教室が、ひとりになるまで (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3372
感想 : 285
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096857

作品紹介・あらすじ

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  •  書店で本書のタイトルと表紙に「ここはみんな仲がいい最高のクラスです。あの3人はただの自殺です。」と書かれていて、思わず爆笑問題の田中さんの「んなわけねえだろ。」ってツッコミが聞こえた気がしました。
     ミステリー要素や発動条件や発動場所など制約のある特殊能力などが物語を楽しませてくれました。
    だけど、読後なぜか泣けてきました。気づかないうちにきっと過去の学校生活とリンクさせていたのかもしれませんね。解説に『決着のつけ方は賛否が分かれそうだけれども、この深い絶望と微かな希望が交錯する悲痛さを味わうために、本書という読書体験が存在するのだと言ってもいいほどである。』と書かれていた通りでした。私は、どちらかというと垣内さんや檀さんに近い考え方だと思いました。タイトルの意味も読み進めるうちになるほどと思えてきます。本当に良い小説に出会えました。

    ・「僕の悩みを彼は理解できない。僕もやっぱり、彼の悩みは理解してあげることができない。苦悩に、きっと優劣などないのだ。」
    ・「みんなそうなんだよ、きっと。それでも生きていけるんだよ。みんなのことが嫌いでも、本当は一人になりたいと思ってても、それでもちゃんと生きていけるんだよ。みんなと一緒じゃなきゃ生きられないこんな世界だけど、それでもきっと大丈夫なんだよ。」
    ・「この世界、近くに人がいるのは叫び出したくなるくらい煩わしくて、でも一人でいるのは耐えられないくらいさみしい。」

  • 特殊設定ミステリー
    頭の中はジョジョのスタンドバトルを想像しながら読んでました
    主人公と一緒に能力を推理するのは楽しい

    うーむ 読後に得ることが浮かばない
    自身 スクールカーストという大半は経験するだろう青春時代の葛藤に疎く、共感できないからかもしれない
    多様性が叫ばれる中、集団にあわせる同調圧力は年々薄まってるかと感じる(中高学校はまだまだなのか?)

    琴線メモ
    ■私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります。さようなら

    ■あと一年半──たった、それだけの辛抱。この檻から抜け出せる。

    ■人は、みんなで仲良くするべきだと。でもそんなものはまやかし。人は無理に人と生きる必要はない。

  • 垣内友弘の通う私立北楓高校で一カ月に三人の自殺者がでます。
    一人目は小早川燈花で女子トイレで首つり自殺。
    二人目は村嶋竜也で校舎から飛び降り自殺。
    三人目は高井健友で校舎から飛び降り自殺です。三人共同じ文面の遺書を残しています。

    垣内の幼なじみで同じマンションの隣室に住む白瀬美月はショックのために不登校になっています。
    垣内が美月の家を訪ねると美月は「人殺しがいる。みんなあいつに殺される」と言い、死神が三人を殺したのであり、三人共自殺ではないと言います。そして学校にいけば次に自分か山霧こずえが殺されるのだと言います。

    そして垣内は同じクラスでサッカー部の八重樫卓とともに山霧こずえの命を守るために動き出しますが…。

    北楓高校には毎年4名の超常的で特別な能力を持つ<受取人>という生徒が代々選ばれます。
    そして、垣内は三十二代目の受取人が死んだので、三十三代目の<受取人>に選ばれてしまいます。
    特別な能力は受け継いだ生徒により違い、垣内の持つ能力は「嘘を見破る能力」でした。
    そして八重樫もまた<受取人>であり「人の好き嫌いがわかる能力」を持っていました。
    垣内らは「人を自殺したくなるように追い込む能力」を持った生徒がいると確信しますが…。
    あと二人の<受取人>は誰なのか…。

    作品のテーマはスクールカーストです。
    垣内は<受取人>でこそはありましたが事件には無関係でした。
    でも最後に死神の正体がわかり五人目の標的(四人目は山霧こずえです)にされてしまいます。
    なぜ、垣内が五人目の標的になったのかは重い理由があります。

    でも決して暗いばかりのラストではなく、明るい兆しが見えるのはよかったです。

  • 著者の初読み。
    嘘つきの6人の大学生?を読みたく探したけどなかったので、コチラから読んでみました。

    面白くないわけではないんだけど、これ個人的に好みではないとわかり^^;
    ※特殊設定ミステリー
    ※ファンタジー、SF系
    が、苦手であると自分の趣向を理解できました。


