- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041096857
作品紹介・あらすじ
北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。
感想・レビュー・書評
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特殊設定ミステリー
頭の中はジョジョのスタンドバトルを想像しながら読んでました
主人公と一緒に能力を推理するのは楽しい
うーむ 読後に得ることが浮かばない
自身 スクールカーストという大半は経験するだろう青春時代の葛藤に疎く、共感できないからかもしれない
多様性が叫ばれる中、集団にあわせる同調圧力は年々薄まってるかと感じる(中高学校はまだまだなのか?)
琴線メモ
■私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります。さようなら
■あと一年半──たった、それだけの辛抱。この檻から抜け出せる。
■人は、みんなで仲良くするべきだと。でもそんなものはまやかし。人は無理に人と生きる必要はない。 -
垣内友弘の通う私立北楓高校で一カ月に三人の自殺者がでます。
一人目は小早川燈花で女子トイレで首つり自殺。
二人目は村嶋竜也で校舎から飛び降り自殺。
三人目は高井健友で校舎から飛び降り自殺です。三人共同じ文面の遺書を残しています。
垣内の幼なじみで同じマンションの隣室に住む白瀬美月はショックのために不登校になっています。
垣内が美月の家を訪ねると美月は「人殺しがいる。みんなあいつに殺される」と言い、死神が三人を殺したのであり、三人共自殺ではないと言います。そして学校にいけば次に自分か山霧こずえが殺されるのだと言います。
そして垣内は同じクラスでサッカー部の八重樫卓とともに山霧こずえの命を守るために動き出しますが…。
北楓高校には毎年4名の超常的で特別な能力を持つ<受取人>という生徒が代々選ばれます。
そして、垣内は三十二代目の受取人が死んだので、三十三代目の<受取人>に選ばれてしまいます。
特別な能力は受け継いだ生徒により違い、垣内の持つ能力は「嘘を見破る能力」でした。
そして八重樫もまた<受取人>であり「人の好き嫌いがわかる能力」を持っていました。
垣内らは「人を自殺したくなるように追い込む能力」を持った生徒がいると確信しますが…。
あと二人の<受取人>は誰なのか…。
作品のテーマはスクールカーストです。
垣内は<受取人>でこそはありましたが事件には無関係でした。
でも最後に死神の正体がわかり五人目の標的(四人目は山霧こずえです)にされてしまいます。
なぜ、垣内が五人目の標的になったのかは重い理由があります。
でも決して暗いばかりのラストではなく、明るい兆しが見えるのはよかったです。 -
相次いで自殺者が出た高校が舞台。主人公は不登校になってしまった同級生から、相次いだ自殺は、ある人物による殺人であると告白される。時同じくして、相手の嘘を見破る能力を手に入れた主人公。その能力を駆使して、自殺なのか、殺人なのか捜査を始める。
といったあらすじ。
「伏線の狙撃手」とあって、序盤から中盤に仕掛けられた伏線が、終盤で続々と回収され、読後の満足感はさすが。
主人公以外にも能力者が3人いて、それが誰なのか、どんな能力なのか、そして、能力者が犯人なのか。
そんな他のミステリー小説にはない、少年マンガのような設定も私の好みでした。
小学校、中学校、高校の頃に、誰もが感じたことがあるスクールカーストについて一石を投じる作品でもありました。
学校に限らず、社会に出るとこういうヒエラルキーは必ず存在するなぁと思います。
上層に位置する人は、ヒエラルキーの存在に気づかないかもしれませんが、下層の人はひしひしと感じるものです。
誰しもが過ごしやすい社会になるといいなぁと一人物思いに耽りました。 -
著者の初読み。
嘘つきの6人の大学生?を読みたく探したけどなかったので、コチラから読んでみました。
面白くないわけではないんだけど、これ個人的に好みではないとわかり^^;
※特殊設定ミステリー
※ファンタジー、SF系
が、苦手であると自分の趣向を理解できました。
学校内で起きる事件や表の顔と裏の気持ちとか、
若かりし時代ならあるのかもしれないけど、
多分大人になった今の世代でも起きていて、
私そゆのが本当ーに嫌いなのです。
なんか、読んでて疲れてしまいました(°_°)
