盤上に君はもういない

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041095959

作品紹介・あらすじ

プロ棋士を目指す若者たちの最後の試練、奨励会三段リーグ。将棋の名門に生まれ、史上初の女性棋士を目指す諏訪飛鳥の前に、将棋ソフトと同じ手を指す天才少年・竹森稜太が立ちはだかる!

感想・レビュー・書評

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  • 帯に”全員泣きました”と書かれていたんですが、泣きませんでした。こういうアオリを見た後に、号泣期待して読んで、全く自分の泣きツボでなかったときの落胆というか、ガッカリ感がすごい。ていうか、ラストが「そこでおわるんかーー」という感想(超個人的)。史上初の女性棋士が2人誕生、健康な桂香さんタイプと病弱な銀子タイプ、その2人と同時期に出てきた最年少天才棋士竹森稜太(藤井聡太二冠がベースになっているっぽいキャラで、しかしドMなAI棋士)と飛鳥の絡みが面白かった。タイトルが『盤上に君はもういない』というところから、棋士の誰かが亡くなるんだろうと思っていたが、そこらへんのミスリードというか、、いやもう、その人は盤上にいなくてもそんなに関係ないんちゃうん的なね。ともかく、Jrの祖母があまりにもステレオタイプという感じのフレンチ女で、ちょっとしか出てこないながら、めちゃめちゃイラっとさせられるところが逆に興味深いというか、、。まあ、おもしろかったです。
    新潟県出身の作家さんで地元作家コーナーにデデンと平置き推しされていまして、タイトルホルダーになる女性棋士が、新潟の大病院一族の本家の長女で、弟が古町に住んでいる設定とか、ご当地感もちらほらと出てくる。

  • 棋士と女流棋士の違いもわからない、奨励会の年齢制限も知らない、そんな私でも最後の最後までこの世界で楽しんだ。いや、楽しんだというのは違うか、苦しみながらともに走った、という感じか。

    女性が棋士となる。そしてタイトルを手にする。
    文字にすればたったこれだけのことが、どれほどの困難を伴うのか、いやというほど思い知らされた。
    最高の環境で育ってきた棋界の申し子飛鳥と、肺に持病をもちながら年齢制限ぎりぎりで棋士へと挑戦する夕妃。
    16歳と26歳での初対局からの長い長い闘いの日々。
    まさに命を削って駒と向き合う二人の、それぞれの半生。将棋だけを見つめてきた日々は、けれど意外な物語を秘めていたわけで。それが明かされるラストの展開。そうきたか…そういうことか…とすべてが腑に落ちる。

    個人的には別の展開を予想していた。全然違いましたけど(笑
    その予想が外れた後の展開は次の想定内ではあったが、細かい伏線が美しく回収され最高のラストへと導かれる。

    厳しい世界ではある。けれど、それはヒトとヒトをつなぎ、相手のことをとことん思いぬく勝負であり盤上での心のやり取りなのだ。

  • 綾崎さんは、やはり恋のない愛の物語を書くのに長けてるなぁ。

    本作もその例に漏れず、恋のない深い愛の物語だった。
    若干、いやいやそれは流石に無理あるだろ的なツッコミがあるけれど、それはまぁすておけばいいし、やはり綾崎さんはロマンチストなのでしょうね。


    ここに終着するのかというラストで賛否ありそうだけどわたしは好きです。
    タイトルを奪って終わりじゃないのが綾崎さんらしくて良いと思います。

    しかし、ほんとうに棋士になるのって大変なんだなぁ。

  • 駒の動かし方もあまり覚えていませんが、子供の頃は結構ポピュラーな遊びだったので、なんだかんだ将棋に触れていたような気がします。羽生さん、藤井君やひふみんの人気で将棋の世界が身近になっていますが、天才が跋扈する血みどろの世界であるという事は、本を読んで色々想像しています。
    本書は虚弱な体を押して、将棋の世界を極めんとする女性の物語です。
    テンポよくポンポン時間が進んでいく潔さは気持ちが良かったです。
    次第に分かってくる事の顛末の重たさと、将棋に命を賭ける重さで、表紙で見られるような軽快さよりも重厚な雰囲気を醸し出していると思います。

  • 将棋の初の女性棋士を目指す二人のお話

    棋士一家に生まれた将棋の子の諏訪飛鳥は史上初の女性棋士を目指し、3段リーグに挑戦するが
    そこには年齢制限ギリギリで病弱な千桜夕妃がいた
    お互いに女性初の棋士、昇段、タイトルを競い合うが……


    史上初の女性棋士がデビュー戦を欠場し、そのまま無期限の欠場届
    その後、フリークラスから復帰するが、空白の2年に何があったのか?


