歌集 滑走路 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.21
  • (7)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 111
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096123

作品紹介・あらすじ

歌集としては異例のベストセラー。そして、映画化も決定!
いじめ、非正規雇用……逆境に負けず それでも生きる希望を歌い続け
32歳という若さで命を絶った歌人・の萩原慎一郎の歌集がついに文庫化。

解説:又吉直樹

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

NHKニュースウオッチ9で「“非正規”歌人が残したもの」として紹介され、大反響。
10月16日放送、NHK「クローズアップ現代+」で特集、又吉直樹氏により大絶賛。
11月3日「朝日新聞」「売れてる本」、「日経新聞」書評欄「ベストセラーの裏側」掲載
11月20日「毎日新聞」特集ワイド掲載。
紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2019」、第8位。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 心が躍ったり、落ち込んだり、忙しい歌集でした。
    恋の歌が好きだなー。おばちゃん、ときめいちゃったもの。
    萩原さんの短歌は優しいだけじゃないと思う。(良い意味で)プライドが高く、向上心に溢れていて、創作への情熱が痛いほど伝わる。
    こんなにストレートに心に入る短歌ははじめてかもしれない。今まで読んできた短歌はくすぐってきたり、引っ掛かりがあったりするものが多かった。(そんなに読んでいませんが)
    文庫化に供なって追加された又吉さんの解説がすこぶる良くて、なんだか勝手に救われた気分になった。

    この本は一時期ネット書店で軒並み売り切れで買えなかった。リアル書店に「あそこなら、あるかも」と期待と願をかけて赴き、平置きで一冊だけ置いてあったもの。
    見つけたときキラキラ光って見えた。
    そんな思い出とともに特別な本になった。

  • 映画から入る。
    それはそれ。
    仕事の辛さ、先の見えない生活、届かない想い、、、辛い歌たち。一方で色んなものに向ける優しいまなざしも感じられる歌たち。
    短歌で飛び立ちたかった彼が、飛び立つことが決まった直後に命を絶つほど辛いことがあったのかと思うと胸が締め付けられる。

  • 詩集というものをほとんど買ったことがなく、たしかNHKニュース9でも取り上げられていて、買って読みたいと思っていた。
    写真を撮影するときにピントが合うような言葉の選び方が上手で、とても感動した。
    著者には生きて言葉を紡いで欲しかった...

  • 遅ればせながら読みました。
    読んで感じたことを最初全く言語化できなかったけれど、解説を読んでようやく少し言語化できるようになった気がします。
    特に又吉さんの読み解きの深さに救われました。
    ようやく、自分が感じていたものの正体や、それでいて自分の読み解きの浅さが浮き彫りになったから。

    詠み手の優しさ、彼の目を通して見た世界を今こうして追体験出来る奇跡。
    口語の短歌なので、すぐそばで語り掛けてくれているようであり、励ましの歌にこんな情勢だからこそより救われている。
    自らの翼で滑走路から飛び立った彼の心が今も自由で優しく美しくあれと願ってやみません。

    この境地に自分は到底たどり着けませんが、少しでも近づけるよう何度も読み込もうと思う一冊です。

  • 【解説:又吉直樹】
    われを待つひとが未来にいることを願ってともすひとりの部屋を 「歌という鳥」

    たとえば、その「われを待つ人」は私でもある。萩原さんが短歌で作った滑走路は彼だけのものではない。萩原さんが「ぼくたち」と言ってくれる限り、それは万人に開かれている。萩原さんは苦しい夜を何度も何度もくぐり抜けた。この歌集はその格闘のしるしでもある。私はどうしようもない夜にこの歌集をひらくだろう。その夜を乗り越える方法を萩原さんの短歌が教えてくれる。
    (p.167)

  • 2021年7月読了。


  • NHKで特集された際ゲストの又吉直樹さんが、歌集から垣間見える作者の人間性について、【生きづらかったんだろうなと思うが】【大好きです】というような発言をしていて、思わず大きく頷いた。だって、この歌集、あまりに優しいから。

    作者は、子どもの頃周囲に馴染めずつまずき、大人になってからは非正規雇用から抜け出せず自分の望んだ生活を送れていなかったようだ。それでも短歌からは、人間へのあたたかい眼差しが感じられて切なくなる。

    短歌が生きる糧だった作者。こうしたい、こうなりたい、じゃあどうしたらいいんだ、と常に足掻いて模索していただろうことが読み取れる。多くの人と同じ、不条理な世間に呑み込まれながらも、必死に生きる努力をしていたのだと思う。

    この本は私にとって、自分を鼓舞するとき、傷ついたとき、抱き止めてほしいときに読み返す大切な本。作者はもういないけれど、あなたが残した歌は今日も誰かを救っていると思う。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1984年 東京都生まれ私立武蔵高校・早稲田大学卒業。りとむ短歌会所属2017年6月8日逝去(享年32)

「2020年 『歌集 滑走路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

萩原慎一郎の作品

歌集 滑走路 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×