氷上のフェニックス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 38
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095775

作品紹介・あらすじ

2018年、高橋大輔選手の復活ルポ取材をしました。
これまでも「復活」をかけて挑む競技者の物語を多く描いてきましたが、
高橋選手の戦いは火花が出るようで眩しく――。
「この熱を凝縮させ、もう一つの物語を創りたい」。その着想が、今回の小説作品につながりました。
氷上での戦いを巡り、懸命になる選手たちの姿に声援を送ってもらえたら、書き手冥利に尽きます。
                                                  ――小宮良之

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、オリンピックメダリストの髙橋大輔選手や宇野昌磨選手を取材したスポーツライター

    主人公、星野翔平が使用している曲は実際に大ちゃんが使用した曲? そうでないのもあるのかな?
    ケガは、大ちゃんと一緒?

    パラレルワールド的に書かれたとのこと

    翔平の性格は、誰要素がつよいんだろう?
    凌太は、こんな選手いるだろうなあーとか
    海外の選手についても、いろいろ想像しながら読めて楽しかった。

    ただ観るの(しかも詳しくわかってない)好きなだけのファンの私には
    大好きなフィギュアスケートの世界の裏側を少し垣間見れることができて
    すごく楽しく読めた♡


    ●印象に残ったメンタルトレーナー夏八木廣との会話

    カウンセリング
     会話をするだけ。真剣に話を聞き、それについて答える。正解は提示しない。

    居心地のよい殻の内側にいると、不安や恐怖は増幅しやすい。それはいつか敵意に成り代わって、人をねたんだり、ひがんだりする → SNSの世界はそのひとつ

    長いスパンで、じっくりと物語を作る。迷ったら、目の前の今だけが真実だと思うこと。君だけの今を、何度も何度も繰り返す。今を堪能し、満喫する。今がなかったら、未来もない。そこで、終わりだ
    迷っていい。そこで、今できていることを見つめる。目の前の今をゆがめない

    いつも己に矢印を向ける。誰がどうだ、という比較をしない。比較するときは敬意に満ちていて、負けられない、という感情も奥底に沈めていた。
    いつも第三者の目で自分を見つめているよう

    ●波多野コーチからの手紙から
    新渡戸稲造のベストセラー『武士道』の一節
     「義」 = 「正しい道」 を行くこと。様々な誘惑や妥協に、「勇」敢に挑み、困難を打ち払う。その道において、ためらいや恐怖は敵となる。その恐怖に勝って我が道を行く人は、「仁」の心を持てる。「仁」とは、優しさや慈悲深さ。
    そして「仁」の心を持つ者は、「礼」や「誠」を自然に身につけられる。他者を尊敬すると、言動一つひとつに表出する。自分の立場を突き詰めて相手の立場を想像し、おもんばかれる。

  • フィギュアスケート。少年が五輪を目指す物語。個人競技だけど、なるほど、ライバルと競い合うことで己の技術を高め、それを見た次世代の選手がその思いとともに成長する。
    それは個人というよりは、チーム競技のようでもあり。

    幼なじみで最大のライバル。それは恋敵?
    相性の良い女性コーチ、クセの強い外国人コーチ。
    先輩、後輩、外国人選手と様々な登場人物で飽きさせず、最後までフィギュアスケートを知らなくても面白く読める。

    滑走シーンの描写はスリリングでゾクゾクした。もっと多くてもいいと思う。
    ただ、誰の視点で書かれているのかわからなくなる箇所があり、混乱する。

  • フィギュアスケートに人生をかけた青年たちの物語です。

    手に汗握る戦いを描いているのかなと思いましたが、どっちかというと青年たちのメンタル面を中心に描かれています。試合の描写はトントン拍子で展開していくので、熱き戦いというよりは、「記録」として描かれている印象でした。個人的には、その辺りの描写を詳細に描いてほしかったです。
    また、作者はスポーツライターとして活躍されていることもあり、スケートの知識は豊富かと思いますが、あまりスケートについてわからない人にとっては、もう少し詳しく
    教えてほしかったです。サルコウやループといった技の違いが個人的にあまりわからなかったので、試合での魅力が難解でした。
    また、○○オリンピックが登場しますが、おそらく実際のオリンピックと異なって描かれているかと思います。モスクワやバルセロナといった昭和から平成の時代に起きているのに小説の中では、スマホが登場したり、冬季なのに夏季のオリンピック?だったので、混乱してしまいました。
    なので、全て架空のオリンピックということで自己解決しました。


    登場人物の心理描写に着目すると、挫折や葛藤、嫉妬といったフィギュアスケーターならではの悩みがふんだんに盛り込まれていました。普段目にする選手たちも、こういった経験をされていると思うと、精神面はハンパないなと思ってしまいました。
    幼馴染でもあり、ライバルでもある2人が、時に良き友であったり、ケンカをしたりとドラマのような展開になっていきますが、そこには青春を感じさせる爽やかさもあり、面白かったです。
    2人のほかに様々な選手や個性的なコーチが登場し、話を盛り上げてくれます。
    フィギュアスケートの新しい一面を垣間見た作品でした。

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著者プロフィール

1972年、横浜生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使してEURO、冬季五輪、GPファイナル、W杯を現地取材後、06年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評がある。人物ルポ中心に著書は20冊以上。『導かれし者』『ロスタイムに奇跡を』(角川文庫)『アンチ・ドロップアウト』シリーズ三部作(集英社)『エル・クラシコ』(河出書房)『おれは最後に笑う』(東邦出版)など。小説は『ラストシュート』(角川文庫)に続き、本作が二作目となる。

「2020年 『氷上のフェニックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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