    観戦記者の佐竹亜弓が冒頭でペットの臨終に際して大事なインタビューをリスケしたというのが対比になってるんだろうなぁ
    自分の中で何が大事なのか、決められる人は意外と少ないかも知れない



    3段リーグやタイトル予選が主人公無双のご都合展開になってないのが実にリアル
    そうそうトントン拍子には行かないよなぁ
    ま、竹森はその辺の描写が少ないまま複数のタイトルを獲得してるわけだけれども(笑)

    それにしても、女性棋士はそろそろ誕生してもいい頃だとは思う
    今年は西山朋佳さんが3位で昇段できなかった事から、あと一歩なんだよね
    里見香奈さんは3段リーグで勝ち越しが難しかったというのに比べれば、マジであと一歩なんだよな

    そして改めて調べたら、来期から中七海さんが3段リーグに入るようで、女性棋士誕生の期待がさらに高まる

    ってか、飛鳥の容姿がぽっちゃりというのは西山さんをモデルにしてるのか?激しい棋風とかもね

    それはそうと、将棋に詳しい人なら誰がモデルか色々と思い当たるんだろうな

    先述の里見香奈、西山朋佳は言わずもがな
    幼少期からの闘病や欠場は村山聖だろうし
    失踪というのは林葉直子か?(笑)
    竹森は明らかに藤井聡太
    師匠の朝倉さんは誰がモデルなのかね?
    囲碁で糖尿病の棋士はいるみたいだけど、将棋の棋士で欠場するくらいに糖尿病を患っている人って誰かいるのか?

    あと、棋戦の竜皇は竜王だろうけど
    飛王は何だろうね?
    予選がトーナメントとリーグって事は王位か王将あたり?

    と、架空の名前にしているところもあれば、永世棋聖の米長は実名なのね
    基準がわからねぇ……

    フィクションとリアルの境目が良くわからなくなってきている今日このごろ
    「りゅうおうのおしごと!」では高校生が竜王という、発売当時は「それはねーよ」と言われていた状況が藤井聡太によって高校生2冠とあっさり現実がフィクションを追い抜き、残っているのは小学生女子の内弟子展開のみ(笑)

    奨励会を経ないプロ棋士も誕生してるし、フィクションの設定にツッコミが入りそうな状況が現実で起きてる事から考えるに、やはり女性棋士はそのうち誕生すると思う

    ま、作中で飛鳥のおじいちゃんが言ってるのとはまた違う意味で、時代の流れや勢いってあると思うんだよな
    100mで10秒を切るというのもスポーツ科学が発達してきたのも要因だろうし
    ネットやプログラムで将棋の勉強ができる現在
    作中でも語られている女性ならではの将棋の勉強のしにくさも解消されつつあるのではないかと



    でも、将棋の国際普及については望み薄なんじゃなかろうか?
    どの二人零和有限確定完全情報ゲームも宿命だろうけど、今や人間はプロですらコンピュータには負ける状況で、如何に人同士が対局する意義を見つけられるかという段階に来ている

    チェス人気もカスパロフがディープブルーに負けてから一気に下がった印象
    コンピュータの導き出す正解の一手を人間が当てられるかという見方をされているように感じる

    将棋も似たような展開にはなってるけど、評価関数のアルゴリズムやその手の理由に関してはどんどんブラックボックス化していっているので、人間が理解できる次元ではやはり人間同士の勝負が必要という感じだろうか?

    そんな意味ではチェスからファンが流れ込んできているという情報を以前目にした事があるけど、今はどうなってるんだろうね?

    あと、囲碁に関してはアルファ碁が一足飛びでプロに勝つという事をやり遂げた上に、コンピュータの一手の意味がその時点でまったく理解できないという状況
    囲碁人気自体、日本でもヒカルの碁でプレイヤー人口が一時的に増えたけど、もうそんなにニュースで取り上げられるほどには注目されていないもんなぁ


    ま、女性棋士が誕生して国際的にも将棋が広まってくれる展開は嬉しくはあるんだけどね

  • さまざまな人の目線から見るひとりの女性棋士の物語。そして、愛の、人生の物語。飛鳥がすごく魅力的な女の子でついつい飛鳥に肩入れしながら読んでしまった。将棋についての知識はほとんどないけれど、最後まで楽しくわくわくと読んだ!

  • ほんとに綾崎先生はすごい。一作目からずっと追っている一読者として、まず10周年を迎えられたことにお祝い申し上げたいです。おめでとうございます。また、待望のレッドスワンシリーズ続編の発表も非常に楽しみにしております。花鳥風月シリーズやノーブルチルドレンでは特定の職業ではなく、いわゆるどこかにいる人人の話を書くスタイルだったかと思いますが、レッドスワンや今回の作品では特定のスポーツや職業を深く掘り下げてさらにそこでの人間ドラマを描かれています。将棋という私にとってはあまり親しみのない競技ではありますが、将棋の魅力も十分すぎるほど伝わるものでした。とてもバランスがいいのだと勝手に思っています。
    さて、綾崎先生といえば私の中では人物描写が特に優れている方だという認識ですが、今回もまた繊細に力強くキャラが描かれていて、どのキャラクターも魅力的です。将棋の対決の高揚感や緊張感、また敗北や勝利に対する葛藤や喜びが事細かに描かれており、こちらまでドキドキさせられます。
    ネタバレは含まない方が良いと思うのでこの辺で終わりたいですが、相も変わらず綾崎先生の作品が大好きになる作品でした。

  • 波瀾万丈のようで、肩にハマった人生なんだなー。将棋の賞金が凄い額なのはびっくりした。

  • 2人の女性棋士の物語。
    棋士の世界では男性のものとされていた中で、
    棋士となった二人の女性の葛藤が描かれる。

    将棋の世界のことは全然知らなかったけど、
    新しい世界を切り開いていく二人の女性の
    奮闘ぶりに心を熱くさせられた。

  • 将棋の要素はオマケで、人間ドラマがメインな感じ。結末も最初からは想像できない。誰の物語なのか、中盤になって気づいた。

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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