- KADOKAWA (2020年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784041096833
作品紹介・あらすじ
大坂商人の吉兵衛は、風雅を愛する男伊達。兄の逝去により、将軍をも巻き込んだ相続争いに巻き込まれてしまう。吉兵衛は大坂商人の意地をかけ、江戸を相手に大勝負に挑む。第22回司馬遼太郎賞受賞作。
みんなの感想まとめ
物語は、江戸時代の大坂商人が直面する相続争いを描き、主人公の吉兵衛が不当な訴訟に巻き込まれる様子を通じて、権力や慣習の悪に立ち向かう姿を描いています。吉兵衛は、養子としての立場や家族の問題に悩みながら...
感想・レビュー・書評
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これは恐れ入った。
吉宗の時代、大疑獄事件になった、辰巳屋の相続のもつれ。
主人公の吉兵衛は、辰巳屋に生まれたが別家に養子に出された次男。辰巳屋の主人だった長男が亡くなり、養子がまだ若く不甲斐ないために、辰巳屋の跡を継いだ。
これが不当として奉行所に訴えられ、一旦は治ったものの、今度は江戸の目安箱に訴えが及び、江戸での訴訟となる。
吉兵衛の人となりが今ひとつ好きになれず、前半はとてもダラダラ読んでしまった。
訴訟となり、牢に吉兵衛が入ってからは、俄然面白くなり、一気に読み終えた。
彼が訴えられたために、確かに辰巳屋を潰したと言えるから、悪玉なのだろう。しかしながら、本当にダメだったのは彼なのか?そんな疑問がじわじわ。
制度の悪、慣習の悪、辰巳屋がいないほうが都合がいい者の悪、与えられた役割から逃げた悪、ちょっといろいろあって書ききれない。
養子が抱いた外聞の悪い恥を、訴訟の場でずっと黙っていた吉兵衛が、何とも粋だと思った。
この疑獄のおかげで多数の刑死者も出たわけだが、本当に悪かったのは吉兵衛なのかどうか。
作品中の敵役はたぶん唐金屋になるが、この唐金屋もなかなか曲者。
最後はそうきたか!とまた清々しくしてやられたので、読んで満足した。
正直なところ、辰巳屋の養子だった乙之介が、きちんと仁義をわきまえていれば、刑死者が出ることもなくおさまっただろうに、と思った。
吉兵衛は事件に連なって死んだ人にも思いを馳せたが、乙之介はどうだったのだろう。
何も感じずにただ被害者意識でいるなら、本当の悪は愚かな頭脳と覚悟の甘いこいつだわ、と感じた。
馬鹿は罪。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大坂の商家の後継ぎ問題に大坂町奉行だけでなく幕府の中枢まで関与するなんて壮大なフィクションだなと思っていたら、後書によると詳細は別として大筋は史実だったのですね。
銀を基準とした商人の町 大坂と金が流通する武家社会の江戸との間で発生する、両替差益による経済の浮沈を巡る攻防が興味深い。
現代に生きる自分としては商人側を応援したくなりますが、幕府体制の安定が第一義である武家の理屈も理解できます。
そんな中で、大岡越前守が裁きの名手としてではなく、苦悩する役人として描かれているところも良かった。
司馬遼太郎賞受賞に納得です。 -
時の権力に叩き潰されそうになりながら、文字通り不撓不屈で挑む主人公。大団円とは言い切れない結末も、続きが読みたくなる一冊
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悪玉って誰?まあーこの花の毒々しいこと!
うん?大阪VS江戸? 商人VS武士社会?
