フラッガーの方程式 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041096871

作品紹介・あらすじ

「物語の主人公になって、劇的な人生を送りませんか?」
平凡な高校生・涼一は、日常をドラマに変える《フラッガーシステム》のモニターになる。
意中の同級生佐藤さんと仲良くなりたかっただけなのに、生活は激変!
ツンデレお嬢様とのラブコメ展開、さらには魔術師になって悪の組織と対決!?
佐藤さんとのロマンスはどこへやら、システムは「ある意味」感動的な結末へと暴走をはじめる! 
伏線がたぐり寄せる奇跡の青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  •  いやぁ、ラブコメ&ギャグってほんとにいいもんですね(水野晴郎さん)。笑いました。そして最後には、お決まりではありますが、感動でした。
     ちょっと前にやーこさんの『猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました』を読みましたけど、どちらかというと、こっちでより笑いました。(頭の調子がよかった?)

     日常をドラマに変えるドラッカーシステムとは?、よむと時代設定を変えるタイムマシンとか、多次元空間移動マシンの系統でしょうか。
     作り出すドラマのテンプレートは、ほぼ深夜アニメです。だから選択肢は、ラブコメ展開、魔術展開などしかなく、ギャグ満載のご都合主義です。
     わたしは慣れないので、魔術展開はきつかったです。特殊ワードにふりがな振ってるんですけど、『我儘な白黒少女』が「エゴイスティック・マコ・バンド」とか、『音速の旋風!!』が「ダイソン」みたいな郭泰源です。心折れそうになりましたけどがんばりました。

     作者の浅倉秋成さんの「あとがき」をいれて502ページ(意地か?)と長いです。
     数学未解決問題であるABC予想の論文が600ページ超だそうです。やはり、フラッガーも「方程式」だけに回収・回答は長くなるのかな。浅倉さんもがんばりました。

     この感想の流れだと、ラブコメ好きやギャグを愛するひとにオススメとなるんですが、属性?はなんであれ、あえてビジネス書ユーザーや人生訓ユーザーにおすすめしたいと思います。

     フラッガーシステムはプログラムであり現実をねじ曲げる装置です。いわば「神」です。その中心が「フラッガーの方程式」です。この方程式は、オオタニさんが投げて打つみたいな勝利の方程式に近いもので、「神」をコントロールし、よりよい結末に導く方程式なのです。(意味不明ですね)

     そこで重要なキーワードが、「ツッコミ気質」ではなく、「フラグマネジメントシップ」です。
     人生の折々で伏線を張り、フラグを立て、時にはフラグを折ることもあるでしょうが、それらを美しく回収していくことで、人生がより素晴らしいものになり、ひとつの物語の主人公になれるのです。
     この本は、そのために自分の発言・独り言と行動をどのようにコントロールしていけば良いか、フラグという考え方を中心に、ストーリー仕立てで教えてくれます。
     わたしには、20年後くらいに人生の指南書として『人生は『フラッガーの方程式』に学んだ』みたいな本がたぶん出版される心当たりがあります。
     そのときわたしが生きていて、認知が正常(自己判定可)なら、本作とあわせて読んでみたい。

     ほんとうに、腹がよじれるくらいに笑えて腸にほどよい刺激をあたえ、人生を学べるすばらしい作品でした。

  • 日常をドラマに変える〈フラッガーシステム〉のモニターとなった主人公。意中の女の子と仲良くなりたいだけなのに、お嬢様や魔法使いと仲良くなる展開に巻き込まれる。意中の女の子とはどうなるのか、そして、終盤にかけて伏線が回収され、物語は結末を迎える。
    といったあらすじ。


    胃がもたれるほどギャグ要素がふんだんに盛り込まれていますが、著者と同世代のため、そのどれもが見事にヒットしました。
    特に好きだったのが、魔法の名前が全てプロ野球の助っ人外国人の名前(ファルケンボーグ、グライシンガーetc)。作中では全然触れられないため、野球に疎い人は全然気づかなかったのではないでしょうか。