    学校内で起きる事件や表の顔と裏の気持ちとか、
    若かりし時代ならあるのかもしれないけど、
    多分大人になった今の世代でも起きていて、
    私そゆのが本当ーに嫌いなのです。
    なんか、読んでて疲れてしまいました(°_°)
    これは完全に私の選定ミスです。
    物語を否定してません、自分の趣向に合わないものを自分で選定してしまったという_φ(・_・
    6人の大学生買うか迷います…同じ系統なのかな。

    次の本なにいこう♪

    先日、ランチでしゃぶしゃぶで、飲み放題までつけてしまい、、
    ショッピングセンター内の本屋さんに用もなくよってしまい、、

    勢いで10冊くらい購入してしまい、、
    また積読本が!(◎_◎;)
    ストレス発散かな。酔ってる時の本屋危険。

    リカシリーズの続編2つも買ってしまった、、、、

    • なんなんさん
      土瓶さん!めっちゃウケました笑
      面白いっっ。目をつぶって早足で歩く!笑


      本屋さんの策略には私ハマりやすく、積読本はいつの時期の増えるばか...
      土瓶さん!めっちゃウケました笑
      面白いっっ。目をつぶって早足で歩く!笑


      本屋さんの策略には私ハマりやすく、積読本はいつの時期の増えるばかりです。。
      どんな本推してるのかなぁーって気になり買うつもりないのに引き込まれてしまうんですよー
      2023/04/05
    • 土瓶さん
      ブックオフという危険な敵にも要注意っす^^
      ブックオフという危険な敵にも要注意っす^^
      2023/04/05
    • なんなんさん
      ブックオフ、引越してから近所にないのですが、
      これは強敵ですね。安さに惹かれて感覚狂い大量仕入れしてしまいそうですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=...
      ブックオフ、引越してから近所にないのですが、
      これは強敵ですね。安さに惹かれて感覚狂い大量仕入れしてしまいそうですヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
      2023/04/05
  • 『6人の嘘つきな大学生』の著者の作品なので読んでみました。
    異能力というファンタジー系とその人の能力が一体何なのかというミステリー要素、とても苦しく、気持ちがしんどくなるような青春モノの3つの側面が混ざった小説であった。ミステリー小説というイメージが強かったが、どちらかというと青春の痛みだとか不安定さに重きを置いているという印象だった。
    「自由になりたい」という欲望がいつしか他人を排除する方向に転んでしまうのが恐ろしいと感じた。最初は人を殺しまくるサイコパスの話かと思っていたら、読者側にも共感できる話も多く、複雑な気分にさせられた。そして、この物語の根幹にも繋がるスクールカーストも彼ら自身が意図的に作り上げたものではないことが読み取れ、自分を「下」だと思い込んでいる人が作り上げた厳格に過ぎないのかなと思った。奇しくも、優里が得た「幻覚を見せる」という能力と同じように。
    また、小早川の遺書を読んでいると優里がスクールカーストを無くすのは自由になりたいというものだけではなく、友人を自殺へ追い込んだという事もあったのではないかなと推察できた。もしかしたら優里は、自分のことを色眼鏡なしで見てくれる友人を失ってしまったことで箍が外れてしまったのかなとも感じた。
    この小説は、集団の圧力とそれにどのように関わっていくかという事なのだと感じた。全ての人と関わるのではなく、その中でも大切な人を見つける事が大事なのかなと思いました。
    物語もスッキリしていて面白かったので、これからも浅倉さんの作品を読んでいきたいです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    垣内友弘:内山昂輝
    白瀬美月:宮本侑芽
    八重樫卓:日野聡
    檀優里:上田麗奈
    山霧こずえ:内田真礼
    小早川燈花:鬼頭明里
    イシミズ:江口拓也
    のり子さん:伊瀬茉莉也

