るんびにの子供 (角川ホラー文庫)

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本棚登録 : 101
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095805

作品紹介・あらすじ

第1回『幽』怪談文学賞短篇部門大賞受賞作「るんびにの子供」を含む全7篇。宇佐美まことの原点。

感想・レビュー・書評

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  • 7つのホラー短編集。
    どれも結構好きだった。
    『とびだす絵本』はちょっとファンタジーっぽく
    あれはハッピーエンドだよな。
    『狼魄』は呪いの話なのだが、これが1番好み。
    大人しそうなあの人がねぇ…。

  • 5話からなる短編集。

    「るんびにの子供」
    主人公の女性は幼稚園の頃から人ならざる女の子が見える。その女の子は時々彼女の前に現れて、大人になって結婚してからも時々見られる。それは彼女の前だけでなく同居する嫌な姑の前にも現れてー。

     話の内容どうこうよりも、この話の序盤の言葉に何となく惹かれた。人は子供から大人に成長する、というのが普通の考えだけど、子供はそれ自体で完結していて、大きくなるにつれて生来の能力を手放していくという考え。以前、時の流れを未来から過去に進んでいるというイメージでいる人の事を思い出した。

    「柘榴の家」
    強盗をして警察に追われる青年は見知らぬ家に上がり込む。そこには認知症らしき老女がいて彼の事を孫だと思いこんでいる。それを利用して彼はそこに居着くがー。

     この話を読んで、「え?この本もしかして前に読んでた?」と思った。似たような設定の本を昔読んだ記憶がある。それの結末はどうなったのか覚えてない。

    「手袋」
    犬の散歩中に片っぽの手袋を拾った女性。
    彼女には無神経な妹がいて彼女は妹の存在にいつも神経を逆なでされて怒りがたまっている。
    やがて手袋の持ち主が判明してー。

     これは主人公の女性の気持ちが少なからず理解できた。私も同じような妹がいるから。私の中にも相当根深い怒りがたまっているのは自覚している。

    「キリコ」
    キリコという義姉について語る二人の女性。
    キリコは占い師の家系の出で、人を呪い殺す術を知っていたのでは・・・と語り合う。

     キリコがどうこうよりも、二人の女性の存在にちょっと驚いて少し読み返してしまった。

    「とびだす絵本」
    親戚の家で子供の頃の事を追憶する男性。
    彼には仲の良い幼馴染の女の子がいて、その子との忘れがたい思い出がある。

    薄い本で、すぐに読めてしまう。
    その分、読み終えてすぐに忘れてしまうような印象の話ばかりだった。
    やはり、前に読んだ事あったような・・・と、読み終えてすら思ってしまった。

  •  幼稚園の遠足で、私たちが出会ったのは、先生に近づいてはいけないと言われていた池に頭まで浸かっていた女の子。幼すぎて怖さはなく、幼稚園の園庭にも顔を見せるようになったその子を皆は「久美ちゃん」と呼ぶように。
     大人には見えない「久美ちゃん」は、その後も私の前に現れては消えた。そして、それは私が大人になってからも……。

     表題作ほか、6編のホラー短編集。物の怪の怖さというより、人間の業の怖さというところか。どれも意外性があって、驚かされる。印象的だったのは、書きおろしの『狼魄ラン・ポオー』。誰かの命を奪うことのできる呪具を手に入れることができたとしたら、あなたは、どうしますか?