    • オミさん
      shintak5555さん
      コメントありがとうございます♪
      ギャグ満載、伏線回収もあり、かつラブストーリー。面白かったです(^^)
      shintak5555さん
      コメントありがとうございます♪
      ギャグ満載、伏線回収もあり、かつラブストーリー。面白かったです(^^)
      2024/08/31
    • MATSURIさん
      突然のコメント失礼します!
      野球に疎くて魔法が外国人選手の名前とは
      気付きませんでした・・・!!
      ネタだらけのこの作品で新たなネタを知れて
      ...
      突然のコメント失礼します!
      野球に疎くて魔法が外国人選手の名前とは
      気付きませんでした・・・!!
      ネタだらけのこの作品で新たなネタを知れて
      嬉しくなってしまい、ついコメントしてしまいました!
      2024/09/03
    • オミさん
      MATSURIさん
      コメントありがとうございます♪
      ネタだらけで、どれが真面目に書いてて、どれがネタなのかわからなくなってしまいますね(°▽...
      MATSURIさん
      コメントありがとうございます♪
      ネタだらけで、どれが真面目に書いてて、どれがネタなのかわからなくなってしまいますね(°▽°)
      少しでも役に立てたのなら良かったです(^_^)
      2024/09/03
  • あらすじに惹きつけられて、読み始めました。
    文庫で500ページ近くあるので、かなりの読みごたえがある小説になります。
    正直、前半は人を選ぶと思います。ベタベタ感のラブコメ展開など、読んでいてお腹いっぱいになる人もいると思いますが、それに臆さず、後半まで読まないと、この本の良さは分からないと思います。
    まさか、泣かされるとは思いませんでした。。
    万人受けする小説ではないですが、一風変わった小説を読みたい人にはいいかも。

  • 途中、何度も挫折しそうになりながら
    まずは350ページあたりまで読んだ
    そこから回収劇が始まる
    けど、ごめんなさい
    どうにものめり込めない作品

    • マメムさん
      初コメです。
      テンションに付いていけない作風ですよね。
      個人的には好きですが、オススメしにくい作品でもあります(^_^;)
      初コメです。
      テンションに付いていけない作風ですよね。
      個人的には好きですが、オススメしにくい作品でもあります(^_^;)
      2024/08/17
    • あこあこさん
      そうなんです
      「六人の嘘つきな大学生」と
      「教室が、ひとりになるまで」が良かったので
      期待して読んだんですが、
      展開とかテンションに
      付いて...
      そうなんです
      「六人の嘘つきな大学生」と
      「教室が、ひとりになるまで」が良かったので
      期待して読んだんですが、
      展開とかテンションに
      付いて行けませんでした(^^;;
      2024/08/17
    • マメムさん
      あこあこさん、お返事ありがとうございます。

      そうなると『俺ではない炎上』と『ノワール・レヴナント』もついて行けない系に含まれるかもですね(...
      あこあこさん、お返事ありがとうございます。

      そうなると『俺ではない炎上』と『ノワール・レヴナント』もついて行けない系に含まれるかもですね(^_^;)
      『六人の嘘つきな大学生』がお気に入りでしたら、神永学さんの『ラザロの迷宮』か七尾与史さんの『殺戮ガール』をオススメしてみます!
      2024/08/17
  • ラブコメやギャグ要素が強めな作品。

    中盤少し飽きてきた(すみません・・・)と思った矢先、
    え!あれも!?これも!?とフラグ回収の嵐!!

    そこからは読む手が止まりませんでした。

  • 浅倉秋成さんの読了4作品目。
    ラノベっぽく読みやすいラブコメ。
    個人的に六人〜に比べると評価は劣るけれど読みやすさと伏線回収の鮮やかさは毎回すごい。
    中学生の娘の方が楽しめそうな内容な気がするのでおすすめしたい。

  • 350ページまでのわちゃわちゃとした伏線が長く、途中で投げ出しそうになってしまいましたが後半はそれなりに楽しく読めました。

  • 浅倉先生過去作品シリーズ。

    序盤から中盤までまじできつかった。
    くさいセリフや展開。。。
    けど、そこが王道であり、深夜アニメの典型なので面白かったんだけどね。
    300ページあたりから加速していったな。
    300ページ〜ラストまでは面白かった

  • 浅倉秋成さんの本を読むのははこれで3冊目だが、浅倉さんの紡ぐ計算し尽くされた文章、見事な伏線回収劇にすっかり魅了されている。「ここに繋がるのか!」と何回も驚かされた。

    ライトノベルのような会話の掛け合いも楽しいし、主人公のツッコミも最高だった。
    序盤はフラッガーシステムが仕掛けるフラグに巻き込まれ思い通りにいかない東條がフラッガーシステムをうまく利用して「ご都合主義」を作っていくのがとても面白いかった。

    普通の作品なら展開が読めてしまうため、ご都合主義はあまり好きではないが、この作品では定番のテンプレートを待っている自分がいた。

  • お気に入り作家さんなので、星の数は甘めかな。
    でも、ちゃんと面白かった。アニメ化して欲しい。
    佐藤さんとどうなったのか、具体的に知りたい気持ちもあるけど、こんな感じのラストが丁度良いのかも。
    ソラちゃんはミサカ妹的な存在なのかと思ってたら、違ってた。
    あとがきが最高だった。お勧めラブコメアニメ教えて欲しい。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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