  • 北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ショックから不登校の幼馴染みの自宅を訪れた垣内は、彼女から「三人とも自殺なんかじゃない。みんな殺された」と告げられ、真相究明に挑む、というお話。
    そこに謎の手紙をきっかけに受け取ってしまった特殊な能力が加わって、最初のほうはその突飛な設定とそれに振り回される主人公の行動にいさささかの戸惑いが先に立つ。
    少し読み進めば、犯人らしき人物はすぐに浮かび上がるものの、相手が持つ能力やその発動条件を推理していくという、特殊能力を持つ者同士の探り合いに引き込まれ、ラストまで引っ張られた。
    ただ、創立者が得るべきだった能力は微妙に違う気もして(ex.嘘を見破る能力→本音を引き出す能力)、話のまとめ方はやや強引だったように思う。
    テーマになっていたこの年頃にありがちな生きづらさについては分からないでもなかったが、それに対してあのような能力の発動になるのが、もはやこの歳になるといくらなんでも極端な気がして、私には刺さってこなかった。

  • 高校生たちのカースト制に苦しむダークサイドな心情がしんどいっ 特殊設定×青春ミステリーの融合作品!

    連続自殺事件が発生している高校で、幼馴染から友人を守ってとお願いされる主人公。そんななか一通の手紙が届き、不思議な力を身に着けるすべを得る。特殊なパワーを生かして校内でのさらなる不幸を防ぐことができるのか…

    物語の構成や読みやすい文章は、さすがといった感じですね。すいすい読み進められます。

    登場人物である高校生たちの描写が見事! その教室の生徒になったような気持ちになってしまいました。終盤の真相解明も素晴らしく、なにより"美しい"ラストは最高の読みどころです。

    学生時代の独特の生きづらさ、というのが大変よく感じられる作品。目に見えたイジメや暴力でなくとも、カースト制につぶされてしまう気持ちはホントに良くわかります。なんとも胸が締め付けられる良作です。

    本作とても面白いのですが、自分としてはどうしても気になる点が2つあって★3としました。

    特殊設定の謎自体が、メイントリックになっている点。
    ミステリーは推理を楽しむものだと思っています。もしこれをやるなら、この真相でも納得です、いやぁ最高でした! となってほしい。

    人を殺害できる特殊パワーを用いている点。
    この設定は、ミステリーでなくとも正直、珍しいネタではありません。キャラクターの性格、背景、動機の説明もしっかりしています。ただこれをやるなら、もっと人間の本質をえぐった、狂った様を描写してほしい。

    以上2点、どちらも個人的には納得性が低かったです。厳し目な評価になってしまって申し訳ないが、挑戦的な設定だからこそ、所詮は物語だからこそ、もっと説得力が欲しかったです。

    もちろん物語、ミステリーとしては十分に面白い作品ですので、ぜひチャレンジして欲しいです。

  • 『六人の嘘つきな大学生』と『俺ではない炎上』がどちらも好みだったので。
    犯人の動機がたまったもんじゃない。そう思うのは自由だし、レク中も一人行動で自由にできるくらい自分を出せていたんだから、私は参加しない。自由参加制にしよう。と声を上げればいいのに。鬱陶しいのはわかるが、何故憎む必要があるんだ。と、思ってしまう私は調律されてしまう側のにんげんだなと少し嫌な気分になった。まだ共感できたのは八重樫くん。『なにも言わないで、下向いてるやつこそが、教室に階級を生み出してた』

    自分がされて嫌なことは人にしない。と幼少期から学びますが、自分がされて嫌なことがそれぞれあまりにも違うのだからとても難しい。

  • 特殊能力を上手く絡めたミステリ。加えて、学生特有の生々しい苦悩や葛藤が描かれていて、当時の息苦しさを思い出すようだった。クラスの同調圧力、けど一人でいたい。でも実際のところ、助け合わなければいけない。矛盾に満ちた教室という箱庭を感じられた。

  • 北楓高校で起きた連続自殺事件、、、本当に単なる自殺なのか・・・
    (特殊設定ミステリ小説です)
    仲良しだった、楽しいはずだった、そんな青春を謳歌している(しているように見える)中で連続して起こる生徒の自殺。
    しかもそれはクラスの中でも中心的存在にいた生徒ばかり・・・
    学校という小さな世界で必ず生まれるカースト制度、教室という国の主導権を誰かが握り、周りを従える。
    「教室が、ひとりになるまで」カースト制度は続くのだろうか・・・ひとりとは誰のことなのだろうか・・・
    「ひとり」という意味は読み進めていくうちに、なるほど、と納得しました。
    どうして主人公垣内は事件解決にそこまで奮闘するのか少し疑問を持っていましたが、個人的には無意識のうちに人と関わることを望んでいたのかなと思いました。
    とりあえず、こんな能力は絶対持ち合わせたくないと思います・・・

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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