれぞれに直面する試練は、どこにつながっていくのか?先が気になるところで下巻に続く。

  • 竜槍戦争の起きる前日を描いたレイストリン戦記のシリーズ完結編。後のラスボスともいえるアリアカスが登場するなど「ドラゴンランス戦記」の読者には懐かしい。

  • レイストリン戦記の第二部。双子が傭兵として過ごした日々の詳細が語られる。軍隊に入隊した二人の生活は訓練の日々で、フルメタルジャケットを彷彿とさせる。

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著者プロフィール

Margaret Edith Weis。1948年、米国生まれ。アメリカの空想科学小説の作家であり、小説や短編小説を多数執筆。 トレイシー・ヒックマンとの共著である『ドラゴンランス』の作者として世界的に有名で、ドラゴンランス・ゲーム世界のオリジナルクリエイターの一人としても知られる。

「2022年 『ドラゴンランス レイストリン戦記4 戦場の双子〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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