角の生えた帽子 (角川ホラー文庫)

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  • KADOKAWA (2020年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041096925

作品紹介・あらすじ

何度も同じような夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。その夢はまるで自分が手を下したかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件が起こっていると知る。犯人逮捕のニュースには、自分と同じ顔をした違う名前の男が映っていた―ー。運命の残酷さに翻弄される悲劇を描いた「悪魔の帽子」ほか、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由があかされる衝撃のラスト「犬嫌い」、著者の出身地である松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」などの他、文庫化にあたり雑誌掲載原稿を2篇、文庫版書下ろしも収録した充実の十二篇。登場人物たちの心の昏闇や地獄は、自分の中にもあると気付いたとき、すでに著者の術中にはまっている。一度読み始めたら、止められない語り口、一気読み必須の正統派怪談。

感想・レビュー・書評

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  • 猫は、読むのが無理そうですが、、、

    快楽殺人の悪夢、偏愛、運命の残酷…巻き込まれてゆく人間たちを描く傑作集『角の生えた帽子』解説 | カドブン
    https://kadobun.jp/reviews/b2d6wrbsbxko.html

  • <媛>

    就寝直前のベッドの中で読み始めた。この本は文庫版である。考えてみると僕はいつもほとんど単行本ばかり読んでいるがこの文庫版の読み易さはやはり素晴らしいなぁ。もう全部最初から文庫版で出版しちゃえばいいのに。で,いつもの様に巻末の解説から読む。文庫本の解説はまあ良く出来ている。ネタバレに注意しながらこの本はどういう具合に面白いのかを的確に書いてくれている(場合が多いw)。

    で,その巻末の解説を含め表紙裏ページの著者紹介欄も含め本書には著者の宇佐美まことが男性なのか女性なのかについては一切触れていない。そんな事を気にしてこうやって読後感想に書くのは僕ぐらいだろうけど,作者が男性なのか女性なのかというのは読み手にとってはかなり気持ちの上で大切な事だと僕は思っているから。最近はジェンダーレスとかジェンダーフリーとか言われているがミミズやカタツムリじゃあるまいし絶対にそうはゆかないのだ。

    本書にはもうひとつ些細なことだけどモンダイが有った。それは僕がこの本を単行本で過去にもう読んでしまっているかもしれない,という既読感が読み始めの少しの間漂っていた事。こらえきれなくてブクログで調べた。良かったまだ読んでいなかった。でももしかすると最初の一品『悪魔の帽子』は単作としてどこかで読んだのかもしれないなぁ。(君イイカゲンにあきらめなさい(笑))

    短篇ホラー作品集である本書の4品目『城山界隈忌憚』。僕は著者と同じく四国生まれ。けれども著者の故郷伊予松山からは少し離れた阿波徳島池田町出身。だからなのかこの一品にはとても興味を覚えた。松山市へは道後温泉を含めて何度か行った事があるが,松山城を一周する“のろい”路面電車があるなんてちっとも知らなかった。のろいとひらがなで書いてはあるが宇佐美まこと作品だとつい“呪い”によめてしまう。(笑) 僕より二歳年上の宇佐美まことは今も松山市に在住だそうだ。最近は結構沢山の本も上梓していて羨ましい限りだ。

    8品目『犬嫌い』に知らない言葉が出てきた。「桎梏」。すぐにググル。本文中には読み仮名が振ってあったのでその通りしつこく とPCに入れて変換…出来ない。まあ多分そうなのだろうと思ったので今度は しっこく と入力。出た。「手かせ足かせ。自由を束縛するもの。」なのだった。ここでの僕の話は読み仮名では「っ」などの小さい文字は使わない場合がある,」という事。これはニ三か月ほど前の「本の雑誌」が特集していたのを読んで覚えていた事。あの雑誌,少しは役に立つのだと思った(笑)。

