ブロードキャスト (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2413
感想 : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095560

作品紹介・あらすじ

中学時代、駅伝で全国大会を目指していた圭祐は、あと少しのところで出場を逃した。高校入学後、とある理由によって競技人生を断念した圭祐は、放送部に入部。新たな居場所で再び全国を目指すことになる。

感想・レビュー・書評

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  •  「手段はたくさんあるのに、伝わっていない大切なことがありすぎるような気がするんだ。」
     終章での、主人公、圭佑の言葉。
     中学時代、陸上部で駅伝に打ち込んでいた圭佑は、あと一歩のところで全国大会出場をのがす。高校で全国大会出場を果たそう、と駅伝の強豪校であり、県内有数の進学校でもある青海高校を受験する。しかし合格発表の帰り、交通事故に遭い、陸上を諦めなければならなくなってしまう。そして、入部したのが放送部だった。
     夢中になれるものがあるっていいなぁ。そこから得られるものは大きいなぁ。と、読み進めてきたものの、終章でのこの、圭佑の言葉から「伝えるということ」を考えていた。本当に伝えたいことや伝えなければいけないことを言葉にするのは難しい。
     クラスの女の子への「人が一生懸命に取り組んでいるものを笑ったり、悪口を言ったり…。そんなくだらない会話に加わるくらいなら、嫌われるほうがマシだ。」という言葉は、相手を泣かせてしまう。
     決勝に進めなかった正也へのメールはただのきれいごと。それに気づいて電話する。泣きながら大声で叫んだりして思いを吐き出した言葉がそこにはあった。
     本当に伝えたい「大切なこと」を伝えるには覚悟がいる。伝えたいことを受け止めてもらえる間柄も必要になる。放送部、ということだけでない意味が『ブロードキャスト』にあるのかなと思った。

  • 湊かなえの青春物語。とても新鮮。結果が残せなくてもいい、失敗したっていい。何かに夢中になって取り組んだ経験が、将来何かの役に立つ。今やりたいことをやろう。

  • 湊かなえさんがこんな爽やかな小説を書くんだと驚きです!!!

    青春小説の王道!
    知られざる文化部の全国大会!
    主人公の選択肢!
    イジメとSNS
    高校生らしさと正しい評価!
    尺度の異なる物差に戸惑うか?受け入れるか?贖うか?それとも・・・

    ここで止めよう、ここで止めようと何度も思った結果 気がついたら2:57・・・
    一晩で読破・・・

    相変わらずページを捲らせる技術がすごい!!!

    そんでもって、この話には続編があるらしいです!湊かなえ初の長編シリーズ


    中学最後の駅伝大会で思った結果が出せずに全国大会への出場を逃してしまう圭祐
    陸上強豪校に進学するも まさかの交通事故で足にボルトをいれるはめに・・・
    大好きな陸上に打ち込めず無意味なこれからの三年間を思うと絶望に打ちひしがれていた。
    そんな時 同じ中学校出身の正也に声の良さを買われ放送部に入部する事になる!?!?
    そこには、かつて夢見た全国への道が・・・


    湊かなえ作品とは思えない青春ストーリー!

  • アニメシリーズならここからどんどん話が膨らんでいくんだろうなーと物足りなさを感じる1冊だった。それだけ面白かったということなんだろうな!

    青春物語だけどくさすぎず熱すぎない展開が好みだった。放送部の活動内容も初めて知ることばかりで読んでいて楽しかった。

  • 放送部、という文科系の部活に焦点を当てて描かれた物語。ラジオドラマ制作の過程を、湊さんならではの世界観で描かれているのは面白い。

    湊さん=イヤミスな方からすると、達成感に向かって紡がれていく心地よい感動は(人の根底にあるドロドロ感が欲しいという意味で)物足りなさを感じるかもしれない。でも、登場人物の、入部や制作、発表に至るまでの過程や成長は、キャラクター設定をきっちりしてくるところに湊さんらしさが感じられて面白いと思う。