これは完全に私の選定ミスです。
物語を否定してません、自分の趣向に合わないものを自分で選定してしまったという_φ(・_・
6人の大学生買うか迷います…同じ系統なのかな。
次の本なにいこう♪
先日、ランチでしゃぶしゃぶで、飲み放題までつけてしまい、、
ショッピングセンター内の本屋さんに用もなくよってしまい、、
勢いで10冊くらい購入してしまい、、
また積読本が!(◎_◎;)
ストレス発散かな。酔ってる時の本屋危険。
リカシリーズの続編2つも買ってしまった、、、、-
土瓶さん!めっちゃウケました笑
面白いっっ。目をつぶって早足で歩く!笑
本屋さんの策略には私ハマりやすく、積読本はいつの時期の増えるばか...土瓶さん!めっちゃウケました笑
面白いっっ。目をつぶって早足で歩く!笑
本屋さんの策略には私ハマりやすく、積読本はいつの時期の増えるばかりです。。
どんな本推してるのかなぁーって気になり買うつもりないのに引き込まれてしまうんですよー2023/04/05 -
2023/04/05
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ブックオフ、引越してから近所にないのですが、
これは強敵ですね。安さに惹かれて感覚狂い大量仕入れしてしまいそうですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=...ブックオフ、引越してから近所にないのですが、
これは強敵ですね。安さに惹かれて感覚狂い大量仕入れしてしまいそうですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=32023/04/05
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北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ショックから不登校の幼馴染みの自宅を訪れた垣内は、彼女から「三人とも自殺なんかじゃない。みんな殺された」と告げられ、真相究明に挑む、というお話。
そこに謎の手紙をきっかけに受け取ってしまった特殊な能力が加わって、最初のほうはその突飛な設定とそれに振り回される主人公の行動にいさささかの戸惑いが先に立つ。
少し読み進めば、犯人らしき人物はすぐに浮かび上がるものの、相手が持つ能力やその発動条件を推理していくという、特殊能力を持つ者同士の探り合いに引き込まれ、ラストまで引っ張られた。
ただ、創立者が得るべきだった能力は微妙に違う気もして(ex.嘘を見破る能力→本音を引き出す能力)、話のまとめ方はやや強引だったように思う。
テーマになっていたこの年頃にありがちな生きづらさについては分からないでもなかったが、それに対してあのような能力の発動になるのが、もはやこの歳になるといくらなんでも極端な気がして、私には刺さってこなかった。 -
高校生たちのカースト制に苦しむダークサイドな心情がしんどいっ 特殊設定×青春ミステリーの融合作品!
連続自殺事件が発生している高校で、幼馴染から友人を守ってとお願いされる主人公。そんななか一通の手紙が届き、不思議な力を身に着けるすべを得る。特殊なパワーを生かして校内でのさらなる不幸を防ぐことができるのか…
物語の構成や読みやすい文章は、さすがといった感じですね。すいすい読み進められます。
登場人物である高校生たちの描写が見事! その教室の生徒になったような気持ちになってしまいました。終盤の真相解明も素晴らしく、なにより"美しい"ラストは最高の読みどころです。
学生時代の独特の生きづらさ、というのが大変よく感じられる作品。目に見えたイジメや暴力でなくとも、カースト制につぶされてしまう気持ちはホントに良くわかります。なんとも胸が締め付けられる良作です。
本作とても面白いのですが、自分としてはどうしても気になる点が2つあって★3としました。
特殊設定の謎自体が、メイントリックになっている点。
ミステリーは推理を楽しむものだと思っています。もしこれをやるなら、この真相でも納得です、いやぁ最高でした! となってほしい。
人を殺害できる特殊パワーを用いている点。
この設定は、ミステリーでなくとも正直、珍しいネタではありません。キャラクターの性格、背景、動機の説明もしっかりしています。ただこれをやるなら、もっと人間の本質をえぐった、狂った様を描写してほしい。
