- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041095904
作品紹介・あらすじ
なんでも屋から「やり残し請け負い屋」に転身した青年テル。
個性的な服装と独特な性格のWEBコンサル女子、木崎すずの手助けもあり、
業績は右肩あがりだ。
50年以上前の恋人の庭に、今何の花が咲いているか調べてほしい老婦人。
余命僅かのため、うまく別れたいと願う夫婦。
記憶喪失になった美女の、破られた日記……。
一方、テル自身にも差出人不明の依頼が届く。
謎解きの果て、優しい涙が止まらない、人生をやり直せる物語。
感想・レビュー・書評
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「やり残し請け負い屋」の主人公が依頼人の"やり残し”に向き合っていくお話。記憶喪失女性と自殺した双子の加害者に復讐しようとする少女のお話が印象に残った。最後の謎解きは予想外の展開だったが、優しいお話だと思った。
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主人公テルは父親が借金を残して出ていった後、母親と二人で普通の学生生活という青春を諦める覚悟で働きながら母親と生きた過去がある。
今は“なんでも屋”のフランチャイズオーナーがうまく行かず、諦めかけた時に受けた仕事から“やり残し請け負い屋”に屋号を変えた矢先に現れたWEBコンサルタントを名乗るスズ。エスニック柄のポンチョとショートカットヘアの自由奔放で正義感が強いスズに振り回されながら気づくテルの自分の心の声。
正体不明な女の子に振り回される不器用男子はいわゆるラノベ的キャラクターという印象で個人的にはときめかなかったけど、数々の依頼は面白く、ラストは切ないけど、テルを応援したくなるかも。
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「花の名は」
庭に植えられていた。
返答は変わりなかったとしても、友人として二人の関係は続いていたかもしれないな。
「タカサキの計略」
最期の時までの時間。
大切な人だからこそ縛り付けたくないとはいえ、互いの気持ちを1番にすべきだよな。
「残された日記」
消えてしまった記憶。
明確な記載は一つもないヒントではあるが、言い慣れた言葉は残っていたのだろう。
「消えた記憶の正体」
過去を取り戻しても。
いつか向き合うことが出来たらいいが、すぐに向き合うことは流石に難しかったな。
「幽霊からの電話」
調べてみてわかる事。
心象が悪くなるから絶対に公開したくないのだろうが、それは間違っているだろう。
「木崎すずのこと」
覚えていなかったが。
何気ない日常の一つだったからこそ、共に過ごしていても気付かなかったのだろう。 -
だいぶ前に読んだから記憶ないけど、読みやすかった印象
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やり残し請負い屋の青年テルが居候の凄腕WEBコンサルのスズとともに仕事をこなしていく様を描いたハートフルな青春お仕事小説。
タイトルは全編を通したテーマであるのだが、一方で最後の事件のためにの題名でもある。
おだやかでほんのりと胸が熱くなる。
気づけば涙誘う場面もある、そんな小説であった。
因果応報というか、前を向いて真っ直ぐに生きよう、他人に手を差し伸べられる人間になろう、そんなことを思わされた。