悪玉伝 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 120
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096833

作品紹介・あらすじ

大坂商人の吉兵衛は、風雅を愛する男伊達。兄の逝去により、将軍をも巻き込んだ相続争いに巻き込まれてしまう。吉兵衛は大坂商人の意地をかけ、江戸を相手に大勝負に挑む。第22回司馬遼太郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 時の権力に叩き潰されそうになりながら、文字通り不撓不屈で挑む主人公。大団円とは言い切れない結末も、続きが読みたくなる一冊

  • 悪玉って誰?まあーこの花の毒々しいこと!
    うん?大阪VS江戸? 商人VS武士社会?
    登場人物がみんな魅力的で好き。

  • 大岡越前守忠相日記に辰巳屋一件と記される実際にあった事件を作者が江戸対大阪、幕府の経済政策という観点から捉え直した歴史小説。
    大阪の商家の相続争いがなぜ、江戸で裁かれ、死罪の者まで出ることになったのか?登場人物のくっきりとした人物像と相まって、納得できるストーリーになっている。
    カバーはなぜ牡丹の花なのか?「悪玉」とどう関係するのか?最後まで読むと、そこに複数の意味が込められているのがわかる。

  • 大坂豪商 辰巳屋の跡目争いが、大岡越前守、吉宗公を巻き込む騒動になっていく。

    さすが朝井まかて、一気に読んでしまった。
    時代小説の好きなところは、ストーリーも楽しめながら当時の文化や風習、経済など知らなかったことがわかるところ。

    主人公は木津屋吉兵衛の視点で進んでいくが、知らず知らず応援していたほどキャラクターが魅力的に描かれている。
    残り50ページになったとき、ここからどうやって挽回できるのか、するのか、とハラハラしてしまった。
    誰が悪玉なのか、捉え方によって異なる。

    大阪大学教授 高島先生の解説は本編を読んだ後に読むとよい。
    当時の金銀貨の価値、経済、裁きなどなど着目点がわかりやすくまさに“解説”。
    また読みたくなった。
    朝井まかての作品は、読後が本当に良い。

  • 202101/辰巳屋一件なる跡目争いを題材にした物語。放蕩次男が、実兄の死により実家の大商家に戻り葬儀手配を進めるも、相続争い・奉行所に訴状沙汰と展開していき…。悪玉とは?そして、時代背景や立場等により変わる正義の意味。私はエンタメ好みなので、キャラや畳み方に多少すっきりしないところもあったけど、読み応えあり面白かった。

  • これは・・・忖度。

    そりゃご政道は綺麗ごとでは済まないでしょうし、忠相の推察通りならそれは私利私欲ではないのだろうけど、吉兵衛の立場に立ってみれば何たる理不尽、不正義、悪逆非道。色々あっても概ね評価の高い将軍吉宗や大岡越前が何故に?と悲嘆にくれる思いです。(それだけ面白かった、と言うことです。念のため。)

    唐金屋の大義は何だったんでしょうかね。商人のメンツとありますが、もしや単なる親馬鹿ではないのでしょうが。。。都市再開発のための地上げですか?


    とっても不思議ちゃんのお瑠璃が最後に少し、救いになりました。

  • 壮絶。作者の凄みを感じる一冊。

  • 第一章 満中陰 第二章 甘藷と桜 第三章 白洲
    第四章 鬼門 第五章 依怙の沙汰 第六章 辰巳屋一件
    第七章 波紋 第八章 弁財天

    悪玉の一代記と思っていたら、もっと悪い奴がいっぱい出てきた。吉兵衛は「悪玉で無い」と言えないとは思うけどね。

  • 大阪商人の跡目争い。
    大阪東町奉行の裁きで一件落着した…はずだったが・・。

    何故か将軍・吉宗直々の声がかりで、江戸にて再審の運びとなる。

    背後で蠢く大きな力、
    そして、
    それぞれの思惑とは…



    大阪、京を股にかけ、湯水の如く銀子を使い放蕩の限りを尽くし、己の身代を食いつぶす主人公・木津屋吉兵衛は、生家である薪問屋・辰巳屋を継いだ実兄・久座衛門の急死の知らせを受け駆けつけるが、かねてより反りの合わない辰巳屋大番頭・与兵衛が全てを取り仕切り、吉兵衛を蚊帳の外へ追いやる。

    兄の娘・伊波の婿にと養子に迎えていた乙之助を操り、辰巳屋の身代を我が物にすべく策を弄する与兵衛だったが、吉兵衛によって全て封じられ、乙之助は行方を晦まし与兵衛は辰巳屋を追放される。

    辰巳屋の跡目を継いだ吉兵衛は心を入れ替え、遊ぶ間も惜しんで兄亡き後の始末に奔走するが、実は莫大な武家への貸し付けで辰巳屋の身代も傾いている事が判明する。

    そして、
    ある日突然、大阪東町奉行に訴状が出され、吉兵衛は辰巳屋乗っ取りの嫌疑で裁かれる事になる。
    訴人は、あの乙之助だった。

    兼ねてから、同好の士として深く関わってきた馬場源四郎(大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人)との関係もあり、無事お咎めなしの裁定が下るが、この事が後々想像を絶する大きな禍根となる。

    社会の、理不尽極まりない力に翻弄される一人の男の凄まじい意地…矜持



    ◯木津屋(辰巳屋)吉兵衛…辰巳屋の次男坊。十三歳で木津屋に養子に入る。放蕩三昧で木津屋の身代は潰える寸前。

    ◯三郎太…吉兵衛の二十歳の頃からの遊び仲間。道頓堀の格式高い芝居茶屋・升屋の主人。異国の珍しい食べ物や、酒、品物にら通じている。武家と商人との「お手つなぎ」で小遣い稼ぎ。

    ◯大和屋惣右衛門…同じく吉兵衛の遊び仲間。中之島指折りの両替商。

    ◯馬場源四郎…大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人。吉兵衛の文人仲間。

    ◯唐金屋与茂作(右衛門佐政則)…泉州佐野浦の廻船問屋の主人。乙之助の父親。
    諸国大名への貸付を始め、岸和田藩の財政まで握り、将軍・吉宗とも昵懇。

    ◯大岡忠相…江戸町奉行から寺社奉行へ出世し大名格となった。大岡越前。

    ◯伊波…吉兵衛の姪。乙之助とは反りが合わず、吉兵衛の次男・綱次郎に想いを寄せるが…

    ◯乙之助…伊波の婿として辰巳屋に養子に入った唐金屋与茂作の息子。実は男色。

    ◯辰三…吉兵衛が江戸で勾留された牢の添役。切れ者で何かと吉兵衛にアドバイスをくれる。

    ◯お瑠璃…親娘ほど歳の離れた後妻。島原の遊郭で禿をしていたのを一目惚れし、前代未聞の額で落籍た。

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著者プロフィール

1959年、大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』に改題)で受賞してデビュー。2013年に『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代小説大賞、2014年に同書で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、2015年に『すかたん』で第3回大阪ほんま本大賞、2016年に『眩』で第22回中山義秀文学賞、2017年に『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、2018年に『雲上雲下』で第13回中央公論文芸賞、『悪玉伝』で第22回司馬遼太郎賞。2019年に大阪文化賞。2020年に『グッドバイ』で親鸞賞、2021年に『類』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の著書に『ちゃんちゃら』『ぬけまいる』『藪医 ふらここ堂』『輪舞曲』などがある。

「2021年 『草々不一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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