登場人物がみんな魅力的で好き。
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大岡越前守忠相日記に辰巳屋一件と記される実際にあった事件を作者が江戸対大阪、幕府の経済政策という観点から捉え直した歴史小説。
大阪の商家の相続争いがなぜ、江戸で裁かれ、死罪の者まで出ることになったのか?登場人物のくっきりとした人物像と相まって、納得できるストーリーになっている。
カバーはなぜ牡丹の花なのか?「悪玉」とどう関係するのか?最後まで読むと、そこに複数の意味が込められているのがわかる。 -
大坂豪商 辰巳屋の跡目争いが、大岡越前守、吉宗公を巻き込む騒動になっていく。
さすが朝井まかて、一気に読んでしまった。
時代小説の好きなところは、ストーリーも楽しめながら当時の文化や風習、経済など知らなかったことがわかるところ。
主人公は木津屋吉兵衛の視点で進んでいくが、知らず知らず応援していたほどキャラクターが魅力的に描かれている。
残り50ページになったとき、ここからどうやって挽回できるのか、するのか、とハラハラしてしまった。
誰が悪玉なのか、捉え方によって異なる。
大阪大学教授 高島先生の解説は本編を読んだ後に読むとよい。
当時の金銀貨の価値、経済、裁きなどなど着目点がわかりやすくまさに“解説”。
また読みたくなった。
朝井まかての作品は、読後が本当に良い。
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202101/辰巳屋一件なる跡目争いを題材にした物語。放蕩次男が、実兄の死により実家の大商家に戻り葬儀手配を進めるも、相続争い・奉行所に訴状沙汰と展開していき…。悪玉とは?そして、時代背景や立場等により変わる正義の意味。私はエンタメ好みなので、キャラや畳み方に多少すっきりしないところもあったけど、読み応えあり面白かった。
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大阪炭問屋の主・木津屋吉兵衛は風雅を愛する伊達男。家業を顧みず放蕩の限りを尽くしていたところ、兄の訃報が舞い込む。店を我が物にしようと企む大番頭の策略で相続争いに巻き込まれた。
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大岡裁きで有名な大岡越前も、この物語では
少し人間味のある描かれ方をしている。面白かった。 -
金銀為替のあたりが様々な立場から描いてあって面白いです
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他の作家もこの事件を小説にしている。
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大坂商人の木津屋吉兵衛は優雅な生活を送っていたが、実家の辰巳屋久佐衛門の急逝で物語が展開する.大番頭の与兵衛に牛耳られていた辰巳屋の跡目争いで本命の乙乃助が与兵衛と組んで良からぬ企みを企ていることを察知した吉兵衛が動き始める.久佐衛門の満中陰は無事に終えたが、乙之助が訴訟を起こし最終的に吉兵衛は江戸送りとなる.牢名主らとうまく立ち回る吉兵衛は、自白はせず事件の拡大を横目で見ながら、最終的に黒幕の唐金屋与茂作との交渉で、遠島の沙汰を減じてもらうことになる.大坂商人の辛抱強い気質と多くの人を巻き込む人柄が最終的な勝利につながる物語だが、江戸時代の風景が滲み出てくるような記述には、著者の力量を感じた.
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面白かった。読み進むうちに何が真実かわからなくなってくる。ワクワクしながら読み終えました。
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これは・・・忖度。
そりゃご政道は綺麗ごとでは済まないでしょうし、忠相の推察通りならそれは私利私欲ではないのだろうけど、吉兵衛の立場に立ってみれば何たる理不尽、不正義、悪逆非道。色々あっても概ね評価の高い将軍吉宗や大岡越前が何故に?と悲嘆にくれる思いです。(それだけ面白かった、と言うことです。念のため。)
唐金屋の大義は何だったんでしょうかね。商人のメンツとありますが、もしや単なる親馬鹿ではないのでしょうが。。。都市再開発のための地上げですか?
とっても不思議ちゃんのお瑠璃が最後に少し、救いになりました。 -
壮絶。作者の凄みを感じる一冊。
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第一章 満中陰 第二章 甘藷と桜 第三章 白洲
第四章 鬼門 第五章 依怙の沙汰 第六章 辰巳屋一件
第七章 波紋 第八章 弁財天
悪玉の一代記と思っていたら、もっと悪い奴がいっぱい出てきた。吉兵衛は「悪玉で無い」と言えないとは思うけどね。
著者プロフィール
朝井まかての作品