以上2点、どちらも個人的には納得性が低かったです。厳し目な評価になってしまって申し訳ないが、挑戦的な設定だからこそ、所詮は物語だからこそ、もっと説得力が欲しかったです。
もちろん物語、ミステリーとしては十分に面白い作品ですので、ぜひチャレンジして欲しいです。 -
『六人の嘘つきな大学生』と『俺ではない炎上』がどちらも好みだったので。
犯人の動機がたまったもんじゃない。そう思うのは自由だし、レク中も一人行動で自由にできるくらい自分を出せていたんだから、私は参加しない。自由参加制にしよう。と声を上げればいいのに。鬱陶しいのはわかるが、何故憎む必要があるんだ。と、思ってしまう私は調律されてしまう側のにんげんだなと少し嫌な気分になった。まだ共感できたのは八重樫くん。『なにも言わないで、下向いてるやつこそが、教室に階級を生み出してた』
自分がされて嫌なことは人にしない。と幼少期から学びますが、自分がされて嫌なことがそれぞれあまりにも違うのだからとても難しい。 -
浅倉秋成氏の綴る文章は、クセがなく読みやすくて大好きだ。
さっぱりとしたものながら、彼の練り上げる魅力的な物語をスーッと身体に染み込ませてくれるような、不思議な魅力があると思う。かと思えば、つい唸ってしまうような独特な表現が出てきたりと、読んでいる間こちらをずっと楽しませてくれる生粋のエンターテイナー。それが私の浅倉氏に抱くイメージ像だ。
浅倉氏の文体同様に、私は頭脳戦が用いられる作品が大好きである。
登場人物たちが自身の考えを悟られまいとしながら事件解決のために奔走し、時に協力し、時に疑心暗鬼になる。作中の人物からすればあらゆる方向から押し寄せるストレスのもと行動しているのだろうが、読者としては最高にスリリングなエンターテイメントを楽しむことができる。
頭脳戦、異能力、青春小説、そしてミステリー。
カレーにトンカツを乗せたら美味しいでしょ?とでも言わんばかりに、好きなジャンルがふんだんに織り交ぜられた本作は、まさに私のために刊行されたのではないかと勘繰ってしまうほど、楽しむことができた。
さて、本作は主人公である男子高校生・垣内友弘が在籍する北楓高校で起きた連続自殺事件の真相を追う物語。
2年A組とB組の合同レクリエーションの取りまとめを行なっていた人物たちが次々と自殺をしていき、学校全体が異様な雰囲気に包まれていく中、垣内は自殺者が出て以降不登校になってしまった幼馴染・白瀬美月から、事件は自殺に見せかけた他殺なのではないかという話を持ちかけられる。
困惑する垣内の元に届いた一通の手紙。その内容は彼が「受取人」に選ばれたという内容で、なんでも北楓高校には「受取人」と呼ばれる異能力者が常に4人在籍しており、代々能力の継承をしているらしい。
生徒を自殺に追い込むことが「受取人」であれば可能ではないかという推論に至った垣内は、独自に調査を開始。北楓高校の「人を自殺させる能力」を持つ「受取人」を相手に、証明不能な罪を暴こうとする高校生たちの活躍が描かれる。
気になる垣内の能力は、「他人が嘘をついていることを見破る能力」。
ミステリー小説における最強の能力と思うかもしれないが、様々な制約が足枷となる中で、垣内がどのように能力を活かしていくのか、他の「受取人」の能力はどんなものがあるのかといった点は、本作の大きな魅力のひとつだろう。
また、犯人の犯行をどうやって証明するのか、自身の手を汚していない犯人をどう裁くかといった点も、この特殊設定ミステリーのキモになってくるのだが…。この辺りはぜひ読んで、「受取人」たちの葛藤や選択を彼らの視点で味わってみてほしい。スクールカーストなるものがありふれた現代において、必ず共感できるものがあるはず。
魅力的な設定に心躍った本作だが、個人的には犯人の能力に少しだけ拍子抜け。制約こそあれど、「なんでもありか?」という気持ちを隠せなかった。
しかし、物語のラストは非常に好印象。事件の後、歪な形ではあるものの日常が戻り、いつも通りの生活を送る垣内だが、あらゆる不幸が重なり悲しみに打ちひしがれる。
すべてを投げ出したくなった陰鬱な夜の中、垣内はきっと初めて人間を好きになったのだろう。それは多分、彼が最後に能力を行使した瞬間であり、最高の使い方をした瞬間でもあったはず。
もし、最後の声が「震えて」いたなら、おそらく垣内と全読者は絶望に打ちひしがれていたことだろう。対照的な作品を思い浮かべたとき、米澤穂信氏の『ボトルネック』を想像し思わず身を震わせてしまった。希望を見せる終わり方にしてくれた浅倉氏に感謝。
著者プロフィール
浅倉秋成の作品