  • 爽やか〜!!青春!
    正也がまっすぐでとてもいい。
    「ドキュメント」で放送部のその後、早く読みたい。

  • 2021年のカドフェスの時に買ったまま積読でした。やっと読みました。
    交通事故による足のケガで陸上部入部を断念した高校1年の圭祐は、声の良さをほめられ、ラジオドラマの脚本化志望の正也とともに放送部に入部。

    運動部にも大会があるように文化部にもそれぞれの部活によって大会があります。放送部も例外ではなく、朗読やアナウンス、ドキュメント番組やドラマなどの制作部門のコンテストがあり、部内でゴタゴタありながら、みんなでラジオドラマの制作に取り組みます。そして結果は・・・

    先に言うと、うち1部門だけ全国大会に行ける成績を残すんですよね。でも1部門だけでは全国に行ける人数が限られていて、”誰が行くか?”そんなことでもまたひと悶着あり…

    部内の雰囲気はまさに”文化系あるある”
    仲良しこよしの甘さが運営にもすごく出ていて、読んでいて痛い。

    私も高校の頃、放送部でした。大会に出たりといった活動はあまりなかったのですが、アナウンスや朗読の勉強会(外部の)など参加したこともあったなぁ。
    うちの部なんて、この子たち以上にユル活だったので正直恥ずかしいです。

    本編のほか、正也がラジオドラマの脚本の極意を学ぶ番外編も収録されていますが、この番外編に出てくる脚本家の方、作者がモデルなのかな?

  • 殺人事件も起こらないし、ミステリー要素はほとんどない(本当に少しだけありますが)、湊かなえさんらしくない青春小説。

    このジャンルも全然ありですね。

    少し前に瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」を読んでいたので「また駅伝ものかな?」と思っていたら、まさかの放送部。
    タイトル読んどけってことですが…

    番外編「ラジオドラマ」も、本編内の伏線回収やラジオドラマの脚本の凄さがわかって面白かった。

    続編の「ドキュメント」も楽しみです。

  • イヤミス代表の湊かなえが!こんなのも書くの!?

    ってくらいに爽やか青春てき小説です。
    いや、ただただ爽やかじゃないところが湊かなえ風かな。長距離ランナーがまさかの膝の怪我。しかも、目標の高校入学の合格発表の日の帰り道。

    とか。嫌な出だしはやっぱり湊かなえだからか!?

    でも、重松清かな、恩田陸かな。くらいに青春学生小説で、しかも第二弾が出てるらしいじゃない!


    えーーーーーー!!!!!


    です。
    誰も死なないし。誰も怨念やらなんやら抱いてないし。女のギスギスもなし。少年!青年!汗!涙!みんなで頑張る!そんな物語。
    意外です。

    ただ、湊かなえ大ファン!イヤミス大歓迎には物足りないものではあるのかなぁ。笑笑

    もっとギトギト怨念、嫉妬、へばりつく後悔のなみに溺れて欲しかったのはあるかなぁ。割とクールななんだかんだで才能に恵まれてる主人公に、ギトギトギシギシ、なんだか若さすらも恨みたくなるくらいの爽やかさと清廉潔白さにわたしがイヤミスになりそうだった。40歳。わたしがイヤなミセスになりさがりそうでした。

    危ない危ない。

  • 本気で打ち込んできた陸上ができなくなり、放送部に入った主人公。真剣に取り組む同級生の熱意に絆され、取り敢えず部活に参加しているような上級生の意識の違いへの義憤?も後押しして、ある程度は本気になってとりくむ。でも、自分が本当にやりたいことなのかという違和感が付きまとう。陸上部からの誘いもあり、どちらの道を選択するのかがストーリーの根底にある。高校生なりの人生の岐路での感情の揺らぎにむずがゆさを感じつつ、一気に読めました。

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著者プロフィール

1973年、広島県生れ。2007年「聖職者」で小説推理新人賞を受賞(『告白』に収録)。著作に「望郷、海の星」(日本推理作家協会賞短編部門)、『ユートピア』(山本賞)、『贖罪』(エドガー賞候補)等。

「2022年 『こぽこぽ、珈琲 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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