  • 怪奇現象を怖がっていると、それに輪をかけて人間の方が怖い。日常に紛れ込む「おかしな事」を怖がらないし、なんなら利用する。岩井志麻子の解説がお下品だけど1番しっくりくるしわかりやすい笑。
    『るんびにの子供』久美ちゃんの正体に迫らないところがいい。義母に見える理由も私について来る理由も分からない。それが「そういうもの」として受け入れた主人公の視点として違和感がない。でも読んでる方はぞわぞわする。
    『柘榴の家』ダントツ怖かった。直也のクズさに嫌悪感を抱いていたのが懐かしくなるレベル。トモさんの目的は一体何…。ボケてるだけだとはどうしても思えない。
    振り返ってみて気づいたけど、揃いも揃って不倫されすぎ。

  • 図書館にて。
    何か?誰かのおすすめで注文。
    表題作が一番面白かった。

  • ホラー短編集。
    なかなかに陰険。
    ものすごく引きこまれるほどではないが、空気感は嫌いじゃない。

  • 前から読みたいと思ってたので
    文庫化になって嬉しい~ヾ(≧∇≦)〃

    ホラー短篇7話。
    ・るんびにの子供
    ・柘榴の家
    ・手袋
    ・キリコ
    ・とびだす絵本
    ・獺祭
    ・狼魄

    最初の、表題作『るんびにの子供』がインパクト大!!
    これって凄い仕返しだなぁ…と思った
    『お母さんにも見えるんですね』『あの子が』
    この仕返し半端ない、
    怖い、怖いガクガクブルブル, アワ((゚゚дд゚゚ ))ワ

    あと『手袋』と『狼魄』が印象に残った。

    『手袋』
    選ばれたというけど同じ波長だったんだろうね、
    手袋によって抑えてたモノが解き放たれる。

    『狼魄』
    おばあちゃんの苦労話が一転、まさかの愛憎劇に!!
    『大丈夫、大丈夫。優佳ならやれるよ』

    おばあちゃんが背中を押してるので上手くやれると私も思う……



    どの話も目オラオラオラァ~って感じの怪異じゃなく
    ひっそりと心の奥にしまい込んでたのが……!!って感じ
    岩井志麻子さんの解説
    「黙り者の屁は臭い」の通りだと思った
    普段大人しく何も言えない分秘めてる感情が膨らむ…
    その感情の先は…

  • 怖いですよねぇ、この帯。「お母さんにも見えるんですね、あの子が」って。読みはじめて、表紙の女の子が何者かわかったときにも、ひ〜っ。

    ホラーは苦手なはずが最近は好んで手を出しているから、もはや怖がりですなどと言うと「どの口が言う」と言われそう(笑)。

    短いものは5頁、あとは30〜40頁程度の怪談は、どれもすぐに読めてわかりやすくて居心地が悪い。怪異そのものよりも、その現象を呼び込んだ人の心の裡に身震いします。

    それより怖いのは、そんな主人公たちの心を「ちょっぴりわかるなぁ」と思ってしまう自分。自身が怪異を操れると知ったとき、その力を使いたくなるほどムカつく相手って、きっと人生で何人かは出会う。思うだけで実際には使ったりしないと思うけど、思いたいけど。ぞわぞわします。

  • 巻末の岩井さんの解説に出てくる諺「黙り者の屁は臭い」そのままに、この短編集はどれも強烈に静かな狂気がプンプン臭う。
    震え上がるようなホラーのパンチは弱いが、奇妙で不思議、ゾクッとくるその余韻は一級品。
    それまで頭で思い描いていた映像が終盤ガラッとひっくり返る印象的な『キリコ』。
    満州からの決死の逃避行の話と現代が交わる『狼魄』は、実際に当時の女性が直面したであろう恐怖に身がすくむ。現代の優佳は狼魄を彼女に使うようだけど、優佳の旦那にもできることなら『キリコ』の茶碗の水を…って思った自分もなかなかに臭い女だ。

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著者プロフィール

1957年、愛媛県生まれ。2006年「るんびにの子供」で 第1回 『幽』 怪談文学賞短編部門大賞を受賞。2017年 『愚者の毒』 (祥伝社文庫)で第70回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞する。19年 『展望塔のラプンツェル』 で 「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」 第1位に選出され、第33回山本周五郎賞候補。他の著書に 『入らずの森』 『死はすぐそこの影の中』 『黒鳥の湖』 など。

「2021年 『羊は安らかに草を食み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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