    さて,ここでこそーりと本書とは全く関係の無い僕の戯言を一つ書かせて頂く。

    「…です」と「…でございます」の中間的丁寧語のつもりで若者を主体に多くの日本人が「…になります」を使っている。その使い方は決して丁寧語ではないぞ間違っている!もうええかげんにせえよな!例えば 「こちらがトイレになります」 なんだとー,じゃあトイレになる前は一体何だったんだ。説明してみろ!…などと独り騒いでると老害って言われるのでこれ以上は慎む事にする。言葉なんて意味さえ分かればもう何だっていいんだ。やれやれ。

    さて,前出の解説の中で,とある企画イベントでの作家インタビューにて「類似した作品は書かない」という意味の事を宇佐美さんは言ったらしい。ふむ,なるほどそう云われればそうなのかな。僕がいっとう最初に読んだ作品は『いきじごく』四国お遍路さんのお話だった。その時僕が書いた感想文を読み返してみると,やはり著者の性別について気になった旨を書いている。当時読んでるその場でググって調べて,おおやはり〇性か,と思ったものだった。 今回の感想文にも宇佐美さんが女性か男性なのかの答えは書かないで置く。

  • 強大なモンスターも派手な怪奇現象も出てこないけど、ただひたすらに気味が悪い感じの「静かな怪異」が日常に滑り込んでくるような話が中心。
    でも基本的にただ胸糞悪いだけの話はないので読後感は意外とすっきり。
    『世にも奇妙な物語』のコメディ話なしバージョン(感動系は多少あるよ!)みたいな感触だった。
    同じ状況下なら自分でも普通に抱いてしまいそうなネガティブ感情が話のとっかかりになってるパターンが多くてぞわぞわする……

  • 単行本で読んでいて内容的にはほぼ再読。
    新たに収録された三つの短編が、これまたひんやりとした冷たい輝きを放っていて嬉しい。
    人の心をざわつかせ、時にゾクリと時にせつなく不意にじんわりと、謎めいた怖さの中に様々な顔を持つ怪談の愉悦にしばし浸った。異彩を放つ「みどりの吐息」、読後の余韻がたまらなく好きな「左利きの鬼」がやはり心に残るなぁ。
    ラストを飾る「湿原の女神」の絶望を絶望のままで終わらせないこの上なく爽やかな読後感には改めて驚かされるばかり。

  • 一本の話かと思ったら短編集だった。しかし難しいよね、短編って。良質な短編にはなかなか出会えないからこういった感想にもなる。

    12篇の物語のうち、ほう!というのは2、3かなー。夏休みのケイカク、犬嫌い、あなたの望み通りのものを、あたりかな。

    全体的にキライではないんだけども、文字通り小品感があって消化不良よね。あら、もう終わりなのね、と。

    ちょっと不気味なってところで行くと、世にも奇妙な某の原作みたいな感じだ。サクッと読めるので軽く活字慣れしていきたい時には良いのかな。

  • 短いながらも読ませるホラー。
    怖いモノから優しさを感じさせるモノまで、
    色々なホラーの短篇集12話。

    特に印象に残ったのが『空の旅』
    計画を立てDV夫から逃げ出した麻祐子
    しかし雪の空港で足止め。
    空港の蕎麦屋で相席になった老女と話していたら…
    確かに逃げれたけど、
    そうじゃない!!
    そんな逃げ方したかったんじゃないんだよ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。 

    あと、
    『悪魔の帽子』定番って感じ。
    『夏休みのケイカク』未来はどうなるのか?
    『あなたの望み通りのものを』本人は幸せ。
    『左利きの鬼』萌美の境遇に同情してしまった。

  • 【2025年115冊目】
    女を犯して殺す――夢を見るのだ。夢だとわかっているのに、なぜか強い現実感を伴う。だが、夢で見たのと同様の事件が起こっていることがわかり、僕は困惑する。テレビに映っている犯人と思われる男の似顔絵は僕と瓜二つの顔をしていて――表題作を含む12編の短編集。

    短編集より長編の方が好きだったのですが、最近は短い時間で集中して読むことのできるので、短編集も好きになってきました。デビュー作である「るんびにの子供」も楽しんで読んだ記憶がありますが、今作も楽しんで読めました。なにせ、表題作からして、かなりセンセーショナルなあらすじだったので思わず手にしてしまいました。

