彼らは世界にはなればなれに立っている

著者 :
  • KADOKAWA
3.68
  • (24)
  • (22)
  • (31)
  • (4)
  • (4)
本棚登録 : 308
感想 : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095652

作品紹介・あらすじ

「この町はとっくにひっくり返っている。みんなが気づいていないだけでな」
〈はじまりの町〉の初等科に通う少年・トゥーレ。ドレスの仕立てを仕事にする母は、「羽虫」と呼ばれる存在だ。誇り高い町の住人たちは、他所から来た人々を羽虫と蔑み、公然と差別している。町に20年ぶりに客船がやってきた日、歓迎の祭りに浮き立つ夜にそれは起こった。トゥーレ一家に向けて浴びせられた悪意。その代償のように引き起こされた「奇跡」。やがてトゥーレの母は誰にも告げずに姿を消した。
消えた母親の謎、町を蝕む悪意の連鎖、そして、迫りくる戦争の足音。
ドラマ「相棒」の人気脚本家が突きつける、現代日本人への予言の書。

感想・レビュー・書評

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  • 太田愛さんの作品なので、てっきりミステリーだと思って図書館に新刊リクエストしたら、苦手なファンタジーでした。

    第1章始まりの町の少年が語る羽虫の物語

    第2章なまけ者のマリが語るふたつの足音の物語

    第3章鳥打ち帽子の葉巻屋が語る覗き穴と叛乱の物語

    第4章窟の魔術師が語る奇跡と私たちの物語

    章ごとに語り手が変わる架空の町<塔の地の始まりの町>での物語です。

    第1章の語り手である初等科に通う僕、トゥーレの母のアレンカが行方不明になります。
    アレンカは羽虫と呼ばれる差別階級の生まれでした。
    他にも羽虫と呼ばれている人々が多数登場します。
    第2章では映画館に勤めるマリが語り手。
    第3章は葉巻屋。
    第4章の語り手は死者の声が聞こえる魔術師です。
    そして、第4章では、アレンカがなぜ行方不明になったのかの謎が判明し、物語が繫がります。

    他の方のレビューを拝見すると絶賛されている方が多いのですが、私は作者が何を言いたかったのか、今ひとつわかりませんでした。
    悲しい話であるということはわかりました。

    太田愛さんは『幻夏』が凄くよかったので、期待して読んだのですが、これは私には難しかったです。

    • goya626さん
      まことさんへ
      コメントありがとうございます。私もレヴュー楽しみにしています。太田愛さんは気になるのですが、まだ手が伸ばせていません。
      まことさんへ
      コメントありがとうございます。私もレヴュー楽しみにしています。太田愛さんは気になるのですが、まだ手が伸ばせていません。
      2020/12/19
    • りまのさん
      まことさん
      たくさんの、いいね!の、お返し、ありがとうございます。
      りまのは少し、恥ずかしかったです……。でも、ありがとうございました。
      まことさん
      たくさんの、いいね!の、お返し、ありがとうございます。
      りまのは少し、恥ずかしかったです……。でも、ありがとうございました。
      2020/12/19
    • まことさん
      りまのさん。
      とんでもないです。少なくてごめんなさい(__)
      りまのさんってピュアな方なんですね(*^^*)
      りまのさん。
      とんでもないです。少なくてごめんなさい(__)
      りまのさんってピュアな方なんですね(*^^*)
      2020/12/19
  • 2021年初読み。

    舞台は架空の町。「羽虫」という言葉にいきなり胸を抉られる。

    排除、差別、世界中の至る国での過去、現在進行形を感じそれぞれの立場でのやるせない感情が胸に突き刺さる。

    登場人物誰もの口からほとばしる言葉、全力で言葉にのせて伝えてくる思いはその都度足を止めたくなるほど。

    終盤は圧巻。
    太田さんの思い、メッセージ、言葉のシャワーが心に降り注ぐよう。

    遠い昔にあったこと、近い未来にあるかもしれないこと。それが全て次世代にどう繋がっていくのか。

    これはどこか遠い架空の町というどこか近い現実の世界の物語。

    • まことさん
      くるたんさん。こんにちは。

      私、この作品、難しくてよくわからなかったのですが、くるたんさんのレビューで、ちょっとわかった気がしました。...
      くるたんさん。こんにちは。

      私、この作品、難しくてよくわからなかったのですが、くるたんさんのレビューで、ちょっとわかった気がしました。
      >遠い昔にあったこと、近い未来にあるかもしれないこと。それが全て次世代にどう繋がっていくのか。
      そういうお話だったのですね。
      おぼろげばがら、わかった気がしました。
      どうもありがとうございました!
      2021/01/04
    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪

      いえいえ、私も最初はどういう話かわからなかったんです。
      どぎついファンタジーじゃなかったから読めました。

      随所...
      まことさん♪こんにちは♪

      いえいえ、私も最初はどういう話かわからなかったんです。
      どぎついファンタジーじゃなかったから読めました。

      随所にハッとさせられるというか…戦争にとられたシーンでは、至る国を思い浮かべたし、なんとなく近未来を感じました。
      日本の未来への警鐘って書かれている方もいて、なるほど…と私も勉強になりました。
      難しいですよね〜、こういうのを読み取るのは。
      ミステリでもあり、好みの世界観でした¨̮♡
      2021/01/04
  • 【重版決定!】現実を遠く見はるかす物語に、各界から絶賛の声、続々! 太田愛『彼らは世界にはなればなれに立っている』|株式会社KADOKAWAのプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007900.000007006.html

