るんびにの子供 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA
3.44
  • (9)
  • (18)
  • (29)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 177
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095805

作品紹介・あらすじ

第1回『幽』怪談文学賞短篇部門大賞受賞作「るんびにの子供」を含む全7篇。宇佐美まことの原点。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 7つのホラー短編集。
    どれも結構好きだった。
    『とびだす絵本』はちょっとファンタジーっぽく
    あれはハッピーエンドだよな。
    『狼魄』は呪いの話なのだが、これが1番好み。
    大人しそうなあの人がねぇ…。

  • 5話からなる短編集。

    「るんびにの子供」
    主人公の女性は幼稚園の頃から人ならざる女の子が見える。その女の子は時々彼女の前に現れて、大人になって結婚してからも時々見られる。それは彼女の前だけでなく同居する嫌な姑の前にも現れてー。

     話の内容どうこうよりも、この話の序盤の言葉に何となく惹かれた。人は子供から大人に成長する、というのが普通の考えだけど、子供はそれ自体で完結していて、大きくなるにつれて生来の能力を手放していくという考え。以前、時の流れを未来から過去に進んでいるというイメージでいる人の事を思い出した。

    「柘榴の家」
    強盗をして警察に追われる青年は見知らぬ家に上がり込む。そこには認知症らしき老女がいて彼の事を孫だと思いこんでいる。それを利用して彼はそこに居着くがー。

     この話を読んで、「え?この本もしかして前に読んでた?」と思った。似たような設定の本を昔読んだ記憶がある。それの結末はどうなったのか覚えてない。

    「手袋」
    犬の散歩中に片っぽの手袋を拾った女性。
    彼女には無神経な妹がいて彼女は妹の存在にいつも神経を逆なでされて怒りがたまっている。
    やがて手袋の持ち主が判明してー。

     これは主人公の女性の気持ちが少なからず理解できた。私も同じような妹がいるから。私の中にも相当根深い怒りがたまっているのは自覚している。

    「キリコ」
    キリコという義姉について語る二人の女性。
    キリコは占い師の家系の出で、人を呪い殺す術を知っていたのでは・・・と語り合う。

     キリコがどうこうよりも、二人の女性の存在にちょっと驚いて少し読み返してしまった。

    「とびだす絵本」
    親戚の家で子供の頃の事を追憶する男性。
    彼には仲の良い幼馴染の女の子がいて、その子との忘れがたい思い出がある。

    薄い本で、すぐに読めてしまう。
    その分、読み終えてすぐに忘れてしまうような印象の話ばかりだった。
    やはり、前に読んだ事あったような・・・と、読み終えてすら思ってしまった。

  •  幼稚園の遠足で、私たちが出会ったのは、先生に近づいてはいけないと言われていた池に頭まで浸かっていた女の子。幼すぎて怖さはなく、幼稚園の園庭にも顔を見せるようになったその子を皆は「久美ちゃん」と呼ぶように。
     大人には見えない「久美ちゃん」は、その後も私の前に現れては消えた。そして、それは私が大人になってからも……。

     表題作ほか、6編のホラー短編集。物の怪の怖さというより、人間の業の怖さというところか。どれも意外性があって、驚かされる。印象的だったのは、書きおろしの『狼魄ラン・ポオー』。誰かの命を奪うことのできる呪具を手に入れることができたとしたら、あなたは、どうしますか?

  • ホラー短編集。日本らしいほのかな怖さが多くてなかなか面白かった。
    個人的には表題の「るんびにの子供」が一番好きかも。
    他の話もだけど、結構主人公にとってイヤな相手が最終的にザマァみたいになる展開があって何かホラーなのにすっきりすることも。
    るんびにって言葉が聞き慣れなくて、ビニールの言い間違いとかかと思ってた。全然違った、インドの地名だった。
    「キリコ」の書き方が巧いミスリードだった。最初完全に若い女性二人が喋ってると思ってたから最後の方で実は二人とも曾孫までいるおばあちゃんだと知って驚愕した。騙されたなぁ。

  • お化けは怖いものではなくて、向こう側へ行ってしまう人間のはなし。好きやなあ。怖い霊などという、そういう怖さは無いんよな。日本の怪談、文章の怪談は、爽やかで、良い。

  • 初めましての作家さん。
    るんびにの子供・柘榴の家・手袋・キリコ・飛び出す絵本・
    獺祭(だっさい)・狼魄(ラン・ポー)
    デビュー作 7つのホラー短編集

    これがデビュー作だなんて、恐ろしい
    既に完成されていると言っても過言ではない
    何かを予想させながら、軽くかわして
    我慢して我慢して復讐を遂げるという感じで
    別の意味でもゾっとする。

    やはりホラーって、色んな怖さがあった方が
    面白いし、うわぁ・・・って思わせてくれるのも
    それらを淡々と語ってくれるのも、ホラーの醍醐味だと
    思ってしまう今日この頃です(^◇^;)

  • 私の大好きなホラー短編集。
    柘榴の家の読後感が好きでしたけど、何より面白いのは岩井志麻子の解説です。屁だけであんなに表現できるなんて…
    これ気になったら買って最初から読むしかありません。ぜひ。

  • 四人の園児たちが池で見たのは自ら上がってくる少女。
    少女は幼稚園「るんびに」まで付いてきた。
    仁美は、その少女を時折見かけた。

    女の家に居候を決め込んでいた男は、その家を追い出されることになってしまった。
    泊まる場所も無い。途方に暮れた男は一軒の古家に入り込む。
    その家に住む老婆は男を孫だと思い込み、男を招じ入れる。
    その古家には柘榴の木があった。

    他5編。

  • kindleunlimitedにて読了。
    人が怖い感じの話が多いけど、確かに怪異もあって、そのバランスがとても良かったです。終始楽しく読ませていただきました。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1957年愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で『幽』怪談文学賞大賞を受賞しデビュー。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『展望塔のラプンテェル』『ボニン浄土』『月の光の届く距離』など。

「2022年 『超怖い物件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宇佐美まことの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×