    「赤い薊」「空の旅」「縁切り」らへんが好きでした。おどろおどろしさと結末のやるせなさというか。あとがきを読んで、作者さんのエッセイも読んでみたいなと思いました。なるほど恐怖は、確かに純粋な心の発露ですねぇ。

  • 人も怖いし怪奇現象も怖い、どちらも楽しめる。人の執念がもたらす結末が好きな人には特におすすめ。
    『夏休みのケイカク』物分かりのいい大人になんかならない。ゾッとさせつつ期待もさせる。
    『あなたの望み通りのものを』あたたかく優しく見せかけているところが怖い。
    『左利きの鬼』神はちゃんと知っている。
    『湿原の女神』結局正体不明のビッチ。後味はいい。

  • 短編集とは知らず読んでいましたが,どの作品もスラスラ読めたので楽しめると思います。
    自分的には,後編の5作が良かったです。
    最後の『湿原の女神』が好きかなぁ。

  • これまでに読んだ宇佐美さんの著作の中ではやっぱり『愚者の毒』がいちばん読み応えがあったように思うのですが、短編もお得意の様子。怖さとしてはホラー苦手の私でも全然平気な程度。映像化すればそれなりに怖いでしょうけれど、想像力を働かせて読まなければ夢に見ることもありません(笑)。

    嫌ミス的なオチもあれば、少し切ないオチも。怨念がその地に棲み着いたかのような話がいくつかあって、ヤン・シュヴァンクマイエルの『オテサーネク』を思い出したりもしました。ちょっと物足りない気もしつつ、サクサク読めてまぁいっか、てな感想です。

  • 読み終わって少しゾッとする話が多かった。

  • とにかく読みやすくてサクサク進んだ。
    飛び抜けて面白い話はなかったけど、イマイチな話もなく平均して面白い。

  • 不穏さと怖さがある。この短編集に収められた12編はいずれも一筋縄ではいかない。
    見えないはずの現世と幽世の境目が見えて、そこから何かがやって来る様には背筋が凍る。単にグロテスクでおぞましいのとは訳が違う。その異変が起こる要因が、あるいはその背景が明らかになった時、恐怖が起こるのだ。
    短い話ばかりなのに一つ一つが印象深いのはどれもバリエーション豊かだからだ。似たり寄ったりの話を量産するタイプの作家ではない。どの話もそれぞれ違い、単純な「怖い」とは一線を画している。味わい深い怖さがここにはある。

  • ホラー短篇集。がっつり怪談だけど「いやお前なんかい」と綺麗にひっくり返されるミステリ的な美味しさもある。12篇もあってつまらない話が1つもなかったので質が高いと言えよう。暗い結末に向かっていく話が多いなか、最後の「湿原の女神」はほろ苦と爽やかの中間で好き。

  • ホラー…かと言われると少し違う。
    いわゆる怪談本かと思って読むと肩透かしになるので注意。
    ゾッとするというより、人の嫌な部分を時にファンタジーな味付けで描いた読みやすい作品だと思う。

    セクシャルなお話も多いので、万人に薦めやすい訳ではないのがちょっと惜しかった。

  • ホラーというよりは、純文学的な空気感を感じた。ホラー的な展開ではあるが、市井の人々の暮らしと悲しみを描きつつエンタメとして昇華させている。
    著者の文体によるものなのだろうか、静謐な印象を受けた。

  • 湿原の女神
    空の旅
    は好きなテイスト。
    1本目はちょっと私には・・NGだった。

  • フワッとした終わり方の話が多かった

  • この本は電子ブックとして図書館に所蔵されています。紙の本は所蔵がありません。閲覧する場合は以下のURLからアクセスしてください。
    https://web.d-library.jp/kokushikanlic/g0102/libcontentsinfo/?conid=374768

  • 面白かった。ひとつひとつの短編が、読んだあとしばらく余韻に浸りたくなるようなお話だった。設定はありきたりでも演出が良かったと思う。
    特に「みどりの吐息」「湿原の女神」が好きでした

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著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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