    『天上の葦』『幻夏』の著者が放つ、破滅と希望のエンターテインメント! 太田愛『彼らは世界にはなればなれに立っている』特別試し読み#1 | カドブン
    https://kadobun.jp/trial/krs_hb/63q5rf5bl30g.html

    彼らは世界にはなればなれに立っている 太田 愛:文芸書 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322002000901/

  • テレビをそのまま引き継いだような今までの刑事モノとは全く違う太田愛さんでありました。
    どこの国がベースなのか、はたまた現代なのか過去なのかを全く悟らせず、これはもしやファンタジーなのか?と思いましたが、突き付けられた問題はあまりにも身近でどこにでもあるものでした。おそらく、他人事ではない私たち自身が考えなきゃいけないことなのよ、と太田さんに言い渡されたカンジです。
    最後の魔術師の章では彼の過去が壮絶でちょっと読むのがツラくなりましたが、「あんた、やっぱ只者ではなかったんだね」とホメてあげたい気持ちです。
    最後もねー ホント悲しかったし…
    こりゃあスゴイ小説読んじゃったよ‼ でした。

  • 現実の世界では無い別の世界の話。
    そこで物語は4人にフォーカスが当たる。羽虫と呼ばれるこの世界の底辺の人間と普通人との壮絶な差別の中で生きた若者と、そこに置き去りされた少女の時間の流れを描く。ただこの世界は何か昔のドイツ帝国を彷彿させる状況で、どんどん人間社会を窮屈にさせていく。 最後に語る不死の魔術師が死者の言葉を聞けるということで、闇に埋もれていた人と、戦争が始まって死んでいった若者の声を聞きながら次の世代の幼き子に想いを伝えていく。何かふしぎな感じのする話。最初から中盤は非常に読みにくかったが、少し話がわかってきてなるほどとなり、本当に現在の世相のを表している様に思えて怖かった。

  • さすが太田さんだなとしか言いようがない。

    どこか遠い国の話のようにふわっと美しい衣をかけているけれども、なんと身近な恐ろしい物語だろう。

    これを、いま、読めることにきっと意味がある。
    目を逸らしてきたものや人を、いいから見ろ!!と頭を掴まれて問答無用で直視させられる。

    暴力的ですらあるけれども、ちゃんと希望がある。

    太田愛さん、ほんとうに本物の天才だな。

  • あれ?ファンタジー?ミステリーじゃないの?腑に落ちぬまま読み進み、その苦さに胸ぐらを掴まれる。風刺なんだ…と気づく。
    こちらに投げかけてくるものは、今までの作品と同じ。大きなものに捻り潰される小さきものの姿。そのあいだで目を瞑ることは、蹂躙に加担することではないのか、という問い。それなのに、抗うことの無惨と無力まで畳みかけるように突きつけてくる。
    そんな不穏さのなかでも、きらきらしたものがところどころにあって、それが私たちを生かしているんだな、と感じた。

  • 架空の町を舞台に、「羽虫」と呼ばれ差別をされる移民が不可解な事件に巻き込まれていく。権力者に踊らされ暴走していく町を描いた、社会派ミステリー。

    最初のうちは、母親が失踪した事件を追う少年の成長の物語かと思っていたら、そんな生やさしいファンタジーではなかった。
    平和ボケした町では、投票率の低下から選挙が廃止になったことを皮切りに、市民のためと称した教育の改革、図書館の書籍の規制、新聞報道への介入など、一部の権力者の都合のいいようにすべてが統制されていく。そのかたわらで、移民である羽虫は人間扱いされず、元からの住民たちの不満のはけ口となる。
    排他的で不正がはびこる腐敗した町が行き着く先には、もう戦争と破滅しかない。

    大国のみならず、この日本も含め、世界が徐々に危険な方向へと進んでいる今だからこそ、作者の熱のこもった警鐘は真っ直ぐに胸に響いてくる。次々に明らかになる救いのない状況はひたすら重苦しく、じっくり読み込むほどにつらさが増す。

    読み終えてから、もう一度序章を読み返す。なるほど、そういうことだったのかと、作者の巧みな構成にしみじみと余韻を味わった。

  • 架空の街の物語。著者の過去作が好きだっただけに、作り込まれた寓話的な世界観に馴染めず戸惑った。

  • これまでの「犯罪者」「幻夏」「天上の葦」といったクライムノベル系3作品とは毛色の違う(とはいえ作中で言いたいことは同じ)、太田愛さんの新作。「塔の地」という仮想の地域を舞台にし、若干ファンタジー感もある。差別や格差・貧困などの現代社会の問題点を警鐘した寓話的作品で、ミステリー要素もありつつ内容はかなり重かった。

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著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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