- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041095812
作品紹介・あらすじ
半世紀の時空を超えて、太郎の言葉はぼくたちの胸にまっすぐ届きます。むしろ先の見えない不安な時代だからこそ、ズシッと響くのかもしれません。そして読み進むうちに、いつのまにか自信が湧いてきて、誇らかな気持ちになる。不思議な感覚です。
やっと時代が太郎に追いついた。そう言う人もいるけれど、ぼくの見方は少しちがいます。追いつく対象ならやがて追い抜かれるはずだけれど、けっしてそうはならないと考えているからです。
再生を果たした太陽の塔が50年のときを超えてぼくたちを挑発するのは、太郎が未来を先取りしていたからではありません。太郎は生涯をとおして「人間とはなにか」「芸術とはなにか」を考えつづけただけです。
人間の本質は千年や二千年では変わりません。太陽の塔がいつまでも古くならないのは、きわめて高度な普遍性を備えているから。おなじように太郎の言葉も古くなりようがないのです。
平野暁臣(文庫版「おわりに」より)
世界のパラダイムが大きく変換する混迷の時代の今こそ、読みたい岡本太郎の言葉の数々。それらは生きることの真の意味を教えてくれ、迷ったとき、困ったとき、ブレそうになったときに、自分の芯を思い出させてくる。文庫化にあたり再編集した最新版。書籍未収録原稿も収録した充実の人生論。
感想・レビュー・書評
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誰もが当たり前のこととして見過ごしている世界に目を凝らし、瞬間瞬間に発見し、驚きを開いていく。これが芸術の役割。
おとなの中にこどもがいるし、こどもの中にもすでにおとなが目覚めている。身内以外のものは敵視する、排他的な心情のなかに、本当の愛があるとは思えない。
本当のことを言うとマズイ。日本人の中に生きている心理である。現実を突きつけられることに抵抗を感じ、むきつけな表現を嫌味ととる。そっとしておかなければならない約束事が、あまりにも多い。このムードのようなものをお互いにそっとしておくことで、大切な何かを流してしまうのである。
代用の生きがいにうつつをぬかして、自分をごまかしてしまうのは空しい。生身をぶち込み、賭けるのが、人生のレースの本当のルールなのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これほどエネルギー溢れる文章を読む機会がない。短いエッセイならまだしも、しっかりと1冊温度も密度も下げることなく語り続ける熱量は、類稀で圧巻でした。
読みながら息継ぎの必要を感じるほど。
言ってることはイマイチ分からないけど、なんだか日常の些細がぶっとぶ、エネルギッシュな一冊です。 -
病んでる時に読みたい本。
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「怒り」について語られているが、語気が荒いのでこちらもイライラしてしまい読み進めるのがきつかった。
ただ、読んでいて苛立ってしまうのはその語気の荒さだけにあらず、自分が岡本太郎の怒りの矛先である「青春をおりた」「取り返しのつかない」若者だという自覚があるからかもしれない。
憤りを露わにする野生的な生き方には、あまり共感できなかった。
しかし、批判的な感想を残すことさえ彼には歓迎されそうな気がする。
後書きにもあったように、ウソをつかず信念を貫く姿勢はとてもかっこいいと思った。 -
岡本太郎のエッセイがあるのは知らなかった。書かれた時代はかなり前だと思うが今でも痛烈な社会批判として通じる。
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「人間とは何か」「芸術とは何か」岡本太郎の言葉は時代を経ても普遍的なメッセージがある。
著者プロフィール
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