本日も教官なり (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095850

作品紹介・あらすじ

豊士の教習車には今日もさまざまな人が乗り込む。カレシに飲酒運転をさせまいと教習所に通う佳世。就職先で免許が必要な大学四年の七八。孫娘の幼稚園送迎のため69歳で免許取得を目指すしの。彼ら教習生に対し紳士的に接することを心掛ける豊士。だが、それどころではなかった。17歳の娘が妊娠したというのだ。若い男女の教習生は、ついつい娘とその相手に見えてしまう。加えて現カノジョ・万由とは徐々に疎遠に。元妻・美鈴との再会がそれを加速させる!?どうなる、ロック中年・豊士!!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館のリサイクル本でもらった一冊

    自動車学校の教官である益子
    別れた妻から連絡があり、
    高校生の娘が妊娠したことを知らされます


    久々に会った妻と娘とのやりとりや
    自動車学校での様子
    行きつけのロックバーでの様子が
    小野寺さんらしいテイストで描かれています



    一番良かったのは
    アドバイスをする際のルールについて

    本人に請われたのでない限り
    アドバイスはしないこと

    どうしろというんじゃなく
    自分ならどうするかを話すこと


    これは覚えておこうと思いました。



    あとは娘が妊娠し、産むと決めた時の
    親の味方でいる姿勢がよかったです

    その分もうちょっと向こうの対応もあるだろって
    思ったりするけど
    これが現実なんかな…

    ちょっと物足りなくて星は3つ

    楽曲が題名でわかる人は
    もっと楽しめるかもです(^^)

  • 小野寺さん8冊目。
    自動車の運転教習所教官の仕事小説かと思ったが、離婚して妻と一緒にいた高校生の娘の妊娠騒動がメイン。10年以上会えなかった娘に親バカが炸裂。元妻に同行を頼まれ、相手の親や高校に同行し、言わなくて良いこともつい言ってしまう。纏わりついたと勘違いして、娘の友達を捕まえたり、娘の妊娠させた相手を恫喝したりということも。
    それでいて教官としては交通法規を厳守し、生徒に誠実に対処する。ギャップがありすぎなような気がする。
    小説に多数出て来る古いロックの曲が、聴けば分かるかも知れないが、タイトルだけでは思い出せない。主人公の心象風景を強く表しているのだろうが、浮かばず残念。

  • 素敵な大人たちが、たくさん出てきました。

    中には中途半端な大人もいるけど、
    自分を持つことの大切さを感じた。

    葛藤しながらも自分の大事な者を守るために、
    考えに考えて元夫に連絡した元妻。

    堕したくないからではなく、産みたいから産む。
    そんな自分の人生をしっかりと決断した女子高生。

    いきなり、大人から難癖をつけられても、
    真摯に頭を下げられて、許すどころか、
    大切な友達のために、一緒にあるく男子高校生。

    真っ当すぎる意見を言われて最初は戸惑うも、
    最後にはそれを認めて新しい自分に出会っていく
    教習生たち。

    そして、
    少し言いたくない気持ちがあっても
    自分の意見を確実に伝えたり、
    自分が失敗したことは相手が誰であろうと
    真摯に、謝罪が出来て、
    仕事のために、自分を律していて、
    仲間のために、相手を思った意見を伝える。
    そんな主人公。

    勝ち負けではないけれど、そんな素敵な大人は、
    最後は勝つんだな。

  • ほっこりした〜〜

    どの登場人物もいい感じ!!!

    離婚した元妻が育てた娘が高校生で妊娠する。どう考えても尋常でない展開かと思いきや…。

    教官もコース(人生)で迷うときがある!!!
    それに諭し諭されながら、自分の信じた道のりを進んでいく主人公。
    子どものようで大人の対応をする主人公。
    なんかカッコイイ!!!

  • 教習所の話。。と思ってたけど、別れた元奥さんから高校生の娘が妊娠したと知らされる所から始まる、ほっこりストーリーだった。

    主人公の益子豊士が、自分ではダメなおっさんて思ってるみたいだけれど、本当良い人で、こんな教官に教わりたかったと今さら思う程。

    ロックの事は全く無知なので、その変わかってたら頭の中で曲を再生しながらもっと楽しめたのかも。

    最後「おぎゃあ」で終わるとこも良い!

  • 大学生の教習生が、わがままでいい味出してる

  • 小野寺さん、淡々といつもの感じ。
    地味に真面目にゆっくり…でも確実にちゃんと歩いていく!これがあるから安心して読める。
    難しい事考えずスルスルと読みながら豊士や教習生、美月や美鈴の人生にちょっとずつ触れ自分の気持ちがちょっとずつ心波打つ。
    心地良い波に癒される…癒されるのは違うのか…
    ほのぼの?ん〜なんか適切な言葉が見つからないから深追いしない(笑)
    豊士さんにとってのロックは自分にとっての本かな?
    人生の何かを大きく変えたりはしないけど人を豊かにする。
    自分はつまらない人間だけど本を読んでいなかったらもっとつまらない人間になっていた。
    この先自分の中から読書がなくなる事はないと思う。
    体が効かなくなったとしても何らかの方法で本に触れ自分の内側にある本の豊かさに寄り添っていたい!

  • 教習所に通う期間は、短いけどみんな何かしら思い出あるはず。これから通う人、通おうか迷ってる人、むかーし通った人、興味ないひとにこそ、覗いてみてほしいな

  • 教官の生活。色々な人が出てくるけど変な人は居なく、嫌な思いをすることのないほのぼのストーリーだった。

  • それほど広くない世界で
    生きる人たちを優しく描く
    どの人にも共感できて好きになってしまう

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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